ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

2019.8 新サイトOPEN!
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※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

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「慣れぬ音」を、弾く〜『ヨウジとわたし』コンプリートアゲイン!

同じ曲を、何度も人前で弾く。

それは決して「慣れる」ということではありません。むしろ、弾くたびに違う顔を見せてくる。こちらの状態や、空間の空気によって、音の重さも、間の深さも変わっていきます。

アルバムを一度完成させ、レコ発ライブを終えたあとで、もう一度その曲たちと向き合う。
それは、少し時間と距離を置いたあとに、自分の書いた文章を読み返すような感覚でもありました。



1月最終の金曜日。1/29。
アルバム『ヨウジとわたし』のコンプリートライブ!アゲイン!を行いました。

会場は駒沢大学駅から徒歩1分の moment.base
このアルバムが生まれた場所です。2ヶ月に一度、公開イベントとして久保田洋司さんと曲作りを続けてきた、まさに原点の空間。ここでイベントにいらしたお客様を前に、少しずつ曲が形になっていきました。

あらためて振り返ると、イベント前日に久保田洋司さんからメロディ譜と仮歌が送られてきて、当日はその旋律のイメージやインスピレーションの源を言葉にしながら掘り起こし、曲の完成イメージを共有する。そして次の回で完成形を確認する——そんな時間を2年ほど重ね、12曲が揃い、このアルバムになりました。

ヨウジとわたし
COMPASS
2025-05-28



アルバムは2025年5月28日にリリースされ、東京と大阪でレコ発ライブを行いましたが、「この moment.base ではまだ演奏していないよね」という話になり、今回のアゲイン!ライブが実現しました。

初回のレコ発では、12曲すべてを初めて通して弾くということもあり、まだ全容がつかめていない感触がありました。基本的には久保田洋司さんとトークをしながら一曲ずつ演奏していくという趣向でもあり、現場で「弾き」、「イメージを確認していく」という感覚がありました。

でも今回は違います。ステージに立つのは僕ひとり。作曲者である久保田洋司さんは客席で、観客と一緒にこのアルバム全曲を聴く側に回る。


トークは入れず、1曲目から最後までノンストップで演奏しました。時間にすると30分ほどでしょうか。

弾いていて自分でもはっきり感じたのは、音が以前よりずっと“ほぐれて”いたこと

一音一音を無理に掴みにいかなくても、自然に流れができていく。細部のニュアンスも、以前より余裕をもって扱えるようになっていて、12曲を通して「一つの作品」としての大きな流れを強く感じながら演奏できました。

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全曲スルー演奏の後は、作曲者久保田洋司さんを交えてトークタイム。

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このアルバムがどうやって生まれたのか、そしてこれからどう展開していきたいのか、久保田洋司さんとじっくり話しました。この日は会場も満席で、演奏もトークも、しっかり受け取ってもらえた感覚があります。



改めて今回弾いてみて思ったのは、曲順の強さです。

“水滴”の、形を変えながら繰り返される温かなモチーフ。
“君が眠っている間の世界”の、アルペジオの流れの中から自然に立ち上がる旋律。
3曲目で“ヨウジとわたし”が現れることで、作品全体の軸がはっきりと動き出す感じがあります。

“今日降る雪の”では迷いが安堵に変わり、“三杯目のコーヒー”では右手Pの連打を交えたかき鳴らしと、どこかアラブ的な響きが立ち上がる。

“花笑み”の親しみやすさ、“Quiri Nuque”の不安定さと5連符のスリル。
“熱”のリズム感と前向きなエネルギー。“わたしたちのYear-end Party”の、しっとりとした大人の余韻と遊び心。

“新瞬”の、音のない「間」。

そして“魚と数学”で一気にプログラム全体にクレッシェンドがかかり、“今までで一番”で静かに、でも確かな終着点を迎える。


この曲順は、実は完成した順番です。

タイトルのイメージだけでなく、制作の過程や僕たちの心境の変化が、そのままアルバムの流れになっている。今回通して弾いてみて、そのことをよりはっきり実感しました。

トークの中では、僕が「一人でステージに立って弾いていると、孤独を感じる」という話をしたのですが、久保田洋司さんは「孤独こそが創作の原点だ」と語ってくれました。軽い言葉のやりとりのようでいて、実はこのアルバムの核心を突く話だったと思います。

また、1曲目と2曲目は「しっかりした作品を作ろう」と少し力が入っていたこと、3曲目の“ヨウジとわたし”からは、好きな曲を自由に、力まず作れるようになったことも話しました。これは演奏していても、ライナーノートを読み返しても、納得できる流れです。

このアルバムを12曲の集合ではなく、一つの“組曲”として捉えたい
今回の演奏で、僕自身もその感覚を強く持ちました。今後の展望としては、アルバム収録曲に久保田洋司さんが歌詞を付ける構想も、かなり現実味を帯びてきています。

弾き語り+独奏、インストと歌の組み合わせ、今のアレンジのままギターと歌で…。

形はいくつも考えられます。どんな言葉が選ばれるのか、どんなふうに音と絡むのか、僕自身とても楽しみにしています。特に“魚と数学”や“Quiri Nuque”は、想像するだけで刺激的。


いつも通り久保田洋司さんと話していると「あ、やはり、この人すごい感性だ」と思いながらも、終始自然体。
気づけばあっという間に時間が過ぎている。

曲作りの公開イベントには来られなかった方にも、「こんな二人のお話の中から音楽は生まれたんだな」と感じてもらえた夜だったのではないかと思います。

また季節が巡り、次の展開をお見せできる日を楽しみにしていてください。イベント期日は4/16に決定しております。「ヨウジとトミー」新展開!何か起こるのかお楽しみに!


一流の演奏は、魔法じゃない〜日曜ワークショップ最終講義やりまーす!

1月25日の「日曜ワークショップ」で最終講義となります。

2009年から月1回ペースでずーっと続けてきたこのワークショップ。クラシックギターに関する技術や表現面のワークショップをみなさんと続けてきました。

気づけば200回を超えていて、自分でも「よくやったな…」って思います。


で、最後はやっぱり「まとめ」として、僕が一番伝えたかったことをもう一度ちゃんと言葉にして終わりたいなと思っています。

今回のテーマはすごくシンプルです。技術も表現も、“思い込み”を捨ててゼロから組み直す。


実は僕の場合、最初から「理論で音楽を組み立てよう」と思ってたわけじゃないんです。
むしろスタートはもっと単純で、巨匠の演奏や録音を聴いて「え、ここってどういうロジックでこういう表現になってるんだろう?」「なんでこの人は、こういう技術でこんなふうに弾けるんだろう?」っていう疑問が出てきたところから始まってます。


巨匠の演奏って本当にすごいけど、魔法じゃない。

絶対にそこには“理由”があるはずで、もし理由があるなら、自分でも少しずつでも近づけるはずだなって。そこから僕は、表現理論や技術のことを調べたり、身体の使い方まで含めて研究していくようになりました。

左手・右手のフォームやタッチ、爪、音の立ち上がり。そしてリズム・拍節感・フレーズの重心といった「表現」の部分まで。こういうところって、感覚だけで進めるとどうしても曖昧になったり、再現性がなくなったりするんですよね。

でも逆に言うと、きちんと理解して整理していけば、ちゃんと音楽は変わる。

だから僕は、技術も表現も「感情だけ」じゃなくて、ロジックとコントロールとして捉えることが大事だと思っています。

表現は「気持ち」だけで作るものではなく、理解と設計の上に、音楽は立ち上がってくる。
(もちろん気持ちも大事なんだけど、その“土台”の部分の話です)

今回の講義では、その“土台”の部分をまとめ直して、このワークショップの区切りにしたいと思います。

具体的な楽器を用いたワークショップは行いませんが、クラシックギターを学ぶ方には今後のためのヒントがたくさんある回になると思います。


今まで参加してくれた方も、初めての方も、よかったらぜひ。





ラジオで何を話しているのか?

1/6にラジオの公開収録を行ってきました。毎月公開収録イベントを行っておりますが、ゲストを招いての収録イベントの前に「一人語りの回」を2本やっております。

2026年2月6日放送分:2月の「大雪」の話、トミーは「雨男」である
2026年2月13日放送分:カタルーニャにバレンタインデーってあるの?
2026年2月20日放送分:ゲスト舘野公一さんとギター。ギタリストは煮詰まったらクラシックギターをやると良い?
2026年2月27日放送分:音大に入ってからの舘野さん。ノージャンルになっていた「環境」とは?


2026年2月20日放送分では、クラシックギター曲って何がすごいの?っていうところまで話が進みました。カルカッシってつまらーん!という人の気持ちも分析しております。

2026年2月27日放送分では、舘野公一さんのジャンルレスな活動について詳しく伺いました。僕も割とあれこれジャンルレスにギター弾いているので共感できる部分がたくさんありました。なるほど、そうなるよね!って感じ。
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公開収録後は僕のソロ、舘野さんのソロ、カルッリop.128-1 と月光(ベートーヴェン)をデュオで。これは公開収録においでになった方のための特典。

やっぱりゲストとのデュオってすっごい楽しいもんなんです。収録の時に感じた人柄や個性を感じながら一緒にセッションするのって感触がずいぶん違う。
これは是非公開収録に来ていただいて、感じてほしい「ライブ」の肌感覚なんですよね。


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神戸コミュニティFM FM MOOV(76.1MHz)にて毎週金曜20:15〜20:30に放送中のラジオ番組
富川勝智の「クラシックギターと私」

2026年3月分の放送回の収録を行います。収録日は 2026年2月6日。

会場は、世田谷区・駒沢大学駅西口徒歩1分の moment.base です。


翌月分をまとめて収録する形となります。後半はゲストを迎えての公開収録を予定しています。
ゲストは益田正洋さん。

言わずと知れた日本のクラシックギター界のトップシーンで活躍しているギタリストです。
是非会場においでいただき、収録を楽しんでいただけたらと思います。


番組は放送エリア外からも、スマートフォンアプリ Simple Radio を通じてお聴きいただけます。



▶ 視聴方法(リンク)

Simple Radio(シンプル・ラジオ)アプリ
https://apps.apple.com/jp/app/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AB-%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AA-fm-am%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AA/id891132290

アプリをダウンロード後、
「FM MOOV」を検索してお聴きください。

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