「極楽ソロギターサウンド」に関して私が書いたブログ記事にたいして、生徒さんから質問がありました。
この仕事について、ほとんど初見で録音・・・のいうくだりに反応したようです。
「初見力はどうやったら養われるのか?」・・・という非常に純粋な質問ですね。
一般的な答えは「質より量」です。
なんでもいいからまだ弾いたことがない楽譜を弾いてみる。各自のレベルに合うものを初見で弾いてみます。あまり難しいものは駄目ですね。ぱっと見て、「あ、これなら弾けそう・・・」というレベルの曲を選ぶ。
この場合、「絶対に止まらない」というルールを自分に課しておこなうほうがいいです。
もうひとつ、普段練習している曲を折に触れて「楽譜を読んで」演奏する・・・という癖をつける。これも重要。
もう既に暗譜してしまっている楽譜でも、もういちど「楽譜を読みながら」演奏する。ただこれだけでも、初見力は養われます。
ジョン・ウィリアムスは若い頃に、毎日ソル20のエチュードを最初から最後まで(!)通して弾いていたといいます。これで初見が強くなった・・・ということです。(この場合も間違えても気にせず、最後まで弾きとおすこと・・・が重要!)
ものすごくゆっくり楽譜の音を『読みながら』弾く訓練も大切です。全音から出ている「ギター・ベースのための読譜と運指の本」(濱瀬元彦著)という本を時間のある方にはお勧めします。一見、字ばっかり!ですが、理路整然と読譜という行為を解明しています。
楽譜を読む→音を出す・・・という「→」の間に行われている脳内の処理を扱った貴重な著作です。ゆっくり弾くことの重要さが理解できます。
ギターは同じ音がいろいろなところにありますので、この点にも考慮したトレーニングも必要です。
簡単なメロディーを様々なポジションで弾いて見るのがお勧め。ドレミから出ている「ポップスギターデュエット」などはメロディーだけのパートがあるので、そういう意味でお勧めですね。
中級者以上には、楽譜だけを見て左手のポジション選びや運指が浮かんでくるか?という訓練も必要でしょうね。
この訓練に特化した教材もあります。
「Guitar At Sight」(Charles Duncan著)というもので、一問一答形式になっています。ギターを触らずに指盤上の指の動きをイメージできるか?という教材です。
ある程度ギターのポジションなどに馴染んだ後にこの訓練を行うほうがいいでしょうね。
・・・とまあ、いろいろなアプローチがありますが、とりあえず毎日何らかの形で楽譜を読むという行為を行っていれば、自然に初見力はつくとも言えます。
私のギターレッスンで、エチュードは徹底的に量を!・・・はそういう意味もあります。