ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

2009年02月

2019.8 新サイトOPEN!
https://tomikawaguitar.com

富川ギター教室(東京渋谷) https://tomikawaguitar.com
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※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

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レッスン覚書ミニ〜2009年2月10日〜2月14日

  1. 体の中心を意識する。初心者の頃にもっとも心がけなくてはならない項目ではあるが、なかなか難しい。なんでもよいので整体の本などを参考に。自分で認識することが一番大切。私はガイドしかできない。
  2. 古典的な和声をしっかりと習得したうえで、その後の和声の扱いの変化が理解できるものである。そして、ギター的な和声の扱い方もあるので、古典はとにかくソルやジュリアーニ、カルッリなどを徹底して習得すべし。その後ロマン派(コストやメルツ)などの同様の和声において、どのような差があるか見ていくと良い。些少なものであるが、そこに時代の変化が見えるようになれば、得られるものは多い。
  3. フレーズの大きさの変化に注意する。全体の設計図を意識して作曲家はモチーフを展開していく。小+小+中で前半をしめくくり、小+小+中+小+小+中+中+大というふうに後半を締めくくったりするのである(これはあくまでもイメージであるが・・・)。作曲家がこまかいモチーフをどのように用いているか、正確に把握するように努力すべし。細部まで何回も楽譜を読み込むこと。さまざまな可能性を考えること。
  4. 分析。徹底して行なうこと。そして、それが本人しか分からないことでも、演奏者本人にとってはとても大切なことなのである。「こんなこと分かったって聞き手には分からないだろう」という考えは捨てること。それが伝わるに違いない!…という確信が大切であるし、そのための技術を生み出そうとすることが音楽の楽しみである。
  5. アポヤンドの音色。楽器によるが、比較的マット(つや消し)な音に特徴がある。そして、アポヤンドには純粋な平行振動、そこに表面板方向の振動(垂直振動)が加わることにより若干の明るさが加えられたもの、つまりおおまかにいうと2種類が存在する。純粋な平行振動はマットなものであり、それを使うことにより「腹の底で響かせているような」感じの音色が得られる。そのような音色を音楽のテクスチャーにおいて上手く生かしていくことが、ギター奏法上大切である。
  6. 中間。なにもない音色…というと語弊があるかもしれないが、これを分かるようになること大切。これがあってこそ、立体感や印象のある部分が生きてくる。メロディー全てを印象的にすべきではない。ある種適当に弾き流す部分があってよい。だからといって、「荒れて」はいけない。なにもない音色…の部分であっても、ギターとして正しい音色でなくてはならない。ノイズであっては駄目なのである。この中間的な音色を定めるのが思っているより難しいのである。

 

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19世紀ギター(弦の張替え)

明日、2月27日(金)にライブをやります。押上にある蕎麦屋さんです。

すでに予約で満席ですので、予約の無い方はご入場できません!

ご注意を!

19時開場、19時30分開演です。(開演時間もご注意ください。一部チラシに誤記があります)


さて、明日は19世紀ギターを使います。

今、弦の張替え中です。

19世紀ギター

コゲット君です。1830年頃製作のものではないか?と思われます。コフィー&ゲットというのは正式名称ですね。

入手してから、もう5年くらいは経ちます。

たまに鳴らして、馴染ませてきました。

弦はいろいろと試してきました。なかなか面白いもんで、最初のころはアキーラのアルケミア(模造ガット)では、しっかりと歯切れよく鳴りませんでした。

で、釣り糸とか、ハナバッハのローテンションとか…いろいろと鳴らしていって、昨年あたりが又アキーラのアルケミアに戻りました。すると、はっきりと輪郭よく音がなるようになっていました。

表面板などのコンディションからすると、長らく大切に保管はされていたものの、演奏家がメインでがしがしと弾いていた痕跡は少ないのです(傷が少ない)。なので、おそらく鳴ってくるまで時間がかかったのでしょう。

昨年末に、九州の池田君とデュオをしたとき、彼に「ばかばか」鳴らしてもらったのも利いたのかもしれません。

ブリッジは写真のように、ピンブリッジです。弦に結び目をつくって差し込んで、ピンをぶすっと刺します。

ヘッドの部分は差込ペグとなっています。これが入手した当時はちょっと触ると「ぽこっ」と抜けやすく、大変でした。差込具合を調整してもらって、最近はジャストではまるようになりました。(職人技だなあ)

19世紀ギターヘッド

ちょこちょこ、メンテナンスしておかないと、あれやこれや不具合がでてくるのが19世紀ギターです。なんといっても、もう170才以上ですから…。

そして、音の発音の具合も随分と変化しましすが、音が立ち上がってくる瞬間はレプリカにはない味わいがあります。まろやかでいて、歯切れがいい…なんだか矛盾した印象が混在しているのです。

古楽奏者である竹内太郎さんにお会いした際も、オリジナル楽器にしかない音色があると仰っていました。

藤井眞吾先生も、やはり19世紀ギターオリジナルのブッフェルを使用していますが、同様のことを仰っていました。

(このブッフェルは弾かせていただきましたが、まるで“風”のような、爽やかな音色…でもまろやかさはあるんだなあ)

ということで、弦の調整を今日、一日かけてしていこうと思います(調弦もなかなか時間がかかるんです…やはり機械式ペグはイノベーションだったんだなあ、と痛感できる瞬間です)。

もちろん、明日のレパートリーもさらいます。

 

 

長屋茶房 天真庵 (てんしんあん)
東京都墨田区文花1-6-5
営団地下鉄半蔵門線 都営地下鉄浅草線 押上駅 徒歩10分

03-3611-1821
http://www.tenshinan.jp/cafe/

 

「19世紀ギターの夕べ」
2009年2月27日(金)
19時開場  19時30分スタート
おつまみ、ワンドリンク(日本酒、ワイン、ビール、じゃばら酒、
ソフトドリンクから)、酒肴、蕎麦、珈琲付で4000円

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レッスン覚書ミニ〜2009年2月5日〜7日

  1. セゴビア編ソルエチュード20番。このエチュードを3回くらい繰り返した暁には弾けるようになるものである。根性論ではない。様々なギターの運指のパターン、音形のパターンに対する適応能力がついてくるからである。
  2. カルカッシ25。11番。音価を正確に。難しいかもしれないが、正確に弾く事。
  3. フリア・フロリダ。版を正しく選ぶこと。ストーヴァー新版の運指は「いかにも」バリオスが使いそうなポジション指定がしてあり、非常に興味深い。
  4. 版の選定には、作曲家に対する知識、楽譜出版史に関するある程度の知識が必要。ひとつずつ学んでいくしかない。
  5. アラビア風奇想曲。メロディーのアクセント。これは音には伸びがあること。
  6. ジュリアーニ。アレグロ・ビバーチェ。ホ長調部分。プランティングを上手く用いて、低音を音価どおりに弾くべし。低音の消音を正確に。
  7. 左手pの位置について。初心者こそ、手首の状態に注意して、常に場所をチェックすること。手首の可動範囲にも注意。
  8. 音程感を養うための音階練習。上級者を目指す人であれば必須。3度での進行、4度での進行、様々なパターンで「つながり」と「2つの音の力学」を失わないで練習する。その後、旋律などに集中できるもので、それを応用。たとえば、ホ長調の音階で「遊んだ」後に、ソルの励ましなどのメロディーを弾いてみる。そういう意味で、デュオ曲というものは上級者を目指すために、また音楽的に上を目指すために必須の練習曲となりうる。
  9. 子どもの生徒。初期の段階から右手のプランティングは必須である。簡単なアルペジオで用いていく。まだ関節のコントロールなど未熟であるから、その関節を固めるためにアポヤンドなどを適宜用いていく。安易に「楽に良い音がでるから」という理由で、アポヤンド主体でのみ、レッスンを行うと、アポヤンドのときに指を棒状に伸ばしてしまう癖がついてしまう。あくまでもアポヤンドとアルアイレの切り替えがスムーズにいくことが最終目標であるから、アルアイレのフォームの中にアポヤンドを交えていき、正しいアポヤンドのやりかたを習得させていくことが「遠回り」にならないと思う。
  10. さくら変奏曲。ファ→ミのつながり。重要である。すべての部分でチェック。
  11. 「亡き王女のためのパバーヌ」。左手の押弦が怖い曲。怖いので「見る」。しかし、視覚にばかりたよっていると、よりその恐怖感が増す場合がある。なので、あえて「目をつぶって」弾いてみる。意外に弾けてしまう部分が多いものである。つまり、視覚に頼りすぎて、筋感覚を忘れているという証拠。曲を仕上げていく段階で、さまざまな感覚を用いてテクニック上の精度をあげていくことが重要である。その場合感覚とはなにか?…五感とはなにか?…ぱっと頭にひらめくようにすること。これは普段の「教養」のレベルの問題でもある。
  12. リズムのトレーニングも初心者には必要な場合がある。手拍子、足でのカウントなどを用いて行なう。そして、それと同じ「運動」をギター上で行なうのだが、それについての詳細なテキストブックは皆無。なので、その場その場で生徒たちにあわせて与えていくしかない。

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オヤジ達…生徒さんからのプレゼント

いろいろなものを生徒さんからいただきます。

最近多いのは目玉親父グッズです。

私の教室のレッスン室にはCDラックがあります。そこに頂いた親父グッズを陳列しています。

CDラック?

いままでちょこっと紹介した親父グッズもありますね。

怒っているおやじのクリップ。この目ににらまれながら、生徒さんはレッスンしているんです。

「そこはアポヤンドじゃ!」

「そんな演奏じゃ、吸血鬼エリートのラスゲアードに負けてしまうぞ!」

・・・という親父の心の声を聞きながら、みなレッスンできるという理想の環境です。

(下のほうで、リョベートが「ふーん、その程度の演奏かい?」と頬杖ついて静かに聴いてくれるのも、レッスン室としては非常に良い環境ですね)

生徒さんのトルコ土産の「目玉」もありますね。

魔除けだそうです。

確かに目玉には東西とわず「魔除け」のイメージがありますね。

 

…そうだったのか、これを生徒に見せていれば、厄介な生徒は来ないのだなあ…と思っているこの頃です。

 

で、最近、新メンバー、「ワニ」です!

実はチョコレートで(唇がね)、「先生のイメージ」ということで、生徒さんがくれました。

別に私がワニに似ているわけではありません。洋服です。私は長年ラ○ステを愛用しているんです。ただ、それだけです。

生徒さんは結構、そういうところ見ているんですね。ちゃんと洋服にポリシーを持っていて良かったです。(とはいっても、ラ○ステそのものをプレゼントされたことは…まだない)

 

目玉オヤジグッズもちゃくちゃくと集まり、ついに念願のタワレコ限定オリジナルグッズをゲットできました!

…これは嬉しいです!。生徒さんが持っていたようです。何の未練もなく「愛してもらえる人のところにいくのが一番」…と生徒さんがプレゼントしてくれました。

これです。

タワレコおやじ

タワレコ柄(?)の茶碗。そして、オヤジはヘッドフォンをはめています。

しかも、楽しいのが、ちゃんと風呂から上がれるようになっています。これは実物を見た人のお楽しみです。愉快です。お尻まるだしになります。

ステッカーは所有していたので(ケースにはっつけています)、これは欲しかったのです。

なんでも、願いは叶うものです。

(そんなレベルでいいのか?)

 

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セゴビアの誕生日に…アポヤンドの重要性

先週の土曜日に、生徒さんがセゴビア編の20のエチュード、第6番を持ってきた。

私は大好きなエチュードです。曲も美しいですし、音楽上のセゴビアのアイデアにはいつも感動すら覚えます。

一見すると、右手の運指が不規則…だが、セゴビアならではのルールがあるわけです。

そして、基本的にはメロディーはアポヤンドで練習すること…これは、音色の問題であると同時に、そのアクションも大事なのです。

アポヤンド後の指をできるだけ隣の弦に留めておくこと…これはホセ・ルイス・ゴンサレス先生から習った教えです。「まるでブザーを押すように」…弦がもたれかかっている間は音が持続している…という感覚が非常に大事なのです。

そうするためには右手各指の独立が非常に重要です。

そのためのエチュードでもあるわけです。

 

…以上のようなことを、延々と熱く語った後、その生徒さんからメールをいただきました。そうしたら、先週の土曜日は2月21日はセゴビアの誕生日だったそうです。

天国のセゴビアが「俺が楽譜に遺した意図をしっかり汲み取れよ〜」と伝えてくれたのかもしれませんね。

 

アポヤンドというのは音色の問題でも当然ありますが、音の維持を意識するための奏法なのです。

このあたりを忘れてしまっている奏者が多いのは非常に困ったものです。

物理上ありえないことを求めるのが音楽家ってものですから。それを「アポヤンド後に弦の上に指をキープしたって、物理上の音のサスティーンが変化することはないだろう?」と一蹴してはいけません。

(音楽家はいい意味で「ファンタジー」の世界の住人でなくてはいけません。同時にきちんと現実の理屈の世界でもいきていかねばなりませんが・・・)

そういったら、ピアニストが長く伸ばしたい和音を鍵盤で弾いた後、その指を鍵盤に置いたままにするのは「愚」だということになります。

これとまったく同じこと。

音の伸びを「耳」で感じるのか、「指の感触」で感じるのか…それだけの違いです。

それが、アポヤンドの最大の効能であると私は思っています。ターレガを始めとする近代ギター奏法の教本においてアポヤンドをメロディー弾きの基本タッチとしているのも、その点も考えにあるのではないか?…と思っているわけです。

 

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