ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

2009年07月

2019.8 新サイトOPEN!
https://tomikawaguitar.com

富川ギター教室(東京渋谷) https://tomikawaguitar.com
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※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

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カルッリのデュオ〜デュオ論(の補遺的なもの)

先日7月12日に当教室で重奏の発表会を行ないました。

そこで私が生徒と弾いたデュオ曲集はOp.27です。

 

何故、そんな話をするかというと…

 

今日、現代ギター社のお隣のレッスン室の益田正洋さんから、「あのときの発表会のカルッリのデュオの作品番号は何番ですか?」と訊かれ、「うーん確か200番台だったような…」と適当なことを答えてしまったからです(ごめんなさーい、大嘘!!!)。

で、話の流れで、「カルッリで多作だからなあ。ピアノとギターの全集でCD6枚組みだからね〜」という雑談になりました。

 

…ということで、大いなる勘違い。

 

どちらにしても、カルッリのOp.27(「ギターとリラのための教本」)に収録されている24曲のデュオは「生徒と先生のための」素晴らしいレパートリーであることはいうまでもありません。

意外に古典作品で、易しすぎず、それでいて難しすぎず…というデュオ曲をみつけることは難しいですね。

キュフナーは、ちょっと簡単すぎるのが多いですしね。かといって、ソルの「漸進的にして容易なる〜」とかもタイトルの割には“深い”です。表現すべき要素が多く盛り込まれていますから、フォーカスが絞りにくいわけですね。

そういう意味で、この作品は素晴らしい教育的作品です。古典表現において注意すべき要素がひとつの楽曲の中で選りすぐられています。

表現上の注意、技術上の注意点にフォーカスが絞りやすいのですね。

演奏会で弾いても、それなりに形になります。名曲です。やはり、こういう古典作品の「真珠のような小品」をたくさん探していき、後世に伝えていかねばなりません。

デュオ曲においても、まだまだ古典期の名曲は多いです。是非、生徒さんにはそのような難しすぎず、そして長すぎない楽曲で、デュオの面白さや古典演奏の表現の奥深さを感じてもらいたいものです。

教える側としては、生徒さんたちにも積極的に(自発的に)古典期のシンプルなデュオ曲を探す努力をして欲しいものです。そして、しっかりと古典期の素晴らしい音楽を感じて欲しいと思います。

 

さて、気づいたら、もう7月も終わってしまいそうです。明日から8月です。

もう来たか!って感じですが…とりあえずGGサロンコンサートに向けて集中していこうと思います!!

 

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編曲作業(ほぼ)終了!!&あづみ野

先週末、急に頼まれた編曲の仕事にかかりっきりでした。

土曜日に依頼、日曜日に選曲(仮)案が来て、それが月曜日に変更となり…。

火曜日は朝10時から夜11時からまったく空きがないという(恐ろしい)レッスン日…。結局、昨日から今朝にかけて集中して、仮に終了。

ギターソロ編曲譜面

手書き派です。…というより、コンピューター浄書ソフトに移行する時間がありません!!

数ヶ月に一度、このような編曲のお仕事を依頼されますが、そこで一気に作業に入っていくので、ソフトを練習する暇がないのです。使い方で戸惑っているよりも手が書いたほうが早い…という理屈です。

さて、この理屈を覆すためには、無理にでも使用を始めるしかないわけですね。まあ、何か理由をつけてソフトの勉強をスタートしたいとは思っています(年内の目標かな?)。

手書きはやはり、指がきついです。シャープペンシルの使い心地にこだわったり、芯の種類にこだわったり…。このあたりはもう趣味の領域となっています。文房具にこり始めるというわけです。

 

さて、そんな作業をしながらも、来週はコンサートの本番が多いです。

まずは水曜GGサロン。だいぶチケットが売れてきたようです。池田&ブラーボ&富川です…。面白い組み合わせだと思います。

まだの方はGGサロンのほうにすぐに予約を!!

GGサロンコンサート

 

その翌日には長野県安曇野に行きます。池田君と私とスタッフで講習会のための前日入りです。前夜祭として「そば処ふじもり」でのライブもやります。大阪の松岡滋さんも当日合流。それで、ライブ!です。セッション的な感じいけると楽しいかなあ?…というある意味「強引な企画」です。

詳細は「ふじもり」さんのブログをご覧下さい!!

一般の方もお越しいただけます。お蕎麦付でライブを見れて、2,000円。お買い得です。ふじもりさんのほうに予約してください。

 

さて、その翌日金曜日から怒涛の講習会です。ハードでしょうね。でも、密度の濃い時間を過ごしていただけると思います。

今年の講習会は全国から参加者が来てくれました!

北は北海道、南は九州まで…。これは本当に嬉しいことです。その中間地点の参加者が来年は増えるといいなあと思っています。東北とか関西とか。

関東地方の若手ギタリストも参加しています。できれば、この「あづみ野ギターアカデミー」を20代〜30代の若手ギタリストのミーティングポイント的なイベントにできるといいなあ、というのが私の意図です。

 

今週で編曲作業+録音は目処をつけておきたいと思います。

日曜は学生ギターコンクールのスタッフ&審査員です。忙しそうですが、若いパワーを感じてきます。「ああ、おれもそんなに元気な時期あったんだなあ!!」って思える素敵なイベントですから。

で、月曜からはGGサロンコンサートのリハが始まるわけです。

 

…多忙です。

まずは編曲も目処がついたので、今からGGサロンのための曲をさらいます。

(練習間に合うだろうか?)

 

 

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デュオ論(生徒とのレッスンを通じて)

最近、デュオのレッスンをすることが多いです。

生徒のなかでも、自発的にデュオのレッスンを頼んでくる人が増えてきました。

さっきもブログに写真をアップしたのですが、通常のレッスンの合間に、デュオのレッスンがあるとリフレッシュできます。脳みその使い方が違いますし、室内楽のノウハウというものを教える面白さがあります。

生徒さんとのレッスンで、デュオの曲を教材に使うことはありますが、やはり「室内楽」のレッスンにはなりにくいのです。どうしても、こちらが持っている知識などを伝授することに終わってしまいがちです。

私はデュオの経験は多いほうだと思います。ギター2台だけでなく、フルート、歌、ピアノ、朗読…いろいろと経験してきましたが、やはり奏者の自発性を発揮できる現場が実に楽しいです。

もちろん、先輩音楽家にいろいろとアドバイスを受けながらのリハーサルは実に勉強になるのですが、これはなんとなく「レッスンを受けているようで」落ち着きません。

まあ、言ってみると、このアドバイスが過剰になってくると、「うざったく」なってくるのですね。もちろん、私も「絶対これは、相方、気づいていないなあ」という解釈の部分や、表現の部分は口に出して言います。逆に、相手から自分が見えていないポイントや切り口を指摘されるのは実にありがたいことです。

しかし、本当は(理想は)その「要望」を音にして相手に伝えることなのです。

デュオのリハーサルで、まず1回ざっくりと合わせます。相手がこうやりたいんだな…というのが分かります。もちろん、こちら側の「要望」も自分の演奏の中にこめます。

ここはぐわーっと盛り上がりたいんだよ!!とか、ここはあっさり弾きたいんだよなあ…というのを、一回目のあわせのときに伝えるわけです。そして、相手の音楽の方向性も感じ取るように努めるわけです。

 

結局、デュオなどのレッスンをしていると、そういう方法論を指導していることが多いです。

実際のレッスンにおいては、楽曲分析、フレージング、表現法などの知識面にフォーカスを絞ることもありますが、やはり私がデュオをレッスンする上で伝授したいのは方法論なのです。それはデュオをやる上での心構え、姿勢といったものです。

理想を言えば、最低限、各自が楽曲分析をすませ、フレージングや、ダイナミクスにおいて明確に音楽の方向性を指し示すレベルにいってから、デュオでリハーサルをすべきです。

お互いが楽曲にたいして明確なビジョンを持っていないのに、ただリハーサルをしても、それは実は「無駄な時間」である場合が多いのです。未知の楽曲のイメージをつかむために、とりあえず初見で…という場合は別ですが。

そして、各自がアイデア(イメージ)を明確にしてリハーサルに臨むわけです。たとえば、各自が10のアイデアを持っているとして、それを10×2名で20のアイデアにすることがリハーサルの意義です。

もちろん、お互いのアイデアが完全に合致する場合が多いです。なぜなら、音楽の表現法にはある程度の共通のルールがあるからです。

なので、その楽曲を演奏するために知っておくべき知識やアイデアが100であるとすれば、プロの演奏家であれば、各自80くらいはぱっと思いつくはずです。残りの20はデュオの合わせをしたときに、相手から貰うことが出来ると考えればよいのです。

もちろん、100の知識やアイデアを各自がもっていれば、完璧なデュオになります。1回合わせただけで、素晴らしい音楽を作ることができるでしょう。

 

さて、私は生徒には、上記のような考えから、生徒同士でデュオをする場合、その楽曲を演奏するのに必要な知識やアイデアを100と仮定した場合、各自最低10はもってから合わせをするべきであると教えることにしています。

例えば、ソルのデュオ曲をやる場合は、古典の様式や表現マナーを知らなくてはいけません。それは各自の通常のレッスンで、古典曲のエチュードなどから学ぶべきものです。もしくは、教師とのデュオ曲のレッスンを通じて、知識を得ていくものです。

そして、それらのルールや知識、つまりアイデアをそのソルのデュオ曲でも応用することが大切なのです。

まだ修行中の2名が集まる場合でも、各自ちょっとずつでも、そのアイデアを出してリハーサルをすることが大切です。

そのアイデアを具体化する方法を知らない人が2名あつまっても、アイデアはゼロです。そして、そのアイデアを相手に伝える気が無い人もいます(!)。相手が何か教えてくれるだろう…とただ待っているだけ…という受身の姿勢しかない人も多いのです。

そして、相手からのアイデアを受け取ろうとしない人もいます。もしかしたら、音として受け取れても、それを頭で処理できない場合もあるかもしれません。

そして、相手にそのアイデアを伝える方法、そして、そのアイデアを受け取る方法…これがデュオの方法論というわけです。これはれっきとした技術です。これはコミュニケーション論も絡んできます。実に室内楽というのは、「哲学」な分野なのです。人間関係、信頼関係に関しても意識を向けなくてはいけない分野なのです。

 

最近、この方法論を教える方法(まどろっこしいなあ)がなんとなく分かってきました。まだまだ勉強しなくてはならないことは多いですが…。

ということで、デュオのレッスンは、実に教えていて楽しいです。

通常のレッスンとは違うことを教えることができるので、脳みそのリフレッシュに最適です。

 

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デュオのレッスン

f0a1deee.jpgたまにデュオのレッスンもいいものです。

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某泉さんがブログに登場したがっていたので…。
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