2009年08月
最近、あれこれ勉強することが多く、何かと助かっています。
周囲のギタリストの方からも学ぶことが多いです。
昨日は京都の藤井眞吾先生から「基礎練習パック」が私の生徒用に送られてきました。
さっそく見てみました。
プリントアウトするとどっさりあります。来週末、私の生徒が藤井先生のレッスンを受けることになっているのですが、そのための参考教材です。
どっさり…という感じがいいですね。
こういう基礎練習は、この「どっさり」をいかに「指の動きを意識して」行なうか?…が大切です。質×量です。
もちろん、量をこなすなかで、「あ!そういうことだったのかあ!」という方法論もあります。しかし効率よく学習するためには(&指のトラブルを回避するためには)質にも配慮することも大切で、結果としては良い洗練されたものがえられます。
普段、私が基礎練習教材として用いている「ホセ・ルイス・ゴンサレステクニックノート」にも同じことが言えます。おそらく指導する先生によってその教授法は異なることでしょう。
この話題で思い出すのが、先日行なわれたあづみ野ギターアカデミーの参加者のGちゃんのトレモロです。レッスンを担当して池田君やそのほかの人にも言われましたが、とても「粒ぞろいのトレモロ」です。
彼女は普段、私にレッスン受けていますが、決して右手のタッチは良いほうではありません。なので、トレモロのトレーニングには細心の注意を払いました。私が出して処方箋は、上記のテクニックノートの「タレガによるトレモロ練習」という項目をありとあらゆるアポヤンドとアルアイレの組み合わせで練習させること…でした。
その中でpとその他の指とのバランスを徹底的に研究していきました。弾きにくいパターンはその理由を考えながら…という感じですね。
そういう過程を経て、彼女のトレモロは良くなっていったのです。なんだかんだいって1年くらいはこのトレモロ練習を各レッスン毎に課題を出して続けたと思います。
おそらく、独学でこの練習をやるのは不可能だったでしょうし、人によっては「適当に弾いて御終い」ということが多いでしょうね。
基礎練習というのは、「何を意識して練習するか」+「量」という概念がやはり大切なのです。
基礎練習というのは、なかなか誤解を与えやすい分野ではあります。「質だけ重視派」対「量だけ重視派」の構図になりがちですね。
両方ミックスして考えられる人は極めて少ないような気がします。
なかなか難しい分野なのです。
うーん、勉強の日々です。
今年からスタートした「月イチ」です。2ヶ月に一度、日曜午前に外部から講師を招いてレクチャーをしてもらっています。
今まで招いた講師の方は以下。
2月、藤井眞吾先生。
4月、永島志基先生。
6月、尾野薫先生。
2月。公開レッスンを通じて、音楽表現の基本アプローチと基礎テクニックの大切さを学びました。
4月。ビウェラ音楽の美しい世界とその歴史、そしてソルの音楽の多様性を学びました。
6月。ギターのメンテナンスについての講義でしたが…倍音の説明まで及びました。音色との関連については「おお!!」という目からウロコ…の内容。自分の耳が変わったと思います。
…という感じで続いてきました。何よりも企画した私自身が思うのは、「自分が勉強させてもらっているなあ」という感覚です。この人にこんなことをやってもらったら面白いかもなあ…からスタートして、それが結果として自分の勉強になってしまっている…ということです。
「自分で勉強したいものを自分で企画してしまう」という発想です。受講生も企画者も勉強したいものを勉強できる「場」を作ってしまう…ということです。
今年も安曇野においてギター講習会を開催しましたが、そこにおいても講師として来てくれた松岡滋さんや池田慎司君から多くのものを学びました。池田君には「ギター奏法の見直し」講座をやってもらうことになっていましたので、安曇野入りの前日には夜中まで、お互い研究しました。
実際、池田君が書いてきたテキストがあったので、それを読んでお互いに検証作業を行なったわけです。そこで多くのことに気づきました。現地での講習会のレクチャーでは、やはり「池田流」の教え方があって…そこからも多くのアイデアを貰いました!(サンキュー!…実際レッスンでも使わせてもらってます!!)。
…という感じで、生徒のための、そして広い視野にたってギターを学ぶ人に役にたつ「学びの場」を自分で作ることがとても大切だと気づきました。
結果として「自分の勉強する場を作っていること」だったのですね…私が企画していることって。いまさらながら、再認識しています(遅い?)。
ということで、私よりもギター界では後輩になりますが、来週23日の「月イチ」レクチャーには坂場圭介さんが講師として登場です。
坂場君がどのような講義をしてくれるか、とっても楽しみなのです。私も勉強させていただきます。
「生きたリズムとは何か〜リズムの起源と構造」というテーマで行ないます。
内容は以下のようになっています。
- リズム、拍子、拍、パルス、テンポといった混同されやすいリズム用語を整理する。
- それらの知識を実際に体で感じてみる。
- アクセント付けを学ぶ。
- 以上の知識を実際にギターの楽曲に応用できるようになる
…以上の内容を学んでいただきます。前半は講義形式、後半は受講生から2名を予め選抜しマスタークラス形式で行ないます。このマスタークラスを聴講することによって理論を実践へと応用する方法を学んでいただけます。
会場は 渋谷リフレッシュ氷川です。2009年8月23日(日)、午前9時30分〜12時。
詳細は月イチ講座特別ページをご覧下さい。
今日もレッスンも終わりました。
今日は一日中筋肉痛でした!
何故か…それは昨日徒歩で駅前までプリンタを買いにいったからです。「運べますかね?」って聞いたら、店員さんが「ああ、大丈夫ッですよ!」って言ったので…。
よく考えてみると駅から歩2分くらいの店です。おそらく店員さんのなかでは、その距離くらいなら…というのがあったのかもしれません。
道玄坂を約20分徒歩で登りました。きつかったです。
先代のプリンタは見事に「崩壊」しました。ぷつんと糸が切れたように使用不能に。かなり酷使しましたのでしょうがないですね。しかも、これはビックカメラの「100人にひとり無料!」で、当たったものだったので。もう元をとれたというより、感謝の思いしかありません。
で、新入りです。デザイン格好いいですね。
キャノンからエプソンへ。コピー機能もスムーズです。レッスンに、原稿書きに、そして会報印刷、チラシ印刷などに役立ってくれそうです。
今日は久しぶりに愛器アルカンヘルもレッスンで使いました。
うーん、やっぱりいいです。最近はサントスばかり弾いていましたので、このクリアーさ、音の伸び、すっきり具合が懐かしいです。でも、やっぱりサントスで変更したタッチの影響も受けています。いい感じの滑らかさが獲得できているようです。やっぱり良い楽器から学ぶことは多いです。
そして、先日のあづみ野ギターアカデミーでカメラマンをやってくれたNさんからスナップが届きました。
一枚、ご紹介。
なんだか、私もレッスン受けている尾野さんも楽しそうです。「こんなに楽しくレッスンしたかなあ?」…と思います。でも、二人とも作り笑顔ではなさそうです。何が楽しかったのか、ぜんぜん思い出せません!!
でも、良い写真です。Nさん、ありがとう!!
今年にはいってから、毎月1回日曜日にクラシックギターに関する様々なレクチャーを行なっています。2ヶ月に一度は外部から講師を招いて行なっています。
そして、2ヶ月に1回は私がギターテクニックの基礎講座を行なっているわけです。これは自分の中にあるギターテクニックの理論をまとめていく作業でもあります。
すこしずつ教室外の方も参加してくれています。すばらしいことです。「正しいこと」「良い知識」は皆で共有していかなくてはいけません。基礎テクニックに関しては、様々なアプローチの仕方がありますが、私の経験からいうと、やはり良い音楽家の使っているテクニックに対する哲学は共通する部分が多くあります。
「あのギタリストだけが知っている秘伝」というものは存在しません。
ただし、それが体系化されているか、理論化されているか?…という違いのようのものはあると思います。
ただし、私はこの基礎講座を行なうにあたって、一切テキストなどはまとめていません。ある意味、いきあたりばったり…でやっています。なので、右手だけで3回やりましたが、毎回内容は変化しています。どこから切り込んでいくか?…そして、そのときの私自身の興味のあるポイントによってアプローチが変化していきます。
そして、受講生からの質問などによっても、そのアプローチを変化させます。
7月の講義内容を参加者の方がまとめてくれたもの(ブログに)があります。執筆者の許可がおりましたので、転載します。
良くまとまっています。どうぞ、お読み下さい。
今回の講座の目的は、要は、長時間練習しても、手を痛めない左手の使い方の追求です。具体敵には、無駄な力をどう排除するのか、師匠から細かくご説明がありました。
各ポジションのフォーム:
- 同じ弦での各ポジションの手のフォームをチェックする。手首と腕に無駄な力が入っているかどうか。1ポジションと7ポジションのフォームの違いを認識。特にローポジションのフォームに注意する必要がある。
- 手の「箱」を常に作ること。同じポジションで、1弦と6弦の手のフォームは、かなり違う事の認識。
- 親指は、ネックに固定する必要はありません。手を1弦から6弦に移動する時の親指の位置をチェックする事。
弦の押さえ方:
- 手のフォームや、手の箱に常に意識する。手を弦から離す時、フォームは保ったまま離す。そうすると、次の場所に手を下ろす時、フォームを作り直す必要がありません。
- 指は、どういう理想な動きで弦を押さえるべきか。練習として、まず指を弦に置く。最小限の力で弦を押さえる。音を鳴らしたら、弦から指をそっと離す。常に手のフォームが崩れないように注意する。
- 弦を押さえる時、場合によっては、重力や、腕、または手の微妙の動きで、弦を押さえる事もあります。
- 指の動きを最小限にする事によって、左手から無駄な力を排除できます。さらに、、左手のコンパクトな動きのおかげで、右手で初めて早いパッセージを弾く事が可能です。
セーハのかけ方:
- 全部の弦から音が出るように、1指を必死に押さえる必要はありません。ギターの音楽のなかで、唯一こういうテクニックを要求されるのは、ヒナステラのソナタぐらいです。
- セーハをかける前に、「何弦までかけるのか」、「どの音を鳴らすのか」を確認する。これがわかれば、セーハは、かなり楽に出来ます。
- セーハは本当に必要かどうか。譜面にセーハが書いてあっても、必ずしも必要ではない事がしばしばあります。
- セーハをかける時、ほかの指を1指に寄らないように注意する。
- セーハは、親指を使って指板を強く握る事によってかけるのではなく、腕の重さ(重力)を借りるのが理想。
- セーハの押さえ方は、上記の「弦の押さえ方」の(3)で参考する事があります。
講座全体についての感想:
無駄の力が入っていない左手の弾き方をいかにできるか、いろいろ教えていただきました。一月の講座とセットで考えると、実にすばらしい講座となりました。
師匠がスペイン留学の時、一日6〜8時間も練習していた事で、どうやって手を痛めないか、いろいろ研究したそうです。自分も日頃どうやって手を痛めないのか、いろいろ考えたり、心配していたりするので、こういう講座を特に歓迎し、言われた事をすっと吸収できます。
世の中、生徒が弾きたい曲だけを習わせておいて、弾き方の基本について、何も伝授されない教室がたくさんあるため、そういうレッスンを長年続けてきた40代、50代のアマチュア・ギタリスト達は、手を壊した人が非常に多いそうです。
今日のレッスンで特に感動したのは、師匠に言われた事を、あまり問題なく実現できた事です。たとえば、ポジション別のフォームは、この前のレッスンで言われたばかりで、その後、家でも練習していたので、今日は、かなり楽にできたのです。
ギターは、これから益々面白くなっていきそうです。
…簡潔にまとまっています。おそらく、この参加者の方の「意識の向き方」が反映されているレジュメとなっていると思います。
これが面白いです。参加者の方全員がこのような要約を各自作ってくれたら…実に私にとっても知識の整理に役立ちます。皆さま、是非作ってください!!。そうしたら、おそらく全部違うものができあがるはずです。
それでも、このレジュメを読んでみて、気づいたことがあります。
「なんだかんだ全部、私が習った先生達から教えてもらったことじゃないか!!」…ということ。
直接、間接…上にあることは、ぜーんぶ、先人から受け継いだものなのです。つまり「秘伝」などどこにもないのです!!
それは世阿弥の「花伝書」に書かれていることが、実は秘伝でもなんでもなく「あたりまえ」のことしかなかった…ということに似ています。世阿弥の意図は(おそらく)、“秘伝”という体裁をとって、「当たり前のこと」の大切さ、基本の大切さを後世に伝えようとしたことだと思います。
私はギターのテクニックというのは、そういうことであると思っています。「結局、みんな同じこと言っているじゃないか…」ということになるのでしょうね、最終的には。
しかし、基本というのは非常に柔軟なものであることは事実です。ですので、上にあるレジュメの『親指は、ネックに固定する必要はありません。手を1弦から6弦に移動する時の親指の位置をチェックする事。』という部分は、ごく一部の人にとっては「許されがたい」行為と思われるかもしれません。私も教則本に書くとしたら、この一文は採用しないと思います。
ただし、腕の軸を意識しようとしたときには、上記のアプローチの重要さに気づくはずです。腕の延長線上に指がある、と仮定したさいに、「ネックの真ん中に左手親指は置いておこう」という教則本的な“ルール”は邪魔になるのです。
このことに関しては、前日行なわれた「あづみ野ギターアカデミー」のギターテクニックの基礎見直し講座(担当:池田慎司)において、ちょこっと指摘しました(覚えている人はいるかな?)。
そして、左手に関しては、池田君のレクチャーからいっぱいネタをもらいました。「ああ、そういうアプローチもあったかあ!!」って。
おそらく、次回私の担当する9月の「月イチ」講座では、そのあたりからアプローチするかもしれません。
これを「盗作」「パクリ」と言われないのが、基本の「ふところのふかさ」です。そして実際にディープな世界であることに違いはなく、文書にすることが難しい分野であることは“武道”などの世界と近似しているのかもしれませんね。
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