10月11日(月・祝)にリサイタルを行います。
14時30分開演のマチネーです。
「わたしなりのスペイン音楽」をテーマにプログラムを組んでみました。おそらく、他ではあまり聴けないプログラムになっています。
チケットは下記にて発売中。
現代ギター社GGショップ、メディア・カーム、ギタルラ社。
前売り3000円です。お早めにどうぞ!
メール、電話でのチケット申し込みは下記チラシの下方をどうぞごらんください!
2010年07月
- アルペジオ安定しつつある。どのくらいのテンポで「無理なく弾けるのか」しっかりとメトロノームで毎日練習しながら身につけていくとよい。
- カルカッシ1番。右手のタッチ。iとmのリーチの差に気をつけること。右指を曲げたときに、mは長いので深くはいることになる。その場合でも、打撃点を爪と肉の交わる部分でしっかりと捉えること。
- セゴビア編ソル18番。変ホ長調の音階を4弦で弾く。そして3度音程を付け加えて弾くと、分かりやすい。音楽的な構成も見えやすくなり、読譜ミスも減る。これはソルも教則本において推奨している練習法である。
- アラビア風奇想曲。4指が跳ね上がらないように。そうしないとスラーなどのテクニックが安定しない。指を押さえるときは「形をしっかりと作ろう」と意識するが、指を離すときは形に無意識になりがちである。指をぱっと開くイメージで「離す」のではなく、しっかりと関節を動かす意識が重要だ。
- バスの進行。消音を明確に。長調のところでは、より消音とバスの音色の粒立ちを意識すること。そうすることによってメジャー感を演出することも可能だ。
- 音ミス。特にバスにミスを多く見いだしたときには、まずはバスの進行のみ弾いて、それを歌う。そしてそのバス進行に「必然」を見つけだすこと。そうすれば、ミスは減っていく。「5弦を弾かなくちゃ」ということよりも、「ドミナントのミのあと、トニックのラがくるんだ!」と思うことが大切。
- 入り江のざわめき。ポジションの意識を忘れずに。
- ポジション対応の運指で例外がかかれている場合はその前後の部分との関わりがある場合が多い。同じ弦上に同じ指を残しておきたいとか・・・理由を考えるべし。もし同じ効果をポジション対応の運指でできるのであれば、そのほうがミスは少なくなる。
- 次の曲、難しいですね・・・とグチらない。楽譜に書いてあるもので弾けない曲はないのだから。
- ポジション対応の運指を身につけるためには、234のみで押さえる練習もおすすめ。このとき腕全体の重心もしっかりと各指にのせてあげるようにするとベター。腕全体「でっぱり」がないように、しなやかなラインを保つようにすべし。
- アメリアの遺言。ハーモニクス部分はまずは普通に実音で弾けるようにすべし。左手の運指をしっかりと決める。そして左手を見ないでも弾けるようにしておくこと。
- セゴビア編ソル2番。3番。両者ともに音楽の拍感とはなにかを考えるうえで名練習曲である。和声の変化、リズムの変化、モチーフの変化のなかで、しっかりと主観をもってその変化に驚き、且つ全体を見据えるという客観性をもっていなくてはいけない。
- ポジション練習はある意味で退屈な練習であるが、正確に行うこと。正確に行う=楽しい!・・・となっていくとスムーズに行える。きれいな指の動きとなっていくには時間がかかるが、その変化を楽しめるようになってほしい。
- カルカッシ2番から4番まででかなりの音楽的な表現法の基本を学ぶことが可能だ。4番はスラーをとって練習してみること。スラーが非和声音であると考えることができれば、流れが見えてくる。指を動かす練習ではない。「スラー」の練習だ。音楽的、技術的に把握していないと「指の運動」となってしまう。
- 古典の一拍目の重さをしっかりと意識すること。この一拍目の重さは時代によってことなるが、原則としてその重みが停滞に感じられてしまわないようにしなくてはならない。
日曜日、ソルを勉強する会が行われました。ひたちなか市のギター愛好家の団体アコラさんの主催でした。
このアコラさんの主催で「デ・ラ・マーサ兄弟のギター作品」というテーマでレクチャーコンサートを行ったこともあります。
今回の講演内容は・・・うってかわって19世紀!
さて、今回のテーマは、19世紀のギターレパートリーとしては至高の作品群を生み出したフェルナンド・ソルです。
講師は北口功さんと私、富川勝智です。
受講生は16名。聴講は5名ほど。受講生はソルの楽曲を演奏しなくてはいけません。「勉強するうえで同じ土俵にたちましょう!」というのが北口先生の意図です。
各受講生の演奏について、北口先生がコメントをします。「音楽とは何か?」「演奏することとは何か?」という点について各奏者の足りない点を優しい口調で解説。しかし、その内容は音楽をやる人として「絶対に忘れてはならない」ことであり、実は内容としては厳しいものであったような気がします。
私はバイオグラフィーの面から、ソルの音楽へ切り込むヒントを与えるというテーマでお話していきました。約2時間ちょっと・・・。
ソルが影響を受けた音楽、当時のギター以外の音楽界の様相・・・ちょっと面白い切り口としては、ソルのエチュードと当時のピアノ教則本ブームとの関連。このあたりにきづいていけると、ソルの音楽について切り口が見えてきます。
またソルの楽曲にスペイン的なものが少ない理由についてもお話しました。これは実はビウェラ以降の「ギター史」をある程度把握しておかないと理解できないものかもしれません。
先日、バロックギター奏者アドリアン・ファン・デル・スプール氏のレクチャーではビウェラと当時のギターについて詳細に説明がなされました。そしてその音楽性についてもポイントを絞ってお話をされていました。
私はこのレクチャーでは進行役兼通訳をしましたが、「なるほど!」と思ったものです。
17世紀から19世紀において、人々にとって「ギター」とはどのような楽器だったのか?・・・どのような音楽を行う楽器だったのか?・・・これらの観点を忘れてしまうと、ソルの音楽における「スペイン性」を見失う結果となるかもしれません。
あと、ソルが作曲家、教育者としてどのような活動をしたか・・・も忘れてはならない点であると思います。少なくとも初期の活動において「カリプソ島のテレマコ」でデビューした時点においてはソルはオペラの作曲家だったのですから。
その後、ギター曲よりはアリアや合唱曲の作曲家として評価されており、それはロンドン時代まで続きます。
ギタリストとしてだけ見ていると見失うソルの「音楽哲学」があります。
このバイオグラフィーの最後にソルの教則本について簡単にポイントだけ説明しました。バイオグラフィーを概観することで「ソルの音楽哲学」が理解できたという前提でお話しました。そうすると、ソル教本に書いてある技術上のポイントが実にスムーズに理解できます。
ソルがギターの上に求めたのは、当時のそのほかの楽器奏者が実現していた技術レベル、音楽レベルだったのかもしれません。それを「ギター上でたやすく実現するためのアプローチ」を彼は追求したのかもしれません。
当時のギター界においては異端のアプローチもあったのでしょうが、ソルは確信をもって「よい音楽をするための」技術論を教本内で展開しています。
時間の都合で、ソルと同時代のギタリストとの技術面、音楽面の違いまではふれませんでした(これは私が押上の天真庵などで19世紀ギターライブを行っているので、それを聴いた方には理解できるかもしれませんね) 。このあたりまで踏まえると、よりソルの音楽哲学が理解できたかもしれません。
ソルの音楽のカタルーニャ性もあえて触れませんでした。これには当時のカタルーニャ地域の経済や政治体制も絡んできます。話が煩雑になるのをさけるため、あえてお話しませんでした。もうすこし時間があるならば・・・ふみこめたかもしれませんが・・・。
与えられた時間がやはり2時間ちょっとでしたので、ソル及び19世紀の音楽界を俯瞰するのにも足りません。もし、今後もこの勉強会が継続して行われるのであれば、「2日間」は欲しいかなあ!と。
そうすれば、座学的なバイオグラフィー講義と、実学的なソル演奏に対するアプローチ法を両立でき、且つ統合できる「勉強会」にできるのかなあと思います。
どちらにしても、今回この講座を準備するにあたって、19世紀の音楽界及びギター界を概観でき、資料を整理できたのはとても良かったです。まだまだネタになりそうな資料はたくさんありますので、是非またアコラさんのほうで「続編」を企画していただければなあ、と思います。
最後に・・・・
こういう勉強会というものに、もっと多くの人に参加してもらいたいと思いますし、もっと興味を持って欲しいとも思います。特に若手のプロ志望ですね。ただ曲を弾いているだけだと、終わってしまうでしょうね、あと数年で。自主的に勉強会を企画するとか、講師を呼んで勉強会をしよう!とか・・・そういう「本当の意味でのアクティブさ」がギタリスト生命の生死をわけますよ。
クラシックギター奏者というものは、今だけを見ていては駄目です。過去を生き、そして未来へとつなげていかなくてはいけません。50年後の日本において、「ああ、そういえばソルの教本ってのがあったかもなあ・・・読んだことないけど・・・」という状況になってしまうことを危惧しています。数編の楽曲だけが残って・・・そこにソルの音楽哲学が失われてしまうという状況・・・これは由々しき事態ですよ。
そういう意味で、忙しいなかこの「ソルを勉強する会」を企画したアコラさん、中心人物の熊坂さんの強い意思には尊敬を感じます。こういう会がもっと全国的に増えていけばいいのですが・・・。
- 拍子の重さ、軽さがあることは意外に知られていないし、実に教えにくいものではある。物理的な運動をイメージを伝えることで伝授は可能なものであるが、それを各自「もっとも自分のイメージに近いもの」に変換し、しっかりと同化していく作業が実はなによりも大切である。
- 和音は思っているよりも、バランスよく鳴らすのが難しいものである。これはある行って期間しぶとく意識しておいたほうがよい点である。
- ポジションの把握がしっかりとできるとスラーも安定してくる。
- 上行スラーはできるだけ押弦と同じ指の形で行う。要はスピードが大切である。力ではない。
- 上行スラーのときの指の関節のロック状態をチェック。「とんかち」にすること。これも上記同様「力む」ということではない!
- シンプルな曲を正確に弾こう。楽譜どおりに弾こう。それが「正しい音楽」への道だ。そこを逸れて、先を急ごうとしてもどこかで破綻がくる。
- エチュードだといっても、それを「楽曲」として愛することが大切だ。特にヴィラ=ロボスなどにはもっと貪欲になって欲しい。たとえ技術的な課題しか出していないとしても、「好きになって欲しい」楽曲のひとつである。そして、そうすることによって技術への執着が自然にでてくるのが望ましいのだ。
- 「音楽性を大切に!」と「技術を大切に!」というのは、鶏が先か、卵が先かという問題と一緒。
- 左手の押弦はまずは指先が原則。その原則を破る場合もある。ひとつは消音。そして、もうひとつは低音弦でのノイズ除去。後者のためには、まずは正しい押弦ポイントをマスターすることが大切。
- ヴィラ=ロボス、プレリュード5番。中間部の和声の解決を考えるとうねりがでてくる。3拍子と2拍子、、、どのように小節を分割するかも考えること。
- 今から、クリスマスソングを練習しておくのも悪くない。江部先生編「クリスマスソング集」は素晴らしいでき。ハ長調の5ポジションの読譜練習には最適かも。はずしたら絶対に「耳でわかる」ので。
- 練習時間を生み出すための自分のスケジュール管理は小学生のうちから始めてもよい。まあ、これ教えるのは本来親なんだろうけど・・・。
- 昔やったことは確実に覚えておこうという「システム」を作って欲しい。メモをとるのでもいいし。何度でも教えるけどね。
- コンポステラ組曲。カンシオン。まずはメロディーを把握。それから伴奏部分を把握。それらが、それぞれの道を歩んでいると考えたほうが理解がしやすい。それぞれに耳がなじんだら、両者を組み合わせて弾いてみる。思っている以上に技術上の怖さがなくなるはずである。
- ポジションの各指配置をしっかりと身に着けることを大切に。それになれたら、腕の重みを各指に伝達するように考えるべし。段階をおっていくのが大切。すべてを最初からマスターできないと心得るべし。
- こどもギター教室の「ラ・クカラチャ」。けっこう複雑なアンサンブルになっているので、耳を鍛えるという意味ではとてもよい。正確に弾く、という概念を育てることができる。
- 悩んでいても一歩前に進むことはできない。練習法で悩んでいる暇があるのであれば、5分でもよいので練習すること。そして長い期間にわたって上達ということを考えること。それと同時に思考をとめないこと。この場合は「前向きの思考」である。
- 曲をブロックごとにわける。3回成功したら、次のブロックを。そして、各ブロックをつなげ、同じことをやる。そうすれば、適切に弾けるようになっていく。
- 次の和音の左指のイメージを完全に作ってから次の部分にいくべし。当たり前のことのように思うかもしれないが、意外にできている人が少ない。
- 装飾音は一度全部とって弾いてみる。和声の進行などが見えやすくなるはず。カルリ45の36番。
- ロシアの思い出。左手のポジションを整理。そして、指を離すときの意識をもっともつこと。
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