ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

2022年02月

2019.8 新サイトOPEN!
https://tomikawaguitar.com

富川ギター教室(東京渋谷) https://tomikawaguitar.com
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※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

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2月のあれこれ(色々な音楽)

ぼーっとしていると2月が終わってしまいそう。

2月の覚書を。
まずは2/12-13にスペインギターフェスタ春の祭典オンラインを行いました。季節ごとに行っているオンラインでのイベントです。マスタークラス、ワークショップ、発表会(オンライン)とガッチリと行いました。
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僕はマスタークラスを担当、マヌエル・デ・ファリャのドビュッシー讃歌とE.S.デ・ラ・マーサの「散歩」をレッスンしました。
ドビュッシー讃歌は今回ちゃんとスコアを見直しましたが、ギターならではの効果、そしてスコアからわかる作曲家ファリャがこの曲に込めたニュアンスを再確認。

やはり資料は大切です。そして、リョベート編は素晴らしいです。運指などに本当に各弦のニュアンスや特性をしっかりと生かす工夫がされています。運指に音楽がある、というのは本当にタレガとかリョベートに使う言葉なのでしょうねー。

2/14はM'sカンティーナさんでのヴァレンタインセッション。ギターソロ20分くらいと久保田洋司さんと2曲ほど。



2/20は本当はM'sカンティーナさんで「フォークソング」イベントだったはずが、出演予定者が徐々に減っていき久保田洋司さんと二人で「トークイベント」に。僕が普段行なっている「トミーの部屋」の番外編という形になりました。

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90パーセントおしゃべりして終わるイベントでございましたが、きてくださったお客様はまるでラジオのようで楽しかったーと言っていただいたのでよしとしましょう。

ちなみにまたM'sカンティーナさんでは2/27に「回すぜ」のゲストで行きます。これは本来来るはずのゲストさんが来れなかったための代打です。あれこれレコード持っていきます。

そうそう、やはりレコードっていいなあーと思っております。もうかれこれ20年くらい好きなものはレコードで聴くようにしているのですが、コロナ禍で引きこもっている間にますますレコード熱が上がりました。最近はジョン・レンボーンがらみがとても良いなあーとか。ペンタングルとかその近辺のミュージシャンの活動を見ているとトラディショナルミュージックの範疇の中にしっかりとリュート曲とか古楽が潜んでいることが多いのです。

このカジュアルさとポップさ。クラシック音楽を専業にしている人にはこの観点が足りないとかなーなんて。

そして来月は久々にフルートとギターでデュオ演奏します。こんな曲を仕込み中です。



ハダメス・ニャタリの「フルートとギターのためのソナティネ」です。
かなり難解なニャタリ"和音"ですが、ローリンド・アルメイダとの関連で考えていくと「なるほどなー」と合点がいく部分も増えてきました。今までニャタリの曲をたくさん演奏してきたので、ニャタリ本人の癖と(おそらく)アルメイダがエディットした和音の癖が掴めてきた感じがするのです。

あと最近こんな本を読み直ししました。


こういうのを読んでいた思うのは「旋律専業の楽器」の人のアイデアの深さです。

フレージングやノートグルーピングに関してはやはり単旋律の楽器の人や歌の人のアイデアがとても多彩で汎用性が高いものです。ギターってどうしても和音を弾いて満足しちゃうところがありますもんね。

という感じ、色々な音楽と関わって過ごした2月でした。

割と三月は演奏多いです。

ホームページのスケジュールなどご確認ください。そして演奏会、きてくださいねー!






富川勝智ホームページ
→富川勝智の演奏会情報や著作情報などを掲載

富川勝智にレッスンをご希望の方はこちらをクリック
→正しくギター奏法を学びたい方、表現法のロジックを学びたい方…「誰でも上達できる教室」富川ギター教室へ。体験レッスン随時募集中です。








ちりも積もればー!&祭典もあるよー!

いっつも生徒さんに言っている言葉があります。
「塵も積もれば山となる」

だけど「このチリは見えないんだよねー」って。

上達ってすぐには見えないんですよ。そんなことを考えていると「クラシックギターワークアウトブック」の使い方……というか"扱いかた"がわかってきます。

1月末に発売してから「毎日やってまーーす!」という声がたくさん来ていて嬉しい限りです。

例えばこんなブログもアップしている方がいて嬉しい限り。




動画をどう使ってやっていくか……一日の生活の中でどのようにこの本を使っていくか……参考になるブログだと思います。

著者としてはどのように使っていただいても構いません。

頭からできてもできなくてもドバーッとやっていって、あとで見返すのも良いでしょうし、必要なテーマだけを先にやってみても良いでしょうね。
もちろん、書名通りに"1日に3つを5日間やる!"でも良いです。

実は企画段階でのイメージは、月曜日から金曜まで5日分やって、土曜日に仕上げの練習曲(practice)をやって日曜日はお休みー!というものでした。このペースでやると18週で終わります。日曜日にその週の分を復習しても良いでしょうが、指を休めましょうねー。

何れにしても”自分のペース”でやっていってください。


Instagramなどでも「やってまーす!」という声が届いていて、頑張ってねーと声援を送っております。
是非下記タグをつけてツイッターでもInstagramでも皆様の声をお届けくださいませ!

#クラシックギターワークアウトブック

"塵"っていうのはある程度まで放置しないと見えないもんです。
部屋の掃除しているとわかります。しらないうちに埃とか塵って溜まっていますよね 苦笑

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YAMAHAさんの公式サイトにアップされている内容紹介動画も載せておきます。






あ、そうそう、週末には「スペインギターフェスタ冬の祭典オンライン」をやります。

20220212-13冬の祭典






















↑facebook上のイベントページを使って行いますので、是非探してみてください。
すでに受講は満席ですが、まだ発表会や聴講は申し込みしております。



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トミーの部屋第二回無事終了&そんなにすぐ効果出たの???(クラシックギターワークアウトブック)

2/2に小暮浩史さんをゲストに「トミーの部屋」第二回無事に終了しました。

こんなご時世なので、本番前に打ち上げ行っちゃえー!と。そこで猫ちゃんに出会いました。

小暮くんと30分くらいでくわーと飲んでから、本番へ。

(実は本番の写真撮り忘れたので、猫ちゃんの写真w)

今回も色々と話しました。小暮くんが珍しくターレガを弾くというので、どうしたのー?と聞くと、最近結構いいなーと思ってという返事。

プロギタリストは大体20代はコンクール受けるために、ヘヴィーな曲ばかりをレパートリーにしがちなもんです。その時期が終わって、20代後半くらいから「ギターのスタンダード曲」の良さに目覚めたりします。

かくいう僕もそうだったなーと。ダンジェロとか武満徹とか、マルタンとか。そんなのばっかり弾いていたなーと。そういう時期抜けるとタレガの小品とかそういうものの良さがわかってくるんですよね。レッスンで教えたりするとまたこれが「いいなー」なんて思うようになる。

次回の「トミーの部屋」のゲストは北田奈津子さんに決まりました。4/10駒沢大学M'sカンティーナです。16:30くらいから。また詳細決まったらお知らせしますね。ギタリストとのトーク、楽しいですよー。

で、話は変わって、今日のレッスンしていたら、ものすごく音が良くなった生徒さんがいました。

「あれー?音すっごく良くなったねー!何か変えたの?」と訊いたら、「先生が最近出したワークアウトブックやったからじゃないですかね?」と。

そんなに早く効果出るはずないだろー!とは思ったものの、どの練習をやったか聞いたら、理由がわかりました。

まだ第一日目しかやっていないそうですが、しょっぱなに「指をしっかりと振り抜いて、戻す」という練習があります。この練習をやったとき、その生徒さん”最近そういう基本的なこと忘れているなあー”と思ったのだとか。

で、やり直してみた。そして音がしっかりと鳴るようになりました。

基本って大切だなーと思った次第です。
というわけで、引き続きみなさんクラシックギター ワークアウトブックよろしくお願いしますねー!

【1日】に【3つ】のフレーズを【5分】ずつ弾くクラシックギターワークアウトブック
富川 勝智
ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
2022-01-26




基本が大切だよ!という意味では、明日こんなワークショップをやります。

「7つの基礎練習+2」。



後編と銘打ってますが、前編に出ていない方もぜひ。ゼロからやります。

こういうワークショップも地道に出ると効果がありますよー。毎月テーマを決めてやっておりますので、お気軽にご参加くださいませー。


ソルのひねくれ具合

楽譜って怖いですね。楽譜によって結構音価や変化音(シャープとかフレット)が違っていて。それが全く違う音楽を作ってしまうことがある。
なので、レッスンするときは出来るだけ「原典」に近いものを使うことを生徒には勧めている。

特にフェルナンド・ソルの楽曲に関しては、細心の注意を払わないと”それってソルの意図と反しているよ”という結果を招きかねない。

最近レッスンした中で気づいた例がこれ。

Op.31-1です。14小節。こちらは定番のギター教本であるギタルラ社の「新ギター教本」に出ているバージョン。


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これが現代ギター社版(中野二郎編)ではこうなっている。
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バスの長さが違うのです。バスが三拍維持されることによって、三拍目で独特のドミナント感(緊張感生まれます)。もちろん、楽譜の誤植かもしれませんがw

もう1つ同じエチュード。同じく新ギター教本から。
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中野二郎編だとこうなってます。
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お!!!三拍目に休符が!!!
この休符によりメロディーのアウフタクト感が強くなります。弾き比べてください。印象がかなり違いますよねー。

次はOp.31-4。とある「名曲集」に載っているバージョン。
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ラがシャープになっています。和声的短音階で作られる和音なので、理論上も聴感上も問題はないように見えますが……

中野二郎編ではこうなっています。
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ラが普通にナチュラルです。こうすることによって、三小節目にニュートラルに声部が進行していきます。4小節目になって初めてドミナントセブンスがきっちりと鳴り、且つ休符で断ち切られる緊張感!
これに慣れてしまうと2小節からラをシャープさせているバージョンは”凸凹”に聞こえてきます。

これも是非弾いてみて、聴き比べてください。

……こんな感じで曲集や教本に載っているエチュードは結構原典と違う部分があるのです。

ソルに関してはパターンから逸脱したものが多くて、普通だったらこうだろうなーというのを裏切っている部分が多いのです。なので、写譜するときなどに「普通なこうだろー」と写し間違ったものが教本や曲集に載ってしまっているのかもしれません。

現代ギター社版の中野二郎編は、当時出版された楽譜をそのまま浄書して載せてあります。編者が勝手に「ここは普通シャープだよね?」とか「これは付点音符じゃないだろ〜」という判断で音の改変を行なっていない。ここがある意味すごい。だから「原典版」と言えるのです。

実はこのあたりにソルの「ひねくれ具合」が出ていたりします。そのあたりは謎解きに近いものがあり、普通はこうするんだけど、これわかるかな???(どうせわかんないだろーなw)という感じなんでしょうね。

このトリッキーさはスタンダードな声部進行や和声の理論を知っていないとなかなかわかりません。

ギタルラ社の新ギター教本が悪いというわけではありません。ある意味、スタンダードに弾きやすく若干の改編をするのは初心者にはありがたいものです。実際Op.31-1でバスだけ低音を低音を消音するというのは初心者にはハードルが高すぎますから。

載っているバージョンをそのまま弾いていけばいいんです。

とはいえ、ソルの楽曲の醍醐味はこういう「ひねくれた」ところにあります。レッスンでは生徒さんと色々と謎解きをしていきます。それはとても楽しい作業で。そして、そこにソルの楽曲の美しさや面白さが隠れているわけです。

どうしてここに休符入れたんだろー?とか考えながらレッスンしていく(自分で練習するときも)のは楽しい作業です。

いつもそんな感じでソルのエチュード教えるときはやってます。

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