ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

2023年09月

2019.8 新サイトOPEN!
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富川ギター教室(東京渋谷) https://tomikawaguitar.com
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※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

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現代ギター10月号〜フィジカルなもの

現代ギター10月号の実物を見た

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やはりいくつもの連載をやってきて、著作もだしているとはいえ、実際の雑誌を見る快感は別物。
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ということで「ホセ・ルイス・ゴンサレス ギターテクニックノート講座」スタートしております。6ページに渡ってガッチリと。
やはり実際に本誌を受け取るとなんとも言えない気分になる。

インクの匂いがわーっと広がる。それはフィジカルなものだ。そして、そのフィジカルな感覚は10代の頃から変わらない。高校生から現代ギター誌を定期購読している。届けられて、開封する。その匂い!


中身を隅々まで読む。分かること分からないこと。たくさんある。だけど、あ!こういうことなのかーとか、こんなギタリストがいるんだなーとか、こんな曲があるのかー!など沢山の新しい世界がある。


だから、現代ギターという雑誌は憧れの雑誌で、留学から帰国してプロ活動を始めて連載してみない?というオファーがあったときはびっくりした。

え?僕が?現代ギターに?という感じ。最初はドミンゴ・プラトのギタリスト辞典の翻訳連載でしたが、あれこれ来日ギタリストの通訳を頼まれたり、自分が現代ギター社の主催コンサートに出演したり、スペイン音楽に関する連載を頼まれたりそんな感じでもうかれこれ20年以上ずーっとお付き合いさせてもらってます。

(オファーがないのは表紙だけ!)


いつでも初心忘るべからずじゃないですが、本誌を開くときはドキドキします。原稿を連載している時もゲラをpdfで頂きますが、これはやはりフィジカルなものじゃない。

やはり、実物を受け取り、ページを開き、インクの匂いを嗅ぐと「おー!仕事したよねー」と思う。


こういう感覚ってわすれちゃならないんだよねーと思います。実はこの感覚はCDと変わりません。CDをいままでたくさん出してますが、このフィジカルな感覚は別物。音源の確認は山ほど事前にやっていたとしても、実物をうけとったときのフィジカルな感動は常にあるのです。


だから配信やYouTubeの演奏動画にはなーんの感動も感じなかった。自分としても「これがおれだよー」と言い張れるような感じではアップできてません。やはり演奏も生じゃないとなーとか。フィジカルなものが好きなんですよね。


とはいいつつ、最近自分でYouTubeみたりしていると、その演奏動画のバリエーションにとんでいること!基本的にクラシックギター以外のジャンルしか見てませんが、あ!そういう考え方もあるのねーとか。多様性。ほんと自分の価値判断とは相入れないものでも「楽しめる」。


だから基本的にはCDはオワコンだと思ってた。そのあたりは僕が所属するレーベルの主宰ともあれこれ話はした。


やはりオワコン。だけど、いまだに雑誌や書籍やCDのフィジカルな気持ちよさには魅力を感じてしまう。


結局両方なのかなー。


「テクニックノート」講座の連載もフィジカルなものです。ページをめくって、じっくり読んでほしい。

だけど、YouTubeの動画と連動してます。YouTubeも見てください。おもしろいから。


そんな感じでやってます。というか、そういうスタンスになりました。そういう時代なのでしょうね。そして、自分の中で折り合いがついている。


ということで、このブログを読んでいる人、雑誌も買う、そしてYouTubeもがっちり見てくださいね。








文で伝えることと動画で伝えること、そして、目の前で伝えること

現代ギターで連載を始めたことは先日のブログでも書きました。


そして、この連載と連動で動画もアップしました。


文章で伝えることと動画で伝えることができるものは割と別物だと感じています。
文章であると「頭でわかったふり」になりがち。ですが、ある程度文章で書いてあることを理解して自分でやってみると「ああ、なるほどな」と思えます。文章で確認しながら自分の動作を整理できるわけです。

動画だけで学ぶと「やれたふり」になりがち。なんだ同じようにできるじゃん!で終わってしまう危険性があるし、その動作が実際どのような理由で大切なの?というのもわからない。


そんなことがあるので、文章で書いたものと”同じ内容”を動画で扱ってみたかったのです。

とは言え、なんか自分で足枷かけちゃったなーという感じです 苦笑。

通常のギター教本にしても、今回扱っている「テクニックノート」にしても、学ぶためには全部通してみるしかないわけです。特にこのテクニックノートは全部通してみて、そして、また細部を学んでいって、また全部を通してやってみて、やっと”意味”がわかる。

結構辛い。なので、その辺りをうまく導いていければいいのかなというアプローチで連載を考えています。少しずつ丁寧に、そして各エクササイズの正しい練習法と意図を頭に入れながらやっていき、別項目との連動も少しずつ組み合わせていく。そんな感じで書いております。

よく楽器を学んでいる人で「その練習なんの意味あるんですか?」みたいなことを言う人がいます。そしてそういう人に限って「ユーチューブで学んだほうが早い」とか馬鹿なことをいう。自分の経験の浅いレベルで検索してたどり着いたYouTubeの動画なんて、やはりその人のレベルを越えるものではない。

そのことがわかった人だけが楽器って上達できるんです。

なので、今回の動画も手を抜きません。一体それどんな意味あるのー?って思うかもしれませんが、お付き合いください。1年後ぐらいにはうっすらと意味がつかめてくるでしょう。そして、意味を掴みやすいようにこちらも説明していきます。ヒントたくさん出しておきます。自分で考えてください。

そういう意味では対面での通常のレッスンはとても楽。その人が理解しているのかどうかが確認できるので。ある練習への応用もその場で伝えることできるので、無駄はないです。通常のレッスンでの弱点は受け身になりがちのことかもしれません。先生が生徒さんの確認をしてくれるのですから、自分で「できているのか」「理解しているのか」の判断をしなくても良い。そこが弱点。

だから、僕はレッスンでたまーに「放置」することあります。自分で考えて判断を下して欲しいから。

文章で学ぶ、動画で学ぶ、レッスンで学ぶ・・・この三つについて述べてきましたが、結局は独学って難しいよね!ということなのかもしれません。逆に言えば、どんなメディアからだって客観性を失わなければ学べます。

拙著「クラシックギターワークアウトブック」が引き続き大好評です。

【1日】に【3つ】のフレーズを【5分】ずつ弾くクラシックギターワークアウトブック
富川 勝智
ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
2022-01-26


最近、なんでこの本が売れているのかわかってきました。日本人はドリルが好きなのかもなあーと。それが理由なのかもと。そして、各エクササイズにつけて動画も好評。この辺りも上記で述べたことと一致してますね。動画で”きちんと段階を追って学んでいける”のが良いのでしょう。実はこの本文章で書いていることと動画内で説明していることの内容を少し変えています。文章で伝えやすいことは文章で、やって見せたほうがわかりやすいことは動画で、としています。

この次に出た「クラシックギターの参考書」も実は大大大自信作。アマゾンのカテゴリー分類がうまくいっていないため、なんか残念な評価になっておりますが(カテゴリーが”音楽”という大きなものになっているw)、これこそ本当に僕が「音楽を伝えるテクニック」を伝授できている本です。

STEP UP クラシックギターの参考書 〜基礎から応用へ〜
富川 勝智
ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
2023-03-17


実はこの本、左手の使い方(運指法)で今までどの本に書いてなかったことが入っています。そして、技術が音楽表現とどう結びついていくのかを丁寧に説明しました。じっくりと一度通して読んでみるとわかる本です。皆様、ぜひお手にとりお読みください。損はさせません。




フェレールという作曲家〜妥協できなかった人

昨日はホセ・フェレールのデュオ作品だけで演奏会。
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金曜日に岩崎慎一さんとガッチリとリハしました。リハであれこれアイデアを試したりすることがすごい勉強となる。毎回そうなんですが、やはり優れた音楽家と過ごす時間はそれだけで何千時間もの練習よりもためになるヒントが得られてしまうのです。

本番もやはり勉強になる。もう当たり前のことなのだけど、今この年齢になってもそう感じることができるくらい音楽って深いんだなあーと思います。

そして、演奏することでフェレールの位置付けも明確になってくるから不思議です。
僕の2枚目のソロアルバム「あなたとわたし」でもフェレールのソロ作品を収録しました。そして収録に当たってほぼ全てのフェレールの作品を弾いてみたのですが、その時に感じていたことがより確実に確信と変わる瞬間でもありました。

終演後、岩崎さんとも話をしたのですが、結論としては「フェレールというのは妥協できなかった作曲家」であると。本人はギタリストでもあったのですが、和声の配置において少しギターでは弾きにくいものが多いのです。比較すれば、タレガのほうが圧倒的に弾きやすいのです(押さえやすい)。

これは、岩崎さんのマスタークラスでも(演奏会後にマスタークラスを開催しました)感じたことです。受講生4名のうち3名がタレガ作品でした。タレガ作品の”無理のない書法”が見事に解明されていました。それでいてとても効果的。良い意味でギターではこのあたりは妥協しようという姿勢が見えるのが、実は「タレガの作曲法」なのです。

それと比べればフェレールの作品は妥協がない。悪く言えば、プレイヤー的な感性が希薄だったのかもしれません。その妥協のない和声配置がデュオ曲になると二台のギターでとても効果的に響くのです。だから実は演奏が難しいのですが、それが醍醐味となって病みつきとなるのです。

そんなことを感じた今回の本番でした。

またデュオやりたいなあーと思っています。録音するのも悪くないかなあー。





スペインの若き天才ギタリスト来日します!

まだまだ夏みたいなお天気が続いていますが、なんとなく秋の演奏会シーズンっぽいものが近づいてまいりました。
自分の演奏もあるのですが、頼まれて企画主催したものもあります。10月11日にスペイン人ギタリストの「アウシアス・パレホ」のコンサートを主催します。

実は彼とは若い頃からの知り合いです。ルベン・パレホという私の兄弟子がいますが、その子息だからです。つまり、ルベンと僕はホセ・ルイス・ゴンサレス先生の門下生であり、彼のほうがお兄さんではありますが、20代の頃、あれこれと世話になりました。

2016年にスペインのビルバオで開催された青少年ギターコンクールにアウシアスくんが出場していて、その時の招聘演奏を私と私の門下生で結成しているリオリコ・ギターアンサンブルで行ったことがあります。その時にルベン一家とバルで一杯やったりしました。

こんな写真出てきたw (ルベンとパチャランを飲んでいるとこ)

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この時にもアウシアスくんと会っているのですが、まだまだ少年でした。でもその後どんどんギタリストとして世界中のコンクールで優勝をし続けて、先日はアランブラ国際ギターコンクールで優勝!(世界的にももっとも難度の高いコンクールです)。

今回、来日して某コンクールに出場するということと、ルベンとしては経験を積ませたいという思惑があって来日することになりました。ルベン自身もホセ・ルイス門下ですから「日本のクラシックギター熱は強い」とわかっているからでしょう。

彼から相談を受け、プロモーション的な意味でコンサートを企画することにしました。

大塚の小さな個人宅サロンですが、アウシアスくんのギターを間近で聴くことができます。もう、これは聞き逃すのはもったいないですよー。必ずや世界的な奏者になりますから、今のうちに聴いておいたほうがいいです。

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彼の詳しいプロフィール、演奏予定楽曲などはこちらで確認ください。 


席数が少ない会場です。必ずご予約ください。下記メールにてご予約承ります。
tomikawaguitar@gmail.com


テクニックノート講座、現代ギターで連載始まります!

クラシックギター学習者のバイブルと言える「ホセ・ルイス・ゴンサレス ギターテクニックノート」(手塚健旨訳/現代ギター社刊)。

我が師匠の著作であり、僕も20代の頃からずっと学び続けてきた本です。

実は「現代ギター」10月号からテクニックノートに関する連載が始まります。

今までもたくさんテクニックノートに関するワークショップや単発の講座をやってきましたが、とうとう講座を連載することになりました。毎回少しずつテクニックノートの内容を分析し、練習の仕方や本に書いていないことを書いていくつもりです。
10月号ではテクニックノートの紹介と右手タッチ中心に書きました。超基本的なことを書きましたが今回の連載記事を読んでいただくとこれから掘り起こすテクニックノート沼にハマるための準備ができますので、是非ともお読みください!

すでに11月号の原稿も完成間近。左手について書きましたが、これもテクニックノート沼にハマるための第一歩なのでお楽しみに! 「現代ギター」2023年10月号の連載「ホセ・ルイス・ゴンサレス ギターテクニックノート講座」(執筆:富川勝智)を是非お読みください。 https://ec.gendaiguitar.com/.../products/4910034811038 2023年9月22日、全国書店、楽器店にて発売 https://www.gendaiguitar.com/
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