記憶の忘却に逆らいつつ、かなり前からのレッスン覚書。
今メモしとかないと忘れてしまうので。
どうぞ。
ブローウェルのシンプル・エチュード全て終了!「とっても充実感があります!」とのこと。ブローウェル後は古典へ復帰。ソル20のエチュードです。
音名と階名の説明。いまさらハニホヘト・・・を覚えさせてもしょうがないので、おおまかにイメージだけ説明。階名は相対的なものです。
間というものは大事。聴き手の注意をひきつける役割をするので。オスカー・ギリアの長ーい調弦も、聴衆の耳をギターの倍音にチューニングするためになされているそうだ。ということで、間を作ってあげることで、聴き手に「次はどんなのが来るのかな?」と思わせることが重要なテクニックである。(注:録音の場合はこの“間”が効果的とは限らない)
Pとimaのカウンターアクションがうまくできれば、imaは安定するし、Pも安定する。経験上、初心者は和音を弾くのが苦手であることが多い。それはこのカウンターアクションがうまくできないからである。
子供の生徒。「可愛いオーガスチン」という曲を、やたらバシバシ弾いているので、「それだと“暴れん坊のオーガスチン”だよ」といったら、とても丁寧な演奏になる。子供のレッスンはこれだから面白い。言葉の戦いである。
「11月のある日」の最初の部分。重音になっているメロディーのどの部分をずらすか?全てのパターンで試みて、そのニュアンスの違いを検討。「絶対これは不自然!」というのは、どの生徒でも聞き分け可能である。
クリストファー・パークニングの教本が最近の私のお気に入り。で、とにかくはじめてばっかりだけど、恰好いいギターソロが弾きたい!という生徒のために私が用意した譜面が、パークニング教本から「スカボローフェア」です。簡単な割りにそれなりに聴こえる。こういうのを名アレンジという。
1弦a、2弦m、3弦i、5弦p(人によっては6弦または4弦)に右手指をセッティング。この状態からそのまま弦を弾くことをプランティングという。スコット・テナントの「パンピングナイロン」が隠れたブームになったことで、(割合)一般に普及した。まあ、今クラシックギタリストと呼ばれる人で、この言葉を知らない人はモグリでしょうね。
さて、このプランティングが徹底してきたときに、im交互による旋律が弾きにくくなる生徒が多い。特に独学で旋律弾きをアポヤンドで弦に指をまっすぐに入れてバカバカと“たたき弾き”していた生徒は、違和感を持つようである。
その解決法は?・・・これも原則は上記の右手のセッティングをもとに考えていく。弦をずらすだけ。この時に肘をギターに固定してしまっている人だと、絶対にうまくいかない。
コンクールに出る生徒。とりあえず、うろ覚えで良いから全部弾かせてみる。そうするとちょっと焦りがでてくる。コンクール出場前の数ヶ月前にざっと通して弾いてみると、「やばい曲」が分かる。
ジュリアーニ・120のアルペジオ。2回くらいざっと通してやると、何故か効果が出てくる。やはりこのアルペジオ、右手運指の可能性をよく考えて作られている。こういう一見単調な練習こそ、レッスンでやらせるしかない。このアルペジオをひとりで通せる人は、そうとうやる気のある人、または変人である。
反復練習には、それなりの意味がある。教師は「悪い方向にいかないよう」アドバイスを適宜いれていけばよい。例えば、右肩に力が入りすぎているよ!とか、mの動きが荒くなっているよ!とかね。
また、何度も繰り返してやっているうちに、自然に“無駄”がなくなってくる(100パーセントとはいかないけど)。自分の体が発する声に敏感になれば、無理な動きをしていれば、体が悲鳴をあげているのは分かるはずである。
また二回目にやるときは、その他の曲の部分で見直した技術を応用することができる。違う観点から見直すことができ、それはそれで新鮮な気分になれるものである。