2008年8月8日〜10日にかけて長野県安曇野にて行われた「あづみ野ギターアカデミー」についてのレポートです。

前回はレッスンとアンドーヴァー及びアンサンブルについて書きました。

今回は演奏会について書きます。

初日夜は多治川純一と丸山耕太郎(※今回の事務局長でもある彼はレッキとしたプロギタリストです!)とのジョイントコンサート。デュオもあり、ソロもあり…これはある種私が強引に組ませたという部分もあるのですが、いい感じにはまりました!

カーネモーケ

二人とも若手のプロです。おそらく今まで各種講習会やマスタークラスなどで多くを学んできたことと思います。それぞれ、すでに教授活動も演奏活動も始めていますので、これからは共演者から多くを学んでいくという経験がなによりの「勉強」となります。そういう意味で、ちょっと組ませたら面白いかなあ〜と私、富川は思ったわけです。

実際に私も多くの優れた共演者に恵まれてきました。一緒に演奏して初めて『こういう演奏スタイルがあるんだなあ』とか『え?そういう表現もあるの?』とか分かるものなのです。そのようにして共演者から多くのものを学んできたような気がします。

さて、2日目夜は、私、富川勝智と池田慎司のコンサート。もう、何回もやっていますので、楽です。この「楽」っていうのが、いいですね。勿論、時間もなく細かい打ち合わせはできませんが、お互いの「方向性」が定まっていれば、細かい部分は直感であたりをつけていくという感じです。毎回会うたびに池田君の進化を感じることができます。リハでも、一回目からそれを感じることができるので、こちらもちょっとしたネタをもらうことができます。そして、こちらのネタをお返しする…。こういうプロセスが本番でもできるというのが、とても楽しいです。

あづみ野コンサートホール演奏会

あづみ野コンサートホール演奏会

ソロはそれぞれ、スペイン物で固めました。これは電話打ち合わせで、おおまかに決めておいて、前日に正式な流れを決める感じです。私も結局前日にソロプログラムを決めました。

演奏会本番で弾いた感触は、ホールの響きをうまく活かせたと思います。良いホールでした。音色の「手触り」がしっかりと感じ取れる…というか…。いくつかコンサート後に頂いた感想をここに記しておきます。

M君のコンサートを聴いた感想。

もちろん全て良かったですが、富川先生のデラマーサ、本当に良いなぁ‥と思ってしまいます。今回はいつも以上に。何だか至高‥って感じ。弾きたいけど、もはや高みに至っていて近づきがたいのかな。ギターを聴いていて、あんな風に弾きたい、より、聴きたいが優先される音楽って余り多く巡り会わない気がする。人間的な深みが音楽に現れているのか、凄い演奏だなぁと思っていました。人間的な深み、自分にももっと欲しいなぁ。それから。池田先生のラグリマにも感動してしまった‥。一音一音に対して考えて理想の音を追及して音を出して、音楽を作って‥。ゆっくりなテンポで、一音一音への繊細で優しい気配りがこれでもかと言うばかりに感じられて。このように弾いていくのだな‥こんなに音を大事にして弾くのだな‥と感じて感動してしまった。これも、音に対する優しさが感じられると言うか‥いつまでも感じていたいと言うか、いつまでも聴いていたかった。
他も、当然のように良かったですが、特に感動してしまったので‥。デュオも、もう‥絶品でした‥!

Sさんのコンサートの感想。

コンサートが本当によかったです。
これまで聴いたギターのコンサートの中で一番印象深かったです。
ひたすらに富川先生のギターの音が美しくて聴き惚れました。
また、コンサートで先生の演奏を聴けることを楽しみにしています。

…演奏を通じて受講生の方に勉強してもらえるのも「講習会」のコンサートとしては理想的です。結局は、我々演奏家は『美しいもの』を聴き手に与えるために演奏をするのだし、そのような音楽を作ってもらいたいと受講生にも期待し、教えているのです。また、演奏家自身も、演奏中に音楽から多くのエネルギーを貰っています。このエネルギーを貰う経験をした人は、絶対に音楽を捨てません。というよりは捨てることができなくなります。この『一瞬の美』の経験があるからこそ、私はステージで演奏しつづけるのだろうし、池田君もそうなのだろうなあ、と演奏後に思いました。

さて、あづみ野ギターアカデミーの演奏会について、いろいろ書きました。まだ、レポートは終わりません。次回は「運営編」です!

(講習会レポート・・・長いですね。まあ、夏休み特別企画だと思って、のんびりお読みください。麦茶でも飲みながら…)

 

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