先日、ちょっと「深めに」左手運指の話を書きました。
抽象的でわかりにくかったかもしれません。
巨匠の美は伝承されないのではないか?・・・という私個人の勝手な危機感から書いた文章です。おそらくクラシックギター初心者や中級者の方には理解しにくいものであったと思います。
まずはコメントに質問がありましたので、そちらにお答えします。
1弦と2弦のラが同じ音に聞こえるような楽器というのは、安い楽器を指しているのでしょうか。
この質問に関する答えは「安価な量産タイプの楽器だけを指しているわけではない」ということだけを言っておきましょう。
楽器に関しては、今も私は研究中でもあります。いずれ、考えがまとまったら記事にしたいと思います。
さて、今日は初心者や独習者に向けて、左手の運指について「学び方」を書いていきます。
結論から言うと・・・
1.左手運指の理由を考えること
2.習っているのであれば、その先生の左手運指の指示を守ること(※)
(※習っている先生が生徒さんの将来を見越してしかるべき運指を与えているということが前提)
2.に関しては、非常に難しいです。信頼できる先生につくことです。1.とも関連してくるのですが、先生が全ての運指に関して説明するわけではないということです。つまり、ある程度の曲が弾けるようになって初めて、理解できる運指のルールというものも存在するということです。
1.はとても大切なことです。初心者にとって、ポジションをとれるようになったあと、実際の楽曲にはいったとき、必ず「?」という左手の運指にぶちあたることになります。それは必ずしも押さえ易い運指とは限りません。まずはその理由を考える。その理由をきちんとした先生であれば説明してくれるでしょう。
独習者の方は、自分でその理由を考えてみることです。これがとても大事です。
2.も学習者にとっては大切です。なんでもかんでも「理由」を尋ねてもしょうがない場合もあります。私も「とりあえず、そのとおりやっておいて!」と言うしかない場合もあります。これは中級者や上級者になって、より複雑な楽曲をやるときになって、やっとその運指の理由が実感できる場合もあるということです。
つまり、2.は「運指の理由を考えない」ということでもあるわけです!
(まるで、禅問答?・・・わかってくれるかな?)
きちんと左手の運指について理解しているギター教師であれば、全ての運指に関して説明できます。しかし、その説明は「それを理解するのにふさわしい時期」に生徒さんに対して行なわれます。
例えば、初心者の段階でポジションの本当の概念を理解することは難しいと思います。なぜなら、ハ長調のローポジションである限り、4フレットは登場しませんから。
なのに、何故1フレットは1の指、2フレットは2の指、3フレットは3の指と押さえねばならないのか?・・・このことはやはりト長調にいってからでないと本当の意味は理解できないと思いますし、単旋律の楽曲をやっているときには必要は感じないかもしれません。より難易度の高い曲になればなるほど、ポジションに則った運指の重要性は実感されてくるということです。
・・・上記のレベルのことであれば、私は初心者であろうが、その「意味」をしっかりと説明することができます(実例などを示しながら)。一般的にローポジションはフレット間が広くて「押さえにくい」と思いますが、ギターのフォームや左手の構造などを理解すれば、誰でも押弦できるように指導することが可能です。
なので、どの生徒も初心者の段階から、ポジションの意味を「おぼろげながらでも」理解できているようです。そして、難しい曲をやったときに、「やっと意味が理解できました!」と言ってくれることもあります。
ただし、このレベルのことを説明できないギター教師もやまほどいるようです(もしくは秘密主義?)。なので、1と2のバランス(線引き)はとても難しいのです。
左手の運指には必ず理由があります。
ソルやアグアド、そしてカルッリなどの初心者用エチュードでも、以下のようなパターンの運指が登場します。
1フレット=人差し指、3フレット=小指
ポジションのルールからははずれています。それまでさんざん1フレット=人差し指、2フレット=中指、3フレット=薬指・・・とやらされて、具体的なエチュードに入った瞬間に、このルールが破られます。この理由がしっかりと説明できる先生であれば、信頼して良いと思います。
この初心者用のエチュードを『1フレット=人差し指、3フレット=薬指』という運指に振りなおしている教本も多いです。私はこれを改悪であると思っています。
みなさんも是非、このあたり考えてみてください。
ヒント=「12フォーム」と「34フォーム」(※先日行なわれた池田慎司氏の基礎テクニック講座に出た人ならぴんときますね!)
・・・初心者向けとはいいながら、なんだかかなり上級者向けの記事になってしまったような気がします。
私に習っている生徒さんも、是非自力で考えを整理してみてください。1年程度習っている方であれば、どの生徒さんにも一度は説明しているはずです。
生徒以外の方で、分からない方は私が定期的に行なっている「ギターテクニックの基礎の見直し」(日曜ワークショップ)にどうぞ。ほとんど毎回、左手のテクニックについて説明する場合は、説明していますので。
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