日曜日は日曜ワークショップでした。テーマは「クラシックギター録音術!」です。

講師は我が友人でもあり、音響関係の仕事をしている菊地智彦氏。プロジェクターを使って波形を見ながら、「目で音の違いをわかってもらう」という工夫…。なかなか面白かったです。




レコーダー自体は入手しやすくなってきましたが、圧縮音源と非圧縮音源の違いはなかなか気づきにくいものです。その聴き比べも行いました。受講生、各自に音の違いを聴いてもらいながら、感想を述べてもらいました。ヒントが与えられれば、非圧縮音源(つまりCDの音そのまま)と圧縮音源(mp3)の違いは分かってきますが、mp3だけ聴いていてはわからないままでしょう。

圧縮音源であれば「聴こえなくなる」音がでてきます。このような音源ばかり聴いてしまうと、「生音」であっても「聴いていない」周波数がでてくる可能性もあります。いろいろな意見があるとは思いますが、私はこれは危険だなあと思う訳です。もちろんCDの音であっても、実際の演奏のニュアンス(音の余韻や存在感)は100パーセント伝わりませんけどね。でも、圧縮された音源よりははるかにましなわけです。

つい先日ですが、ニール・ヤングが圧縮された音源について苦言を呈しました。
参考記事

「マスター音源の5パーセント」は言い過ぎかなあ…とは思いますが、彼が言うように音の存在感(あたたかみや深み)は失われてしまいます。そしてリスナーはそのような圧縮音源ばかりを聴き続けていれば、「それが当たり前」になってしまいます。クラシックギターの場合でもそれがおこります。クラシックギターの音はとても繊細です。音の余韻や倍音などを聴き取ろうとしない奏者が増えてくるような気がします。

もちろん、CDを聴いていても、「音を補完」して聴いています。私の場合でも、師であるホセ・ルイス・ゴンサレス先生のCDを聴いていても、それをそのままでは「聴いていません」。実際の音はもっとこういう感じだったなあ…と頭の中で補正をかけながら聴いている訳です。

これが自分の音を録音する際にも実は重要です。「自分が聴きたい音」しか録ることができませんから、実際に自分の耳で聴いているものしか録音物に含めようとはしないわけです。自分が録音する際に含めようとする情報量は、普段自分が聴き取ろうとしている情報量を超えることは有りません。

クラシックギターのありのままを録音物に含めようと思うならば(100パーセントは今のところ技術上無理であると思っていますが…)、クラシックギターのありのままの音を聴くべきです。そして、それは「耳のトレーニング」しかありません。

もし、YouTubeなどでしかクラシックギターの音を知らないのであれば、自分の楽器からその情報量の音しか出すことができませんし、それで満足してしまうでしょう。

…以上のようなことが受講生に伝わったならば、主催者としてこのような講義をやった意味はあったのかなあ?…と思います。また何か同様な企画で講義をやってみたいと思っています。


富川勝智

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