クラシックギターの指盤…把握がなかなか難しい。

1弦でミなら直ぐに弾けるのに、「2弦のミ…どこ???」「3弦のミ……滅多に使わないので、しりませ〜ん!」みたいな生徒さんが多いのです。

何かいい方法がないかなあといつもあれこれ考えてレシピを与えるのですが、いくつか良い練習法はあります。そのひとつは「タブ譜を書いてみる!」という方法です。

今練習している曲でよいので、タブ譜に書いてみてください。ソルのエチュードでも、サグレラスのマリアルイサでも、禁じられた遊びでもよいです。
もちろん、ギターを弾きながらではダメですよ〜。ギター無しで楽譜だけから「何フレットを押さえるか…」というのを確認してください。
タブ譜はネットとかからダウンロードできます。こちらのサイトなどでどうぞ。



タブ譜ダウンロードサイト


さて、タブ譜に書いてみると、「あ、ここ思い浮かばないなあ…何フレットだったっけ?…」という箇所があるはずです。そこが苦手なポイントです。

実はこの「練習法」は私が仕事で学んだものです。数年前までたくさん出版物のアレンジの仕事をしていました。ヤマハさんやシンコーミュージックさんなどのムック本やポピュラーアーティストの楽曲のクラシックギターアレンジのお仕事です。

こんなの↓

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レッスンもしていて、演奏会もありますから、必然的に時間がかぎられます。そして締め切りがタイトなことが多いのです。当時は手書きで音符を書き、タブ譜も書いていました。睡魔に襲われながら、スピードアップをするしかないわけです。でも、ミスもしたくない…なので、音符を見て、運指とポジションをイメージして、フレットをタブ譜に書き込んでいきます。ただし、やはり苦手なところがあるものです…。

たとえば、こんな曲。私がアレンジした「トロイメライ」ですが、ハイポジで複雑な和音になると、「うっ!!!」と詰まります。頭のなかに押さえるフレットが浮かんでこない。。。

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このような作業を数年続けました。結果として…ものすごい読譜力がアップしました!

普段の練習でも、新しい楽譜を見たときに、ポジションをイメージして「あ、このフレットを押さえるんだな」と事前に考えてから弾くように強く思えるようになりました。

そして、読譜力をアップしたい生徒さんにはタブ譜トレーニングを勧めるようになりました。「自分の弾いた曲をタブ譜に書いてみたら?」と。

是非、みなさんもやってみてください。簡単な曲でもなかなかできないものです。暗譜したと思う曲でも、「あれ?」というポイントがあるものですよ〜。

楽譜を見る→押さえるフレットが浮かぶ(同時に運指も浮かぶ)→押さえる…というプロセスが正確且つ迅速になっていけば、視奏力(楽譜を見てすぐに弾く能力)もアップします。そして、暗譜した曲でもこれをやってみると、記憶が抜けている部分がよくわかります。僕も本番前に電車の中などで、脳内タブ譜をやってみるのですが、浮かばないところがたーくさんあります。そして、焦る…楽譜を見てもう一度イメージを作る…という練習をしています。

慣れないうちは実際にタブ譜を書いた方がよいです。一日1小節でも、2小節でも…。地道にやっていけば、じょじょにスピードアップできます。塵もつもれば精神で是非やってみてくださいね〜。

この話題の関連しますが、11月の日曜ワークショップは「読譜力アップ」がテーマです。タブ譜法もより詳しく説明しますが、他にも読譜力アップのための秘策(方法)がいくつかありますので、まとめて紹介する予定です。

11月2日です。詳細はこちらのブログにて!