クラシックギタリストとして、「身体技法」に関して長く研究しています。
身体技法ってなんでしょう?...簡単に言えば「からだを道具として使う方法」です。もっと簡単に言えば「からだの使い方」となります。
池田光穂さんのホームページに身体技法に関する説明があります。(こちら)
この分野の第一人者マルセル・モースの定義を紹介しています。
以下引用いたします。
私はもちろんギタリストですから、ギター奏者の身体技法に興味があります。素晴らしい奏者には根本的に優れた身体技法があります。過去から現在まで、多くの歴史的に名を残してきたギタリストたちがいました。ソル、ジュリアーニ、タレガ、リョベート、セゴビア、レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサ、ジョン・ウィリアムズ、ジュリアン・ブリーム、アリリオ・ディアス、デヴィット・ラッセル、ゾーラン・ドゥキチ・・・彼らの奏法に対する考え方をずっと研究してきましたが、優れた奏者には優れた身体感覚があるのだと思います。
彼らの奏法を観察していると多くのことがわかってきます。とても合理的だなあ、と。ただし、表面に出ている「型」は奏者によって随分と違いがあるように見えます。何か共通したものを探すのはとても難しい。
共通したもの、そして、逆に共通していないものを探し当てるためには「身体技法」を観察するしかありません。身体の使い方を観察していくしかないのです。
4月12日に日曜ワークショップで右手のタッチの講座を行いました(講座内容はこちら)。10数名の参加の方がおり、私の門下ではない人、プロの奏者の方・・・いろいろな方がいました。
今回は右手の講座ではありましたが、正しい椅子の座り方、骨盤の配置の仕方、右手腕の構造から説明しました。どのように全身の骨が配置されているか理解し、実際にそれを感じながら弾いてみることで多くのヒントを得ることができます。
各自今まで習ってきた先生に言われたことなどを、自分の身体の中で確認していく作業を行えるようにサポートする形でのワークショップだったと思います。
こう弾かねばならない・・・というのではなく、指はこのような構造だから、こう動かしてみよう!とか、腕全体の重さを意識してそれを用いて弾いてみよう!・・・ということを少しずつ行っていきました。いろいろなトレーニングを行いました。
これらのトレーニングをじっくりと行っていけば、結果として巨匠たちの身体感覚と同じものになっていくと(私は)思います。
2時間半程度のワークショップだけで、なかなか感覚を掴めなかったひともいたことは否定できません。(実際の個人レッスンでも、すこしずつヒントを与えながら行っていきますので)
いままで数年間、視点を様々に変えて奏法のワークショップを行ってきましたが、毎回出席してくださる方は、どこかで「あ!これは!」という感覚を得て頂いてるようです。
現在、巷では様々な身体技法に関する情報があふれています。アレクサンダーテクニークや禅などの日本古来の身体技法に関する著作もちょっとしたブームです。
ですが、忘れてはならないのは、クラシックギタリストはクラシックギタリストが培ってきた身体技法があるということです。そして、それはとても合理的です。とはいっても、一般のひとから見れば「複雑で難解」に見えるものでもあります。
アマチュアの方には「こんな難しいことできない!」と見えることであっても、プロのひとたちは「このくらいはできるよね」とさらっとこなします。筋力があるから?・・・根性で身につけた?・・・そんなことはありません。
優れた奏者たちは、身体感覚を洗練させ、その上で「これなら楽にできる!」という感覚を磨いてきたのです。
そのヒントを与えるような奏法のワークショップにしていきたいと思っています。
次回は、5月10日(日)。テーマは「左手」を予定しています。クラシックギターを弾くための身体感覚を学びたい方は是非、出席してください。詳細な情報は後日「日曜ワークショップ」のブログにアップいたします。
身体技法ってなんでしょう?...簡単に言えば「からだを道具として使う方法」です。もっと簡単に言えば「からだの使い方」となります。
池田光穂さんのホームページに身体技法に関する説明があります。(こちら)
この分野の第一人者マルセル・モースの定義を紹介しています。
以下引用いたします。
身体技法とは、身体そのものを道具として、ある目的のために使うための方法のことである。マルセル・モース(Marcel Mauss, 1872-1950)は、身体技法が文化や歴史によって異なったり変化したりすることを初めて指摘した社会学者で、その例として、歩き方、水泳法、休憩の ポーズ、看護などのケアの仕方などについて議論をしている。目的に叶うために身体を道具に使うわけだから、どうしても人類共通のものではないかと私たちは 思いがちであるが、遠くからシルエットで見るとその違いにすぐ気づくようなもの[=言語で説明すると極めて冗長で質的な表現が多用される]。その違いの理 由はこの技が小さい頃から学習されることにあると考えられている。
モース、M., 1973 『社会学と人類学』有地亨ほか訳、東京:弘文堂(当該論文は、Les techniques du corps, Journal de Psychologie, XXXII, ne, 3-4, 15 mars - 15 avril 1936. Communication presentee a la Societe de Psychologie le 17 mai 1934.)
私はもちろんギタリストですから、ギター奏者の身体技法に興味があります。素晴らしい奏者には根本的に優れた身体技法があります。過去から現在まで、多くの歴史的に名を残してきたギタリストたちがいました。ソル、ジュリアーニ、タレガ、リョベート、セゴビア、レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサ、ジョン・ウィリアムズ、ジュリアン・ブリーム、アリリオ・ディアス、デヴィット・ラッセル、ゾーラン・ドゥキチ・・・彼らの奏法に対する考え方をずっと研究してきましたが、優れた奏者には優れた身体感覚があるのだと思います。
彼らの奏法を観察していると多くのことがわかってきます。とても合理的だなあ、と。ただし、表面に出ている「型」は奏者によって随分と違いがあるように見えます。何か共通したものを探すのはとても難しい。
共通したもの、そして、逆に共通していないものを探し当てるためには「身体技法」を観察するしかありません。身体の使い方を観察していくしかないのです。
4月12日に日曜ワークショップで右手のタッチの講座を行いました(講座内容はこちら)。10数名の参加の方がおり、私の門下ではない人、プロの奏者の方・・・いろいろな方がいました。
今回は右手の講座ではありましたが、正しい椅子の座り方、骨盤の配置の仕方、右手腕の構造から説明しました。どのように全身の骨が配置されているか理解し、実際にそれを感じながら弾いてみることで多くのヒントを得ることができます。
各自今まで習ってきた先生に言われたことなどを、自分の身体の中で確認していく作業を行えるようにサポートする形でのワークショップだったと思います。
こう弾かねばならない・・・というのではなく、指はこのような構造だから、こう動かしてみよう!とか、腕全体の重さを意識してそれを用いて弾いてみよう!・・・ということを少しずつ行っていきました。いろいろなトレーニングを行いました。
これらのトレーニングをじっくりと行っていけば、結果として巨匠たちの身体感覚と同じものになっていくと(私は)思います。
2時間半程度のワークショップだけで、なかなか感覚を掴めなかったひともいたことは否定できません。(実際の個人レッスンでも、すこしずつヒントを与えながら行っていきますので)
いままで数年間、視点を様々に変えて奏法のワークショップを行ってきましたが、毎回出席してくださる方は、どこかで「あ!これは!」という感覚を得て頂いてるようです。
現在、巷では様々な身体技法に関する情報があふれています。アレクサンダーテクニークや禅などの日本古来の身体技法に関する著作もちょっとしたブームです。
ですが、忘れてはならないのは、クラシックギタリストはクラシックギタリストが培ってきた身体技法があるということです。そして、それはとても合理的です。とはいっても、一般のひとから見れば「複雑で難解」に見えるものでもあります。
アマチュアの方には「こんな難しいことできない!」と見えることであっても、プロのひとたちは「このくらいはできるよね」とさらっとこなします。筋力があるから?・・・根性で身につけた?・・・そんなことはありません。
優れた奏者たちは、身体感覚を洗練させ、その上で「これなら楽にできる!」という感覚を磨いてきたのです。
そのヒントを与えるような奏法のワークショップにしていきたいと思っています。
次回は、5月10日(日)。テーマは「左手」を予定しています。クラシックギターを弾くための身体感覚を学びたい方は是非、出席してください。詳細な情報は後日「日曜ワークショップ」のブログにアップいたします。
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