1:カルカッシのエチュード、1番〜5番までひたすらくりかえしても意味がある。それぞれに練習の意図がはっきりとしているので。

2:4指、小指=尺骨のラインを意識することはとても大切。

3:ガイドフィンガー不要論…唱える人はおそらく体幹〜腕〜指さきの「ライン」の意識が足りない。これがつながってくると、ガイドフィンガーが楽にできる。楽にできない=腕で押さえていない。

4: 半音上行による解決。古典での常套句。正しい音楽的な文法を身につけているかどうかは、このあたりの処理の仕方を聞けば分かる。

5:瑣末な問題に執着することによって、音楽的な上達が妨げられる。耳を開いて、心を開いて。

6:トレモロにせよ、早いアルペジオにせよ、上達のためには右手の癖を掴むことが大切である。 

7:次にこの和音を押さえられるな…と思ったら次の和音を押さえにいくこと。指の動きや腕の動きを「言語化」できると理想である。

8:メトロノームに合わせて、ぴったりと正確に弾けること。フレーズは全体の時間枠、小節内の時間枠を体感するためにはこの練習をしてもらうしかない。この時間枠ができてから、その中で早めにいったり、遅めに打点を合わせにいったり…自由にフレーズを操ることができる。

9:ブローウェル、シンプルエチュード13番。重音リガードの練習。12,23,34・・・以外に23が「まとまりをもっている」と感じるはず。逆に12はばらける。指の独立具合が12はしっかりとしている。34は実は4の独立度が高い。なので、実は23が一番「ブロック」として感じられるはず。

10:各指の癖を把握するためには、たくさんのエチュードをこなすことが肝要。

11:タブ譜を用いた「指の準備」の確認作業…ひさびさにやったが、生徒さん忘れてしまっていた。脳内でこの作業ができるようになるにはある程度の訓練期間がいる。一曲のなかで、一部分くらいは毎週やってみると効果を実感できる。

12: ゆっくり弾くことを恐れないこと。恥ずかしがらないこと。ゆっくり弾く=初心者っぽいと考える思考回路こそ、ナンセンス。

13:エネルギーを加えたら、その余力で弾ききる(歌い切る)、、、という感覚は大切。逆にエネルギーを溜めながら、最後に弾ききる(歌い切る)という感覚も大切。

14:ソルOp.31のソルの意図を考えると、非常に順番が美しい。ひとつひとつ音楽の語法をクリアしているように配置されているように感じる。

15:カルッリで音楽の語法を学ぶ。その音楽美を感じることで、古典の「古典らしさ」を感じることが可能。ソル、アグアド、ジュリアーニなどのロマン派への志向を感じるよりもカルッリあたりで古典らしさを体験することは意味のあることだ。

16:ラテンアメリカの音楽を考える場合に重要なのは「どの時代から本国ヨーロッパとの関係を絶ったか」ということである。音楽史、ギター史の知識がないと重要なポイントを見失う場合もある。

17:コンクールに通りたい場合。とにかく減点を避ける演奏を。個性や卓越した技術は実は必要ない。演奏がある意味で可も不可もない…というよりは「不可がない」という状態であれば、実はコンクールでは生き残れる。

18:クレッシェンドの開始点の音量をしっかりと計算すること。

19:一度表現は濃厚すぎるくらいにつけてみるとよいのかも。日本人にはそのくらいでちょうどよい。

20:あるフレーズが縮小した形で出てきてスケール的なパッセージにつながっていくことがある。そのことに気付けるようになること。想像以上にこのパターンが多い。