3月9日、祖師ヶ谷大蔵・mettaでのAcoustic Ladyland Live vol.51。ご来場くださった皆さま、本当にありがとうございました。
以前から気になっていたmettaに、ようやく出演することができました。
ウルトラマン商店街の中にあるこの場所は、街の延長線上にそのまま音楽があるような、不思議な距離感を持っています。ステージと客席が分かれているようでいて、実はほとんど地続きで、音も気配もそのまま行き来する。あの空間で演奏できたこと自体が、ひとつの経験だったように思います。
今回のセットリストは、いわば“アラカルト”。
ジャンルも時代もバラバラな楽曲をあえて並べ、その都度まったく違う風景を立ち上げていく構成でした。「Adio Querida」や「Water is wide」といったスタンダードから、「Bark at the moon」まで同じテーブルに載せてしまう。その中に「ミヤラビの祈り」や「三月のうた」、「Woman」など、それぞれ異なる時間や温度を持った曲が混在する。まとまりを作るというよりも、その瞬間ごとに何を選び、どう関わるかが問われ続けるようなセットでした。
簡単ではない分、一曲ごとに自分の立ち位置を確認するような感覚がありました。歌とギターの関係も、寄り添うだけではなく、ときに距離を取り、ときにぶつかりながら、その場で選び続けていく。その積み重ねが、そのままこのユニットの輪郭になっていくのだと思います。
終演後、mettaのオーナー大須賀さんが店内のスクリーンで「ザ・スターリン」のメジャーデビュー前の映像を流してくれました。とても印象的だったのは、ヴォーカルの遠藤ミチロウさんの放っている熱量に、客席がまったく追いついていないことでした。むしろ少し怖がっているようにも見える。その距離感が、逆に強烈でした。
ステージ上には、ミチロウさんとバックのメンバーの中にだけ確かに存在している“表現衝動”のようなものがある。それが観客と共有されているというより、むしろ断絶したまま成立している。その状態が、そのまま音楽として成立してしまっていることに驚かされました。
いわゆる一体感とはまったく別の場所にあるライブ。それでも成立しているどころか、むしろその緊張関係そのものが音楽の核になっているように感じられました。ライブを終えたばかりの身体に、その光景がそのまま差し込んできたような感覚がありました。
自分たちのやっていることはジャンルも手法も違いますが、「いまこの瞬間に何を鳴らしているのか」という問いに対して、またひとつ別の角度から考えさせられた夜でもありました。「Welcome to a New Chapter」という言葉が、少し現実味を帯びてきた気もします。
またmettaで音を出せる機会があれば嬉しいですし、この空間はぜひ一度体験していただきたい場所です。
そして次回のライブです。
2026年5月22日(金)
代々木アルティカセブン
開場18:30 / 開演19:00
Charge \3,000(+2Drink)

