YouTubeで公開している「プロの譜読み First Take」シリーズ、佐藤弘和さんの《風が運んだ4つの歌》の譜読み動画が、ひとまず全曲分揃っております。

あくまでもファーストテイク。今はもっと深掘りしているところです。

今回取り上げたのは、佐藤弘和さんのギターデュオ作品《風が運んだ4つの歌》。

このシリーズでは、完成された演奏をお届けするというよりも、僕自身が楽譜を読みながら、音楽の形を探っていく過程をそのまま記録しちゃってます。

つまり、「演奏動画」というよりは、譜読みの現場を見てもらう動画です。楽譜を前にしたとき、まず何を見るのか…そのあたりを記録に残したかった。


ただし不思議なことに最初に譜面を読んだ時の直感は、弾き込んでいった後も残るものです。

今回の《風が運んだ4つの歌》は、曲ごとに譜読みのポイントがかなり違いました。

たとえば、デュオ作品ならではの難しさとして、自分のパートだけを見ていても和声の全体像が見えてこない場面があります。相手のパートと重なって、初めて響きの色がわかる。そのために僕の秘密兵器「ICレコーダー」も登場します。

また、第3曲「花の香にのせて」では、後半まで読んでいくことで、作品の中に何度も現れるモチーフや、よく使われる音程が見えてきました。最初は何気なく見えていた音の動きが、曲全体を見渡すと、実は作品の雰囲気を作る大切な要素だったりするものです。

第4曲「熱風の中で」では、リズムの捉え方が大きなテーマになりました。前半ではリズムをどう感じるか。後半では複合したリズムをどう整理するか。単に拍を数えるだけではなく、そのリズムがどんな推進力を生み出しているのかを探流。

佐藤弘和さんという作曲家の語法にも意識して、「ファーストテイク」しました。これはやはり最初に見た時の「直感」を大切にしないと見えてこない。でも、この直感は佐藤弘和さんの作品をたくさん弾いてみないとわからないものです。

この譜読み動画は、完成された模範演奏ではありません。

むしろ、迷ったり、確認したり、考え直したりしている部分も含めて見てもらう動画です。そして、僕の直感を探すのも面白いかもしれません。

クラシックギターを学んでいる方にとっては、「プロは譜読みのときに、こういうところを見ているのか」
「最初から完璧に弾くのではなく、こうやって音楽を探していくのか」という視点で見てもらえるとためになるかも。

譜読み(特にファーストテイクでは)とは音楽の手がかりを探す作業です。音を拾っていくことだけが大切じゃない。



今回のシリーズが、ギターを弾く方、佐藤弘和さんの作品に興味のある方、そして譜読みの考え方を深めたい方にとって、何かのヒントになるいいなあ。

なお、2026年7月15日(火)に開催する「富川勝智 Birthday Concert」では、この《風が運んだ4つの歌》を演奏予定です。

譜読みの段階で見えてきたものが、実際のステージでどのような音楽になっていくのか。

そのあたりも楽しみにしていただければと思います。

コンサート詳細はこちら
https://tomikawaguitar.sakura.ne.jp/wp/2026/06/01/%e5%af%8c%e5%b7%9d%e5%8b%9d%e6%99%ba-birthday-concert-%e9%96%8b%e5%82%ac%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b/