今回のタイトルは、「テクニックノートは何を学ぶ本だったのか?(まとめ前編)」です。
ここまで34回にわたって、『ギターテクニックノート』に収められている練習をひとつずつ見てきました。
そして第35回からは、いよいよこの3年間の連載の「まとめ」に入ります。
今回あらためて考えてみたのは、そもそも、この本から何を学んできたのだろう?ということ。
音出し、スケール、アルペジオ、トレモロ、スラー、セーハ、和音の移動、ハイポジション……。
もちろん、それぞれのテクニックを身につけるための練習ではあります。
でも、3年間この本と付き合ってきて感じるのは、単に「指を動かすための練習帳」ではないんですよね。
むしろ大切なのは、「なぜうまくいかないのか?」「身体の中では何が起きているのか?」「どの部分を変えれば弾きやすくなるのか?」ということを、自分で観察し、考える習慣を身につけること。
テクニックノートはとても「無口な本」。
細かい身体の使い方を全部説明してくれるわけではありません。
だからこそ、この連載ではその空白を埋めるように、僕自身がこれまでギターを弾いたり教えたりする中で考えてきたことを、できるだけ言葉にしてきました。
振り返ってみると、この「身体でなんとなく分かっていることを言語化する」という作業こそ、僕自身にとってもこの連載の大きな収穫だったように思います。
そして、このテーマについてはnoteにも少し詳しく書きました。
「弾けない」「指が届かない」「セーハが鳴らない」といった漠然とした問題を、そのままにしない。
身体の状態や指の動きをいくつかの要素に分け、言葉を与え、観察できるようにする。
僕はこれを奏法の「抽象化」と考えています。
「ハコ」「準備」「戻し」「音価」「押弦」「離弦」「腕の重さ」「接点」「身体配置」……。
この3年間の講座では、こうした言葉をたくさん使ってきました。でも、用語を覚えること自体が目的ではありません。
言葉を持つことで、自分の演奏を観察できるようになる→観察できれば、「なぜ弾けないのか」を考えることができる→そこから初めて練習方法を変えることができる。
このプロセスが大事なのです。
第35回の動画とnoteの記事、ぜひ合わせて見ていただければと思います。
現代ギター誌で3年間続けてきた「テクニックノート講座」も、ついに最後のまとめです。
ここまで付き合ってきた『テクニックノート』から、最後に何を取り出すことができるのか。
もう少しだけ、お付き合いください!
