ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

レッスン覚書ミニ

2019.8 新サイトOPEN!
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教えて、思いつくこと。そして断片

土曜日。おかげさまでたくさんの生徒さんでレッスンが埋まっている。

朝9時からほぼ12時間、満席である。欠席がいればその時間が「休憩」になる。実は昔は正午過ぎからしかレッスンをいれていなかった。そして絶対に18時に終えるようにしていた。10年くらい前の話である。

その時は日曜日以外は毎日午前から夜までたくさんの生徒を教えていた。で、40才を迎えたあたりで、少しレッスンの仕事を整理した。渋谷の自分の教室でレッスンをする日は週に三日だけと決めたのだ。

だけど、どうしても僕に習いたいと言う人がいて、土曜日もじわじわと前後が埋め立てられてきて、現在に至る・・・と言う感じ。

まあ、いいかー、とは思っている。

とはいえ、教えるのは好きだ。現場でしか生まれない言葉やアイデアがある。そういえば、昔、このブログでレッスン覚書っていうのをつけていたなあーと。やはり数を教えなきゃ生まれないノウハウやレッスン現場でのアイデアってあるのだ。

久しぶりに綴ってみよう。

1:手首のアングルは柔軟に考えること。まっすぐが基本だが、まっすぐに固めようとしてはだめ。
2:カルカッシ。そのままで残ってしまう音は他の部分との整合性を考えること。
3:セゴビアのmとaの使い分け。アポヤンドは音価維持の意識を保つことにも役立つ
4:マチネの終わりに。ポジショニング重要。冒頭のmpの表現にはニュートラルさが必要。音楽は冒頭の三拍目から動き出す(そう言う風に弾いている人を聴いたことはないけど、そうしないと不安定な4拍子となる)
5:ルネッサンスのリュート曲においては即興的な部分でディミニューションの知識が必要。101匹ワンチャンと101匹狼の「101匹」を見つけることがとっても大切。
6:武満編12の歌。和声だけ抜き出して力関係を見つける。
7:グリップ感覚。山下達郎氏のギター演奏にヒントがある。
8:拍の分割はとにかく歌って身につけましょう
9:宿題が足りなかったって?小学生は元気だなあw
10:フレーズは音域を考えましょう。音域が高ければエネルギー量が必要なのだ。
11:古典の対比的なフレーズの中にも、接続する感覚は必要ではある。
12:南のソナティネ。3楽章。全てをきちんと4分の3でとること。そのことでヘミオラが生きる。
13:右指それぞれは連動している。その中で各指の独立の意識を高めることが大切。独立して動かそうとすると他の指が抵抗しようとして緊張をうむ場合がある。
14:カスティーリャ組曲。ダンサ。これもひたすらに8分の3拍子を意識して弾くこと。そのことによってスペイン的なグルーブが浮かび上がる。
15:猫背になると肩甲骨が浮き上がる。そして小指押弦が緩くなる。しっかりと肩甲骨を下げて尺骨側の意識を高めるべし。
16:ポジショニングのためには押さえていく練習よりも、「指を離していく」練習を先にやると安定する。

かるーく書きましたが、こんな感じ。

これだけじゃわからないことも読んでいる方にはあるでしょうねえー。でも、僕にはわかるんですよ。

割と書いてみたら結構楽しかったなw

また気が向いた時に書いてみます。

で、今土曜日のレッスンはまだオンラインレッスンも4分の1くらい残っているので、こんな感じでPCおいたり、飛沫防止セットおいたりしながら、やっております。

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こう見ると、割と変な形の楽器多いですね(全て仕事道具!)

さて、明日は日曜ワークショップ。久々だけど、誰かきてくれるのかしら???


レッスン覚書ミニ〜2016年9月23日〜28日

さて、覚書です。

1:メロディーのコアとなるものは「短い+長い」でひとまりまりを作る。

2:ソルOp.35-16。八分休符と四分音符の音価を正確に守ることが大切。 

3:ゆっくりと練習する。最初はインテンポでなくてよい。「どの時点で左右両手がなにをやるのか?」を確認しながら練習すること。

4:表現のイメージを大切にすること。それは触感であったり、嗅覚だったりする。ビロードの手触りを音で表現できるか?…プールの中の水を押しながら歩いていく感覚をテンポ感で表現できるか…それが結果としてAgogikとなる。最初から「この音符はピアノだね」「ここはリタルダンド」というわけではない。表情記号や音量変化速度変化はあくまでも「結果」である。 

5:音叉で調弦できたほうがよい。電池がなくても調弦できる方法をしっておくことは大切。

6:二声の曲はまずはそれぞれの声部を対等に。音量、音質、まったく同じ人間が二名いるかのように練習する。そこからそれぞれの人格を作っていく。ギターの場合の二声は右手指の「癖」が出てしまうことが多いから、このプロセスをたどるとよい。

7:アランブラ宮殿のトレモロ。p-a-m-i。a-m-iにむかってクレッシェンドをかけていくと拍をまたぐノリがでてくる。

8:ピッチ。SMAPの中居くんとキムタクは実はどちらも音痴。キムタクのほうが若干上手そうに聴こえるのは「フラット」しているから。音程をあてていくのは下からいくほうが上手く聴こえる。ギター演奏においてピッチ調整は「上ずる」ことが多いので注意。中居くんにならないようにね。 

9:「ギタリストの左手指はバレーダンサーの足と一緒である」と言ったのはペペ・ロメロ。踊るときの体重移動と一緒であり、完全に全ての足(指は4本なので4本足と仮定しよう)が指板から離れることはない。片方の足から次の足に重心を移しながら…というイメージで押弦と離弦のアクションを考えることが大切なのである。 

10:ヴィラ=ロボス練習曲1番。pを一振りで。アルペジオp-i-p-i-p-mの部分のpをアポヤンドで、且つアクションを一振りで。スピードアップのコツ。

11:カルカッシ25の13番。メロディーが低音部から内声へ移行していく部分。移行しました!っていう部分を印象的に。

12:自分の中に指揮者をもつことと。小沢征爾だろうが、クナだろうが、カラヤンだろうが、フルトベングラーだろうが…誰でもよい。良い指揮者を育てるつもりで音楽表現を操ろう。 

レッスン覚書ミニ〜2010年10月19日〜21日

  1. カントリーグリップの発想で押弦すると手首の関節と腕とのリンクが途切れない場合が多い。その場合でも左手親指の位置を微調整すること、そして、指の曲げ具合など各人の体格に合わせた指導が必要ではあるが。
  2. アメリアの遺言。和音を押さえるところで腕の重心を意識する。もちろん体の中心線を意識するように。正しく身体を位置させること。
  3. 盗賊の歌。原曲をしらないと、あの「ほうりなげるような歌いまわし」は再現できないし、リズムを間違うことになる。正しくスペイン民謡のリズム感で弾けている人はほとんど日本人でみたことがない。(注:日本に戻ってきてからね)
  4. 盗賊の歌。そのアーティキュレーションは正確に楽譜に書き込んである。各スラーの意味をしっかりと考えることで、だいぶ「本来のリズム」が再現できるはず。
  5. パガニーニ。ちゃんと楽譜を読むことで、いろいろなアイデアがでるはず。機械的に弾いたらロマン派にならない。レガートとスタッカートもしっかりと弾きわけること。立体感のある構成にすることが大切。あとキーワードとなる音(何回もでてくる音)にも意味を持たせること。
  6. 弾き始めるまえに「どのような場合でも」テンポ設定を自分の中で済ませること。
  7. トリーハ。美しい曲。和音はきりっとした音色でやったほうが、各音の分離が可能となる。柔らかい音は和音の各音の粒立ちを殺す。名器であれば、これは柔らかろうが硬かろうが、声部の分離が比較的実現しやすい傾向にはあるが。
  8. 音色の変化は右手のアングルによるところが大きい。弾弦位置がブリッジよりでも、まろやかな音はでる。音色は、アングル+弾弦位置によって無限のバリエーションが得られる。
  9. 音高が高い音ほとエネルギー量が多い。音量が大きいほうがエネルギー量が多い。フォルテアのワルツの連続するレの低音はPのタッチによる音量コントロールの練習に最適である。こういう風にどのような曲でもその生徒の欠点を補強するように利用できるのが、教育者の腕。
  10. だから、先日述べたように「まったく基礎から習いたい!」といっても、僕はその生徒が今までやってきた楽曲のなかでしばらく様子を見ることにしている。同じ曲を習っていても、教える側の手腕で、まったく違う様相を見せるのが曲というものだ。そこから生徒が今までの自分のテクニックや音楽観を再検討し、新しいディレクションに向かおうとする姿を見たいと思ってレッスンしている。
  11. そのディレクションに気づいたとき、まったくその生徒さんがやったことがない曲やメソッドで再確認していくことはある。
  12. アナクルーズ、デジナンス。頂点。車のドライビングに似ている。完全停止は楽曲の最後だけ。「あ、信号だ!」と思ってブレーキを軽く踏む。これがデジナンスのお尻のほう。さて、快調に60キロまでアクセルふかすかーと思って、60キロちょいでてしまうのがアナクルーズから頂点。でも、楽曲全体は平均60キロで。ブレーキ踏みすぎると、ある部分だけ40キロとかになってしまって、後ろの車からクラクションならされますよ。
  13. ヘンツェのノクターン。かなりゆっくり弾いてもフレーズ感が明確ならば、ちゃんと曲になります。
  14. 生徒に左手だけ弾かせる。私が右手。左手だけでもイメージがしっかりと作れるように。暗譜の確認。
  15. ヴィラ=ロボス。エチュード4番。リタルダンドとアラルガンドの表記の違い、ニュアンスの違いをチェック。ヒントは前後にある。グランジオーソのイメージもしっかりとつくること。アクセント後の音色の変化をしっかりとつけるべし。
  16. カルッリ45の17番。八分音符の音価をしっかりととる。ゆっくりとしたテンポで表現をつくる。全体のテンポ感をイメージするためにメトロノーム聴きながら練習すること。どの点でジャストに合うか?・・・ということを意識して練習すべし。アナクルーズの部分、デジナンスの部分をしっかりと定め、頂点にむかって「しっかりと向かっていくこと」。慌ててはいけない。慌てるとテンポが乱れる。
  17. ヴィラ=ロボス、プレリュード5番。中間部。音程に気をつける。3度以上の音程は基本的に「跳躍」とみなす。エネルギー量が高い。それを消化するための音の処理に気をつける。

 


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レッスン覚書ミニ〜2010年10月15日〜18日

  1. やはり鈴木巌先生の教本は量的に充実している点と選曲がすばらしい。
  2. わかったふりが一番怖い・・・ということを、知っているのは上級者だ。
  3. 生活の中にしっかりと「自分とギターとの時間」を確保することがアマチュアにとってもっとも大切なことであるが、家の中だけでなく、外部にもつながっていこうという意識が大切だ。
  4. ポジションをしっかりと安定させて、各指を独立させる。動かす指のもの以外のものはフレット上にキープする。実際は1から4まで同弦状にあるのは半音階くらいであるから、さまざまなヴァリエーションを平行フォームをできるだけ維持したままトレーニングすることが大切である。
  5. フェルマータに意識をとられすぎて、拍感を失ってしまうのは危険。まずは拍節感ありき。その後にフェルマータのニュアンスを加えていくほうが、スムーズな音楽の流れは失わないですむ。
  6. アランブラ。トレモロの曲というのは、極端に速く弾くか、極端に遅く弾くかの対極になりがち。この両者のテクニックの兼ね合いを図っていくことがとても大切だ。
  7. ミスをした部分の理由が「音楽的な」場合がある。この場合必要となってくるのは音程感と運指との連動の場合が多い。とても大切なことである。
  8. バリオス。森に夢見る。冒頭部分はリズミックアクセントに注意する。そうすることで「歌うようなライン」が自然に表出してくる。
  9. 変奏の違いはリズムにある場合が多い。そのリズムの特徴を活かして、表現をつけていくこと。
  10. ソル、フォリア変奏。第3変奏。メロディーがアウフタクト的であるか、ないか・・・は伴奏部分を詳細に分析してくると自ずとわかってくる。
  11. リンゼイ。タレガとほぼ同世代ということがわかると、表現のアプローチがわかるはず。タレガ奏法をしるためには弟子が書いた教本と弟子の録音スタイルなどから推察していくしかない。タレガ奏法にはその当時の表現アプローチの傾向が盛り込まれている。
  12. スコットランド民謡変奏。ソル。7連符は3と4に分ける。
  13. 他の教室から来た生徒さん。ほんとうに技術的なことを「理論的に」説明できる先生って少ないのだなと思う。理論的なことを意図的に説明せず、生徒の発見を待つ・・・というのではなく、おそらくまったく理屈がないのだろうなあ、、と。そういう先生に就いた生徒は不幸である。
  14. 本当にその人の中に「言葉」がある教師であれば、「音楽家は音で語る」という資格はある。しかし、「音楽を言葉で語ることはペテンだ」と断言している音楽教師の中には、ほんとうに「何も考えていない」人も多い。注意すべし(これから誰かに就いて習おうとしている人は特にね)。
  15. 打点の着地の感覚は、いろいろな言葉で表せる。「寝ている赤ちゃんを他の人から受け取るようにね!」という表現で生徒さんの一拍目の「きつさ」が非常にソフトになる。これが「言葉」の力である。
  16. 音楽のリズム感というのは最終的に身体感覚である。運動能力とは別の次元かな?。どちらかというと想像力に近い。
  17. 生徒の演奏の音を無心に聴くだけのレッスンというのも、たまにある。
  18. その曲の一番難しい部分を弾けるテンポで全体を通すこと。けっこう大事。そして忘れがち。

 


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レッスン覚書ミニ 2010年10月12日〜14日


  1. フォルテアのワルツは半音階の左手の基礎ポジション習得には非常に有益。特に1弦上での平行フォームの習得と重要性の理解のためには素晴らしい練習曲となる。
  2. 右手a指。よほど特殊なフォームでない限り、他の指よりもブリッジよりに位置するので、フレーズ内で音色と音圧のバランスに気をつける。
  3.  バッハ。同音小節線またぎのアーティキュレーション。スタッカート+テヌート(アクセント)が基本であるが、それがチェンバロの機能性から由来するということは周知の事実である。しかし、それをバッハが望んだかどうかは根拠があるのだろうか?
  4. トローバ。マドローニョス。スペインの三連符の歌いまわしにはいくつかの鉄板のアクセント付けのルールがある。それをしらないと危険。
  5. トローバのギター作品を弾くのであれば、トローバ指揮のサルスエラ演奏の録音は是非参照すべし。
  6. リンフォルツァンドのニュアンスをしっかりと掴んでいる人は非常に少ない。ギターであれば、カルカッシの25のエチュードにその好例が見られる。研究すべし。このあたりはデータの蓄積&検証が必要である。
  7. 左手ポジション移動時に無意識のアクセントをつけるのを避ける。フレージング、グルーピングをしっかりと施したのであれば、あとは基本は「棒読み」である。そこから、表現をつけていく。技術から音楽表現への橋渡しをしっかりとするべし。
  8. 古典の楽曲における版による音価の違いはよくある。しかし、「そういう風に言われたから」変えるのではなく、そこにしっかりとした理由付けを行うべし。作曲者の立場になって変更、修正を行わなければ、ただの権威主義に陥る。
  9. 左手の準備。そのためには、しかるべき弦上で、指が待機する(準備する)トレーニングが必要。力ではないコントロールである。基本は平行フォーム。なんだかんだいっても指の独立は押弦の正確さを実現するためには必要。
  10. 基礎練習はやはりやっておくべき。楽曲の中だけでは基礎練習は完結しない。さまざまなパターンを知っておくことで、楽曲の中の難所の克服方法を見つけ出すことができる。
  11. 暗譜のコツはある程度のストーリーを作ること。場面ごと、そして細部を検討。細部はしっかりとした連携を伴って、場面へとつながっていく。それはシナリオにも似ている。
  12. ヴィラ=ロボス。プレリュード5番。和音の音すべてを鳴らすこと。あわてて先にいかぬこと。和音の色彩感をしっかりと出すことがこの曲の魅力のひとつ。最初和音で鳴らすことが難しいのであれば、アルペジオ風にばらして「すべての音」を聴くこと。それもポイント。
  13. 腕の重心。それを理解するためには自分の身体の重心をしっかりと構築すること。背骨全体を意識して、お尻のもっと下に「地球の中心」を感じる。そうしなければ、腕の重心は感じることができない。腕の重さで押さえる=重力を感じること、である。


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