さてさて秋の繁忙期（演奏会ね）が一区切りして、今は原稿書いたり生徒さんをレッスンしたり、ただただ練習したり…あとは東京国際ギターコンクールの準備をしたり、来年以降のギター連盟の事業の下準備をしたり…結局やることいっぱいあるじゃーん！という「こっそり秋の繁忙期」（第三期）を過ごしております。
12/4に関西にて「ギター名曲コンサート」に出演いたしました。
選曲する際に「名曲かあー！そういうのを選ぶとなると…タレガとかソルとかそういう曲になるのかなあ」と考えましたが、結局、A.セゴビアの作曲作品を選びました。以下三曲。
光のない練習曲
プレリュード2番
練習曲「祈り」
ああー、地味だー。でも、いずれも大好きな曲なのです。多分、「プレリュード2番」は日本初演だと思います。最近発見されたプレリュード集がありまして、コロナ自粛期間中に全プレリュード弾いてみました。その中でこの2番はいいなあーと。シシリアーナ風の楽曲で、セゴビアのアンニュイさが全開。
光のない練習曲はセゴビア作曲の楽曲の中では傑作です。そして、「祈り」はなんと言ってもセゴビアの盟友であり最も信頼していた作曲家の一人であったポンセに捧げられています。ポンセの楽曲のモチーフが出てきて、セゴビアの作曲技法の妙技も見てとれる。
まあ、こんな感じで実はここ数年「セゴビアの作曲作品からセゴビアの嗜好を分析する」というのをやっているのです。個人的な研究テーマです。これがわかってくるとセゴビアがエディットした他の作曲家の作品の処理の仕方が割とわかってきます。ポンセとかテデスコなど作曲家が書いたものを割と大胆にエディットしてしまうのがセゴビア流なのですが、その基準がわかるのです。
最近は、セゴビアの編曲法にもちょっと好奇心が出てきて、昨日はグルックを練習してました。ちょっとためしに録画してみたのですが、「ああ、そういえば、このアレンジも最近弾く人ほとんどいないなあ」と思ってYouTubeにアップしました。
このアレンジもやはり「セゴビア流」の独特なものがあります。とにかくポジションの使い方が上手い！ギターのよくなるポイントがはっきりとわかる。でも割と弾きにくいですw
この辺りがやはりもしかしたら現代のクラシックギター作品が忘れてしまっている「ギターらしさ」なのかもしれませんね。
リョベートとカルカッシ。最近はこのあたりの関係がよーくわかってきました。
実は先日、スペインギターフェスタ秋の祭典にてギター史のワークショップを行いました。クイズ形式でやっていったのですが、こんな質問を。
この問いが結構みんな難しかったらしく、ソルよりも前にカルカッシが生まれていると勘違いしている人が多かったようです。確かになーんとなくカルカッシってパッとした印象だと”大したことない”楽曲やエチュードが多そうに見えます。だからソルより先輩！…って思ってしまうわけですね。
でも、Op.59やOp.60のエチュード群をしっかりと分析してみると、実はタレガ以降の楽曲に顕著になっていく作曲哲学が隠れていることに気づけるはずです。その意味ではソルの方が保守的。ポリフォニックに綺麗にまとまっていますが、カルカッシの方が当時としてはモダンな作曲技法とギターの機能性を巧みに用いていることがわかるのです。
だからこそ、リョベートは弟子の教育にOp.60を使っていたわけです。有名な「25のエチュード」ですね。この観点がわかってくるとカルカッシ25のエチュードはタレガやリョベート作品演奏への橋渡しになるのです。
最近、レッスンしていてますますこの感覚がわかってきました。細かくは書きませんが、そういう観点を持つと一気にカルカッシ作品の見方が変わってきます。
まあ、そんなこんなでギター研究や練習もしつつ、原稿書いたり、来年の準備したり、やっております。
そういえば、リョベートといえば、中林奏太君がバルセロナの「ミゲル・リョベート国際ギターコンクール」で優勝しましたねー！すごーい！
2014年に僕の弟子の林祥太郎くんが2位まではいきました。懐かしいなあー！
中林くんも留学行く前（東隆幸くんのお弟子さんですので）も僕がスペイン行った際も会いましたが、すごい成長具合。
まだまだ日本人クラシックギター奏者も捨てたもんじゃないなあーと思います。そして、やはり若い世代には頑張ってほしいなあーと。
12/4に関西にて「ギター名曲コンサート」に出演いたしました。
選曲する際に「名曲かあー！そういうのを選ぶとなると…タレガとかソルとかそういう曲になるのかなあ」と考えましたが、結局、A.セゴビアの作曲作品を選びました。以下三曲。
光のない練習曲
プレリュード2番
練習曲「祈り」
ああー、地味だー。でも、いずれも大好きな曲なのです。多分、「プレリュード2番」は日本初演だと思います。最近発見されたプレリュード集がありまして、コロナ自粛期間中に全プレリュード弾いてみました。その中でこの2番はいいなあーと。シシリアーナ風の楽曲で、セゴビアのアンニュイさが全開。
光のない練習曲はセゴビア作曲の楽曲の中では傑作です。そして、「祈り」はなんと言ってもセゴビアの盟友であり最も信頼していた作曲家の一人であったポンセに捧げられています。ポンセの楽曲のモチーフが出てきて、セゴビアの作曲技法の妙技も見てとれる。
まあ、こんな感じで実はここ数年「セゴビアの作曲作品からセゴビアの嗜好を分析する」というのをやっているのです。個人的な研究テーマです。これがわかってくるとセゴビアがエディットした他の作曲家の作品の処理の仕方が割とわかってきます。ポンセとかテデスコなど作曲家が書いたものを割と大胆にエディットしてしまうのがセゴビア流なのですが、その基準がわかるのです。
最近は、セゴビアの編曲法にもちょっと好奇心が出てきて、昨日はグルックを練習してました。ちょっとためしに録画してみたのですが、「ああ、そういえば、このアレンジも最近弾く人ほとんどいないなあ」と思ってYouTubeにアップしました。
このアレンジもやはり「セゴビア流」の独特なものがあります。とにかくポジションの使い方が上手い！ギターのよくなるポイントがはっきりとわかる。でも割と弾きにくいですw
この辺りがやはりもしかしたら現代のクラシックギター作品が忘れてしまっている「ギターらしさ」なのかもしれませんね。
リョベートとカルカッシ。最近はこのあたりの関係がよーくわかってきました。
実は先日、スペインギターフェスタ秋の祭典にてギター史のワークショップを行いました。クイズ形式でやっていったのですが、こんな質問を。
問4:以下の人物を生まれが早い順に並べよ
��M.リョベート ��J.アルカス ��M.カルカッシ ��F.ソル ��F.タレガ
（ ）→（ ）→（ ）→（ ）→（ ）
この問いが結構みんな難しかったらしく、ソルよりも前にカルカッシが生まれていると勘違いしている人が多かったようです。確かになーんとなくカルカッシってパッとした印象だと”大したことない”楽曲やエチュードが多そうに見えます。だからソルより先輩！…って思ってしまうわけですね。
でも、Op.59やOp.60のエチュード群をしっかりと分析してみると、実はタレガ以降の楽曲に顕著になっていく作曲哲学が隠れていることに気づけるはずです。その意味ではソルの方が保守的。ポリフォニックに綺麗にまとまっていますが、カルカッシの方が当時としてはモダンな作曲技法とギターの機能性を巧みに用いていることがわかるのです。
だからこそ、リョベートは弟子の教育にOp.60を使っていたわけです。有名な「25のエチュード」ですね。この観点がわかってくるとカルカッシ25のエチュードはタレガやリョベート作品演奏への橋渡しになるのです。
最近、レッスンしていてますますこの感覚がわかってきました。細かくは書きませんが、そういう観点を持つと一気にカルカッシ作品の見方が変わってきます。
まあ、そんなこんなでギター研究や練習もしつつ、原稿書いたり、来年の準備したり、やっております。
そういえば、リョベートといえば、中林奏太君がバルセロナの「ミゲル・リョベート国際ギターコンクール」で優勝しましたねー！すごーい！
2014年に僕の弟子の林祥太郎くんが2位まではいきました。懐かしいなあー！
中林くんも留学行く前（東隆幸くんのお弟子さんですので）も僕がスペイン行った際も会いましたが、すごい成長具合。
まだまだ日本人クラシックギター奏者も捨てたもんじゃないなあーと思います。そして、やはり若い世代には頑張ってほしいなあーと。
