ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

楽曲解説

2019.8 新サイトOPEN!
https://tomikawaguitar.com

富川ギター教室(東京渋谷) https://tomikawaguitar.com
https://tomikawaguitar.sakura.ne.jp/wp/lesson/
※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

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tomikawaguitar@gmail.com

サロンで弾く&「タレガ」を講義する

6/21は個人宅サロンで弾いてきました。オーナーの方が個人的に集客をしてくださり、実現しました。
実は池田慎司さんとここでデュオするのは二回目。

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それぞれのソロもあります。前半後半でトータル、フルコンサートと言う体裁。

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こういうサロンで弾くのはとても気持ちが良いものです。お客さんは10名程度。部屋に響くギターの音をほぼ「生」で聴いてもらえる。その部屋での鳴りを、自分の耳で確認が取れる。

大きなホールであると、お客さんに音がちゃんと届いているかなーと不安になることがあります。これはたくさん本番を重ねても、なかなか慣れない。

「一生自分の音は客席で聴けない」:だからこそ、手元の音が客席どう届いているかが気になる。そして、無理してしまうことが割とある。

この手のサロンであると、普通に自分の部屋で練習しているかのような安心感があるものです。そして、お客様の雰囲気がダイレクトにわかる。お客様同士でも親密な空気感が生まれ、「ああ、いい感じだったな!」と言うのが伝播する。

大きな会場でのクラシック音楽のコンサートって、どうしてもお客さん同士のコミュニケーションが希薄になりがちです。「奏者vs各お客さん個人」のような感覚になってしまう(ロックとかポップスのコンサートならそうならないのにね)。

そういう意味でたまにサロンで演奏するととっても楽しい。

演奏プログラムは以下。

(デュオ)17:00

スペイン舞曲6番(E.グラナドス)

小さな黒人、亜麻色の髪の乙女、小さな羊飼い(C.ドビュッシー)

メキシコの子守歌(M.M.ポンセ)


(トミーソロ)18:00

エストレリータ(M.M.ポンセ)

煙が目にしみる(J.カーン)

散歩&ロートレック讃歌(E.S.デ・ラ・マーサ)

サウダージ(R.ニャタリ)


(休憩)


(シンディソロ)18:00

アラビア風奇想曲(F.タレガ)

一つのワルツと二つの愛(D.レイス)

プレリュード1番、ヴァルサ・ショーロ(H.ヴィラ=ロボス)


(デュオ)15:00

トリストローザ(H.ヴィラ=ロボス)

スケルツィーノ・マヤ、インテルメッツォ(M.M.ポンセ)

悲しい鳥、ジプシー(F.モンポウ)


6/22日曜日は午後から現代ギター社にて講義。

「タレガ」の講義です。ギターの文脈の中で考えると「タレガの凄さ」がわかります。GGスタッフがアップした投稿です。



ある作曲家を演奏する場合、一般的な音楽史の知識はマスト、そしてそこからギター史の知識も大切。簡単に言うとタレガの凄さは同時代はちょっと前の時代のギタリストの作品と比較するとわかってきます。

その意味では僕のCD「あなたとわたし」聴いてもらえるととてもわかりやすいかも(宣伝!)。

TU Y YO - あなたとわたし スパニッシュギター秘曲集
富川勝智
インディーズ・メーカー
2021-05-20


実はこのアルバムを録音するときに400曲ほど楽譜をみました。それくらいタレガの周辺にいた同世代やちょっと先輩のギタリストはバラエティ豊か。彼らの楽譜を研究していたら結局、そのくらい研究してしまったわけです。そして収録曲を決めていきました。それぞれの作曲家の個性がわかるような楽曲をセレクトしたわけです。
そして彼らの作品を弾いてみるわかってくることが「タレガの個性」なのです。

ある作曲家の作品を弾くときには、その人の「一つ前の世代」の作曲家を研究することがとても大切。そして、同世代の音楽家の作品と比較することも大切。

ギター作曲家の講義をする場合は、この観点を忘れないようにしています。

次の講義は10/26です。

GG2025























次はちょっと渋めでコスト。多分、コストについては「ああ、なんか教本とかで名前見るね」とか「舟唄の人でしょ?」とか「コンクールとかで割と最近弾いている人多いね」くらいの印象しかないでしょうね。研究してみると、むちゃくちゃ面白いし、実は結構後世のギタリストに強い影響を与えているんです。そのあたりをわかりやすく解説しますので、是非皆さんおいでください。
(お申し込みは現代ギター社 GGショップへ)







1曲を15分で解説できるのか?



コロナ禍に入った頃、結構動画をアップしました。時間があったというのもありますが、自分の勉強という意味もありました。

その中で割と人気があったのが「クラシックギター名曲を15分で解説」というもの。

とりあえず僕がその曲を弾く。そして、タイマーを押して15分で曲のポイントを説明するというもの。クラシックギター初心者や中級者くらいの方のためというのがあるので、現代ギター社の「発表会用ギター名曲集」を頭から順番に。



で、14曲ほどやって、その他のやることがあったり、YouTubeでは別企画を始めてしまったり、途中でストップしていたのですが、いまだに「これの続きはやらないんですか?」というリクエストが多いので、再開してみました。

基本的に一発どりですから、頭の演奏がうまくいかないとタイマーをスタートできない。で、演奏はうまくいったのだけど、ポイント解説でしどろもどろになってしまって、やり直しとかw

とはいえ、しゃべっていると「ああ、そういうことだよね」とか、割と自分でも客観的にアイデアが浮かんできたりとかします。なので、勉強にはなります。何よりも15分でえいやっ!と全体を説明しなくちゃいけないので、締め切り効果があります。程よい緊張感の中で、ささっと簡潔に。そして伝えたいことはポイントを絞って言うトレーニングとなっています。

とりあえず、上記曲集の40曲目くらいまでやってみようかなあーとか考えてます。

実際に自分の生徒さんでも、習っている曲の予習や復習に動画を見ている人もいるようなので、その人たちのためにも。そして、日本全国で独学で頑張っている人や、他の先生に習っている方でも「こういうアプローチの仕方があるのかー」と思ってもらえれば嬉しいなあと思います。




歌うことと表現〜マイヤーズのカバティーナ攻略法

日曜日のワークショップは旋律をテーマにしたいと思っています。講座タイトルは「音楽表現講座 歌うことでわかること 気づくこと」にしました。



歌うこと。クラシックギターの人がもっとも不得意なことかもしれません。

簡単に言ってしまえば、どのような器楽曲でも声部を実際に声に出して歌ってみるということは「音楽表現」を考える際にとても大事な作業です。以下3つのことを考える良いきっかけになります。

1:フレーズと音のグルーピングのしかた
2:音程感の感じ方
3:歌い手による倍音コントロールのちがい

音楽表現面でこのことが実感できたら、それを楽器でどう実現していけるか?ということですね。ここから必要な技術も導き出すことができます。

実際に声に出して歌ってみることで、ああ、このフレーズはここまでだろうな?とか、この音程は歌いにくいなあ!とか、この旋律はもっとしなやかな音色で歌いたいなあ、とか考えることができます。

この場合歌のトレーニングは受けていなくても良いのです。風呂場の鼻歌程度でおっけーです。


さて、ここから歌詞との関連を。もし歌詞がついてるバージョンがあるなら、フレーズのストーリー作りに歌詞はとても参考になります。良い作詞家は曲の旋律を吟味し分析し、その表情に合わせた歌詞を当てはめていきます。歌詞が先の場合は作曲家はその歌詞のイメージに近い旋律を当てはめていくのです。(そこに作詞や作曲の難しさと職人技があるのです)

ギター独奏で有名なマイヤーズのカバティーナがあります。もう数え切れないほどレッスンしてきましたが、レッスン時に「これ、歌詞付きのバージョンあるよー。今ならYouTubeとかで探せばすぐでてくるよー」とミニ情報を授けることがあります。でも、だーれも次のレッスンまでに聴いてこないもんです 苦笑。

歌付きバージョンあるのかー、という程度。それがどれほどまでこの楽曲の表現を考える際にやくに立つのかを考えようともしない。

簡単にわかりやすいようにハ長調でメロディーと歌詞を書き出してみました。
カバティーナ冒頭





He was beautiful,
Beautiful to my eyes.

ここで、皆さんに歌詞とメロディーの対照をとっていただきたいのですが、「びゅてぃほー」が二回繰り返されるとこは同じ旋律になっています。歌詞をつけた人はよく考えています。同じ歌詞、同じ旋律。二回目をどう歌うか?・・・それを考えるべきです。

「ひーわずびゅてぃほー」までは一息で歌うべきです。曲のテンポが自ずと導き出されます。

さて、「ひー」と「わず」どちらに力点を入れるか?「彼は〜だった」と過去のものであることを回想するよう考えてみると、「わず」をしっかりと噛みしめるように歌うと良いのかもしれません。彼は・・・と歌っておいて、もうその彼はいないんだ・・・とわからせる歌い方をしなくてはいけません。

さて、繰り返される「びゅてぃほー」ですが、二回目を強く念押しのように歌うか、儚く歌いかはセンスです。好みの問題とも言えます。何れにせよ、全く同じ音量、同じ噛み締め方で歌うのは芸がない。

「とぅまいあーいず」は、どの単語に力点をおくか。男女の関係からすれば、「私」に力点を置くのが良いのかもしれません。「私には」と「私の目には」も同じ意味合いがあるので、もしかしたら「眼」にはあまり深さを入れなくても良いかもしれません。

以上のように歌詞だけみても、たくさんの旋律の歌わせ方のヒントが出てきます。

そして、もし歌詞がなくても、そういう分析ができなければなりません。歌詞があれば(もしそれがきちんとした作詞家がつけたものならば)よりヒントが多くなるということは言えます。


さてさて…

そういうことをいつも考えながらレッスンしていたりするのです。基本的に僕は歌好きなので、たくさんのことを歌から学ぶことができますし、音楽表現の根本は「歌」にあると思っております。

で、3/3の日曜ワークショップは「旋律」をテーマにします。興味のある方はぜひご参加ください。

詳細はこちら







著作新刊!〜名曲てんこもりBOOK Vol.2

2006年に出版された「クラシックギター 名曲てんこもりBOOK vol.2」の新装版が発売されます。その見本誌が届いたのでご紹介します。てんこもりBOOKのシリーズは以下の内容になっています。

1:楽譜
2:楽曲解説と奏法解説
3:模範演奏CD

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楽曲解説と奏法解説は複数の執筆者で書いております。僕もvol.1からvol.3までたくさん執筆させていただきました。

たとえば、今回はラウロの曲ではホローポについて解説しております。

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ヘンデルのサラバンドでは左手の和音の押さえの難所のコツを解説していたり…。

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…と、いろいろと文章でかいていたり、図をつかったり、楽譜をつかったりして解説を丁寧にしております。

実はこの解説はかつて現代ギター社からでていた「名曲演奏の手引き」というものに掲載されていた先輩ギタリストのものも一部転載されており、それもとても参考になるものなのです。この「名曲演奏の手引き」は僕は修行中に手垢がつくほど読み込みました。それが、今でも役にたっております。

その意味でも、この「てんこもり」ですが、若手ギタリストやプロ志望の方は必携といってもよいレファレンスとなるでしょう。

さてさて…かつて出ていたバージョンはこんな感じです。
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かつてのこのバージョンにも実は良い点があったのです。「楽譜が分冊になっている」ということです。実はこの分冊の楽譜は「コンパクトな小品集」ということでとても重宝しており、今でもちょっとしたコンサート仕事などにはアンコール曲集として持ち歩いたりしております。

この分冊という点がなくなったのは惜しいなあとは思いますが、その分値段が安くなっています。お買い求めやすいお値段…ということでそのあたりは妥協しましょう。

その後、実は「帰ってきたてんこもり」ということで、2009年に一巻と二巻の合本がでたこともありますが、解説がばっさりとカットされた「ただの曲集」だったので、かつての「てんこ盛り」ユーザーからは不評だったようです。

ということで、ふたたび解説つきで新装版がでるということになりました。トータルな面でおすすめの楽譜集です!とにかく名曲揃い。




vol.3とvol.1もすでの発売中です。





…なるほど、こう並べてみると、、、、信号機の色ですね!

いずれも独学の方にも習っている方にも「おすすめ」の曲集です。そして、ギターを教えている方にも「おすすめ」です。日本のトッププロギタリストが楽曲解釈をどのように考えているのか…それがわかります。

もし、ここに解説を書いているギタリストにレッスンを受けることを考えたら…なんとリーズナブル!…vol.1からvol.3まで全部買っても、一万円以下。是非、全部購入してくださいね。



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セゴビアエチュード研究…8/20日曜ワークショップ

実はこっそりと日曜ワークショップでセゴビア編20のエチュードのワークショップが続いています。

このワークショップ、隠れた人気となってまして、第一回目からほとんどメンツがかわりません 苦笑。数ヶ月おきの「授業」感覚で、行っております。とはいっても、今回から初めて…という方でも歓迎です。原則的に、扱っているエチュードの内容にそって説明していきますので、自分の興味のある「番号」のときにでていただければオッケーです。

次回は8/20に開催します。毎回数曲をとりあげて、ソルの凄さとセゴビアの凄さをわかってもらおうというワークショップになっています。もちろん、音楽表現についての基本的な事項の「おさらい」も行っています。

今回は6番と7番を扱います。実は「隠れ名曲」である6番ですが、この曲を聞くだけで「基礎力」の差がはっきりとわかります。レッスンをしていても、この6番でひっかかってしまう方…多いのです。
7番では、おもに左手のテクニックを見ていこうかなと考えています。

興味のある方、是非出席してください。申し込みは不要です。「学ぼう」と思ったときに、すぐに参加…してください。おそらく…他の先生が教えていない「音楽表現のコツ」「技術の一番根幹の部分」を学べます。騙されたと思って、時間を割いて参加してくださいね。

前回の様子はこんな感じです。


今回の詳細はこちらのブログ記事をお読みください。



 


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