ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

ワンポイントアドバイス

2019.8 新サイトOPEN!
https://tomikawaguitar.com

富川ギター教室(東京渋谷) https://tomikawaguitar.com
https://tomikawaguitar.sakura.ne.jp/wp/lesson/
※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

お仕事依頼&お問い合わせは下記メールへお気軽に!
tomikawaguitar@gmail.com

ほんとうのアポヤンド、ほんとうのアルアイレ!

テーマは「アポヤンドとアルアイレ」として7月10日の日曜ワークショップを行います。(詳細

いままでも日曜ワークショップでは、何度もアポヤンドとアルアイレについて扱ってきました。
たとえば昨年11月には「タッチ講座」として、このような内容で行いました。ということでせっせとテキストを作っています。
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今回は「タッチ説明用道具」フルメンバーで、みなさんにわかりやすく「右手のタッチ」について説明しようと思っています。
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最近、新しく生徒さんが多数はいってきました。ほとんどの方が他の教室で習っていた、もしくは独学である程度までやった…という方。つまり、ある程度の経験者なのですが、そのほとんどの方が「きちんとアポヤンドとアルアイレが理解できてない」という状態です。いま少しずつ個人レッスンの場で修正訂正しております。

ワークショップという場で学びやすい「知識や経験」もあります(だからこそ、ずーっと日曜ワークショップをやっているのですが)。なので、入会したての生徒さん、是非来てください。もちろん、ずーっとながーく私に習っている方も、知識の整理にお越しください。

外部の教室で習われている方、独学でやっている方も、是非。気軽にお越しください。

7/10(日)午前9:30-です。朝ちょっと早いですが、早起きは三文の得!
詳細はこちらのブログ(日曜ワークショップのブログ)にて確認ください!

 



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楽譜の読み方あれこれ〜専門的な分野を学ぶときの手順にたとえる

最近、レッスンしていて気づいたことを書いておきます。

曲を仕上げるときに、生徒さんが「いろいろな読み方をしているなあ」と今更ながら気付きました。

おおまかにふたつのタイプがあります。
1:最初から丁寧に読んでいく。細部も確認しながら。
2:おおまかに全体をざっくりと見て、細部はあとから。

2の方法が得意な生徒さん、数名おります。一般的には1の方法のほうが「正しい」とされているのかもしれません。

2の方法が得意な生徒さんは、ほんとーにざっくりとやっていきます。運指や書いてあるポジションを頼りに直感的に弾き飛ばしていることが多い。音のとり間違いも多いです。…と、これだけ書くと「2の方法は間違いなのね」とお読みのみなさんは思うかもしれませんね。

実はそうではありません。2の方法も悪くないのです。実は2の方法、楽曲全体の「見取り図」というものを手に入れるためには最適な方法と言えます。

たとえば、自分が今まで学んだことがない分野のことを勉強することを想像してみましょう。本から学ぶ場合…たとえば、僕が「相対性理論」のことを学ぶ場合を想定してみます。

最初から分厚い専門書は読み始めません。挫折しそうだから…。

まず本屋にいって「マンガでわかる相対性理論〜入門」みたいな「ゆるい本」をセレクトします。ざっくりと全体像をつかむ。(段階1)

それから「図解ですぐわかる!〜相対性理論の基本」みたいな、ちょっと専門用語が出てきそうな本をセレクトして、用語をなじませていきます。(段階2)

そこから、やっと相対性理論の全知識を網羅していそうな本をじっくりと読んでいく。でも、まずは目次を眺めます。そして、興味のある項目から読んでいくと思います。そこから、もう一度1ページ目から読んでいくと思います。(段階3)

そういう段階を踏みます。もちろん、最初から全情報を網羅した専門書を1ページ目からじっくりと読んでいくタイプの方もいるとはおもいますが、挫折度が高いかもしれません。

なので、上記2の方法は、(段階1)にあたります。ざっくりと全体を掴む!…この曲ってどんな感じ?…ああ、最後のほうでめっちゃくちゃ速い音階でてくるのね!…ここは難しいなあ…というふうに全体像を掴む上ではとても有効な方法なのです。曲全体の見取り図をたてることができます。

そこから、もう一度、曲の細部をみていくことになります。難しそうだなあというところから取り組んでも良いですし、この部分好きだなあ!っていう部分を練習してもよいのです。これは(段階3)の「興味のある項目を読む」ということと一緒かもしれません。

そこから、楽譜を最初から丁寧に読み直していくのも良い方法かなあとは思います。

実はこのブログで2008年に書いた記事があります。
絶対にミスをしない〜練習方法の大切さ

ここで書いたことは「最初からノーミスで丁寧に練習してください」ということです。いま、ここで書いてあることと矛盾している?…たしかにそうかもしれません。

ですが、全体像を把握することもとても大切。

なので、上記の方法1と方法2の両方をうまく組み合わせていくしかありません。もしくは1の方法(最初から丁寧に読んでいく)においてスピードアップをはかるということもとても大切。実際は1の方法でむちゃくちゃに速く正確に読譜できれば、全体の見取り図はとても立てやすい。「初見で弾けない曲はレパートリーにはならない」という先生もいます。それはこれが理由だとおもいます。

読譜の正確さとスピードはとても大切です。おおまかに全体をさらうというときに、読譜ミスが脳内に刷り込まれる可能性があります。それは危険です。なので、正確に読譜ができ、そのスピードが速い…というのが理想です。

とはいっても、そうやっていると全体像が把握できないので、最近は生徒さんの「感性」に任せるようにしています。生徒さんの性格もありますしね。

なので、適当に弾き飛ばしている生徒さんには「もう少し丁寧に最初から運指とか音価に注意して曲を勉強していくといいね!」とアドバイスします。

最初からじっくりじっくり楽譜を読み取っていくタイプの方には「弾き飛ばしてもいいから、最後まで弾き通してみてね!」とアドバイス。

やはり、人間は大体、短気かじっくりタイプかに分かれます。実は楽器の学習はその両方がバランスよく切り替えられる人が上達するのかもしれません。

「慌てず急げ!」…昔、焼肉屋さんで店長がアルバイト店員に言っていた言葉ですが、それこそ真理なのかもしれませんね。

そんなことを考えてみると、つくづくレッスンっていうものは「生徒さんの人間性と性格を見る」仕事なのだなあと再確認しております。

 


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ギターのハイポジションを克服する

クラシックギターを学んでいる初心者〜中級者のかたで、読譜上の最初の難関が「ハイポジション」かもしれません。明日の日曜ワークショップのテーマは「ハイポジション克服法」にしました。(詳細

クラシックギターは五線譜で音符を読んでいきます。たとえば以下の音符。
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「ミ」ですよね。クラシックギター初心者であれば、「1弦の開放弦」としか浮かばないかもしれません。

上級者であれば、以下がすらすらっと浮かぶと思います。
1弦開放弦
2弦5フレット
3弦9フレット
(4弦14フレットもありますが、12フレット以上はクラシックギターではあまり使わないので、以下省略!)

じゃあ、こちらは?みなさん、ギターを持たずに考えてみてくださいね!
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…どうですか?ギターで音を鳴らさずに浮かびましたか?

「ギターで音を鳴らさずに」というのがポイントです。なぜなら、クラシックギターでは、楽譜を読む→押さえるべきフレットをイメージする→押さえる、というプロセスをたどるからです。

ああ、やっぱりハイポジション苦手だなあ…というかた、ぜひ明日のワークショップにご参加下さい。いくつかのコツで指板が「見えるようになります」。
詳細はこちら


 

部分練習をうまくこなすコツ〜怖がらない!

クラシックギターに限らず、どんな楽器でも「難所」や「指の動きの複雑な部分」をとりだして、部分練習をするのはとても大切です。

部分練習。ああ、めんどうくさい。しかし意を決してやってみると、部分練習ではできたのに、いざ通してみると「注意する点を忘れてしまう」。

→そして、できない自分に嫌気がさす。

→部分練習をしなくなる

→結局、弾けない部分は弾けないまま放置

…という悪循環に陥ってしまう人が多いのです。

上記の「できない自分に嫌気がさす」というのは誰にでもあることです。しかし、sの心の奥底には「一回部分練習でできたところは、できて当たり前!」という変な自信があるのです。人間の記憶というものを無視した心理構造がそこに見えてきます。だから、一回「やるべきことを忘れた」というだけで、自信喪失する。自信を喪失すれば、「それをカモフラージュする」。

この部分は難しい部分だから弾けなくて当たり前!という開き直りをしてしまう人も多い。

では、どうしたらいいのでしょうか?

部分練習をするAという部分があるとします。 A部分の問題点を抽出。右手の運指が曖昧だなあ、左手の準備は不足しているのだな…いろいろと注意点が見つかるはず。それが見つかれば、Aという部分でその「注意点」に気をつけながら、作業を行うのみです。

ここまではみんなやります。さて、ここから、Aの前の部分から弾いてみる。たとえば、Aの部分が登場する4小節前くらいからやってみる。

そうすると惰性で弾いてしまって、さっきA部分をクリアするために考えた「注意点」を忘れてしまう。結果、A部分は弾けないまま。。。

原因は?…「思い出せないから!」です。A部分にさしかかったときに「これからこいうことをやる!」というふうに思い出されば、クリアできます。

さきほどの「注意点」は短期記憶です。それを長期の記憶にするためには「何回も思い出さなければならない」のです。

ほとんどの人は、A部分のみをひたすら練習し、「注意点」を叩き込みますが、いざ手前の部分から弾き始めると、ほかの部分を弾くことに気をとられて、A部分での「注意点」を忘れてしまうのです。

でも、これは人間の記憶の宿命です。

なので、A部分に差し掛かったときにひたすら「思い出す!」。これにつきます。

人間というのは一度できたことは「できるに違いない!」と思うものです。自信過剰にできています。そうならないためには、脳の記憶についてのシステムをしっかりと理解し、脳みそとじっくりお付き合いしてやるしか対策法はないのかなあ?…と思います。

「できない!」と思ったら、ぼんやりとした脳みそに「おーい!ここで何するか思い出してくれよ!」と声をかけましょう。「脳が忘れてしまうという癖を分かった上で、部分練習を怖がらないこと」…部分練習のコツはこのあたりにあります。



 


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寝かせること…弾けるようになります(そして分析を忘れずに!)

さて新年にはいり数週間たちました。生徒さんとのレッスンでいくつか気付いたことがありましたので、書いておきます。

ある程度練習した曲は、たとえ弾けない部分やうまく決まらない部分があっても「寝かせる」ことによって、弾けるようになることがある…ということ。

実は昨年末の最終レッスン日に何人かの生徒さんに以下のようにアドバイスしておきました。

「冬休みで時間があるときに新しい曲に取り組もうと思ってしまうけど、できれば今年やった曲をさらっといいから全部弾いてみてね!」と。

そして、今年になって上記のアドバイスをした生徒さんたちのほとんどが「昔弾けなかった曲が弾けるようになりました!」と言ってくれました。

これは何故なのでしょうか?「寝かせることによって熟成されたから!」という抽象的な説明も可能です。でも、ワインとかブランデーじゃないんですから…何か他に理由があるはずです。

理由はいろいろ考えるとは思います。ひとつ考えられるのが、他の楽曲を練習しているうちにほかの技術があがって、以前弾けなかった部分が弾けるようになっているという理由です。

え、よくわからないって?

たとえば、タレガのラグリマの9ポジションセーハで弾く部分ですが、ここは大半の人は「セーハが難しい」と思っているはずです。ですが、実はもうひとつ技術上の難しさが隠れています。それは左手各指のポジション内での独立です。つまり、この部分には二つの技術的な問題が含まれています。

この部分が弾けるようになるためには、セーハと各指の独立という二つの技術が上がっていかないとしっかりと決まりません。つまり、他の曲で3指と4指、および1指の独立を意識して練習していった結果、ラグリマのこの部分も押さえやすくなっていくのです。

step-by-stepで、段階的に弾いていけば、どの曲でも完璧に弾いていけるわけではありません。ひとつひとつの技術的な要素を正確に行い、それが手の内におさまるまで練習していくと、複合的な難所を含んでいる箇所を征服することができます。シンプルな楽曲を「守るべきこと」を正確に守りながらクリアしていくことが普段のレッスンでは大切です。

取り組んでいる楽曲の中で、数カ所弾けない部分がある場合、しばらくは解決方法を探し悩んでみるのは有効です。ですが、技術にはある程度の時間をかけて馴染ませていくべきものも多いのです。その技術がその時点では雑になっている、もしくは意識されていないことが多い。なので、他の楽曲に取り組むなかで馴染ませていくしかありません。

そして、以前難所であると思っていた部分に取り組んだ場合、あら不思議!…弾けるようになっているのです。最初に取り組んだときに発見した「自分が考えていた技術的弱点」以外の技術が上がることで弾けるようになります。

つまり難所と呼ばれるものはいくつかの技術的な要素が絡んでいることが多いということです。それらの要素を分割したものが「基礎練習」というものです。たとえば、私がレッスンで用いており「基礎技術の集大成」と考えているホセ・ルイス・ゴンサレス・テクニックノートに書いてあるようなものですね。

ラグリマのこの部分が弾けたようになったならば、何故それが弾けるようになったのか?…分析してみることも学習上大事なことです。自分ひとりでは探しにくいですので、優れた指導者とともに行ったほうがよいです。

こういうことがあるので、昔から「とりあえず楽曲には寝かせる時間が必要」と言います。ただし、何もしなくて上手に弾けるようになるわけではありません。そのほかの技術があがり、その人の全体レベルがあがると以前よりもうまく弾けるようになるだけです。

なので、「石の上にも三年」です。

ある程度弾き込んだ時点で、いろいろな曲に取り組んでいきましょう。そして、しばらくたってから以前にやったレパートリーを復習しましょう。そうすると弾けるようなっている部分が増えているはずです。

私のレッスンでは「どんどん先に進んで行く」と「この曲のこの技術だけはしっかりクリアしてほしい」という部分が混在しています。この段階ではこの曲はこの技術や音楽的な要素をクリアしてね!…という私なりの目安があります。一曲一曲完璧に弾けなくてもよいのです。

長く習っている生徒さんはセゴビア編20のエチュードを5年以上に渡って、5回ほど復習している方もいます。つまり何回転もしているのですが、そのたびに新しくできるようになっている技術が増えていきます。そして、毎回違うタイプのレッスンになっていきます。

技術があがって「弾けるようになっていく」プロセスというのは本人には理由が明確に把握できていないことが多いのです。もし、これが自分で正確に把握できるようになれば、「プロ」です。この次元までいく必要なありませんが、みなさんも復習をしてみて「あ!弾けるようになった!」と思った部分があれば、少しだけ頭をつかって分析してみましょう。ほとんどの場合、最初弾いたときには気づけなかった技術的な要素が進歩していることがその理由です。


 
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