ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

音楽メモ

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音を聴く〜聴きたいもので自分を知る

レコードを聴く。誰と聴くかで別の聞き方ができるものです。
定期的に「回すぜ」というイベントにゲストで呼ばれています。ホストは久保田洋司さん。


作詞家として作曲家としてすごいキャリアを持っている方。もう10回くらいゲストで呼ばれています。実は久保田さん若い頃にクラシックギターをやっていたり、普段普通にクラシック音楽を大好きで聞いていたりします。

毎回、ちょっとコアなレコードを持って行ってかけています。そして久保田さんとあれこれお話をする。それがこの「回すぜ」というイベントなのです。久保田さん、さすが名作詞家ですので、ボキャブラリーが多い。毎回楽しくお話ししています。

自分がセレクトするレコードってやはり「これ聴きたいよね」という意味があるわけです。それを人前で話すわけですから、客観的にならざるを得ない。このあたりが自分でも面白い。

なぜその音を聴きたいのか。その辺りを掘っていくことで、たくさんのものがわかるのです。その時の自分の気分、過去と現在の聴き方の違い…あれこれが浮き彫りになっていく。

ということで、11/8の「回すぜ」でかけたレコードは5枚。


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セゴビア「ギターと私」:これに収録されている基礎練習がこのまえ池田慎司さんと岩崎慎一さんとのコンサート後の飲みで話題になりました。このレコードはA面がセゴビアが自分の若い頃のことを語るという内容で、そこに基礎練習が収録されているのです。その音色はオンマイク気味で非常にリアル。弦をブッシュする感覚やスラーの指板の音などがリアルに。実はこのB面に収められている「練習曲」がとてもとても名演なのですが、イベントではかけませんでした。時間の関係で。

サビヨキ:ラウダバーラ「ユニコーンのセレナーデ」をかけました。スプーンつかうクラギ曲です。前衛といえば前衛なのでしょうね。そういえば、昔この曲弾いていたなあーと。現代音楽ではあるのですが、どことなくフィンランドを感じるのです(行ったことないけど)。ちょっと不思議なお伽話的な印象を受けるのです。だから大好きで何度も若い頃聴きました。サビヨキという人はフィンランド人だったはずですが、それも原因かもと。やはりお国柄。先日のホセ・ルイス先生の追悼公演ではないですが、自然にその人が背負っているものが出てくるのかもなーと思います。だから、良い音楽になっている。そんなことに最近気づきました。

カルメンマキ&OZ:「崩壊の前日」。ある意味はっぴぃえんどよりも日本語ロックを感じる。強い日本語。そして春日さんのギターの音圧と存在感はワン&オンリー。しっかりと楽器を鳴らす技術。太い音は今の若い人にはきついかもしれないけど、こういう音圧感はレコードで聴くとすごくわかる。クラシックギター弾きではあるけど、結局僕はそういう「音」が好きなんだなあーと。

セゴビアのボッケリーニ(カサド):ああギターの音って美しいなーと思う名盤。オケの縛りのなかでのセゴビアのうたいまわしの妙。そして、何よりも先に聴いた「ギターと私」の手元で録っているようなギターの音がホール(人工リバーブ?)の中でこういう結果になるのかーと再確認。だから逆にいうと「ギターの私」からは膨大な学びがあるのだなあーと。

イエペス:ゴンバウのベルエポックをかけました。実はこれ、留学中にとある講習会の受講生が弾いていて知った曲。彼に楽譜コピーしてもらってすぐ練習したなあー。久々に弾きたくなりました。イエペスのすっきりとしたギターの音の出し方がこの世代の作曲家の特色であるフランス近代音楽感にぴったりとしている。とはいえ、さすがのギターの音の「ひねり出し」方があって、やはり好きだなあー。

聴きたいもので、自分の感性の確認ができるものです。たまにこういうことをメモしておくのもいいもんです。

そういえば、イベント時に久保田さんと撮った2ショットがあったなあ。

これ。楽しそうでしょ? 是非みなさん次回のエムズカンティーナのイベントの時には遊びに来てくださいねー。

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(エムズカンティーナのオーナーTさんにもらった「ガメラ対レギオン」の公開当時のポスター!僕は平成ガメラのファンなのです)

曲作り〜話すこととイメージ

先日、4月6日は作曲家&作詞家の久保田洋司さんとのイベントでした。

The 東南西北の方です。ご縁がありまして、仲良くさせていただいております。まあ、すごい人ですよ、ほんとに。松田聖子さんに曲書いていたりとか、作詞家としてもすごーい人に作詞を提供しております。まあ、詳しいことはウィキペディアでも参照してくださいませ。




で、今現在、駒澤大学駅にあるエムズカンティーナというところのイベントで「久保田さんと曲づくり」をメインでやっております(最初はただのトークイベントでしたw)。そうです、クラシックギターの曲を作っているんです。


インスタ見るとわかりますが、久保田さんが曲アイデアを出してきて、それを僕がクラシックギター的にアレンジしていくという流れでやっています。

4/6で5曲めのアイデアを練りました。それをお客さんの前であれこれ話しながら作っていくんです。雑談の中で、「はあーなるほどー」というイメージが出てきたり、久保田さんが「ここはこんなイメージでね」みたいなのが、とても楽しい。

舞台上でブレインストーミングしている感じです。

で、アイデアをもらって、次のイベントで僕が仕上げたものを発表みたいな流れでやってます。

個人的な「とってもクラシックギターの仕事とかけ離れていて」とても楽しい仕事の一つです。何よりも「ものを作る」ってやっぱり人との関わりが楽しいんです。一人だとイメージわかないものが、二人なら落とし所が見つかる。曲を作っていくのもやはりその辺りが面白い。久保田さんと話していると、この人は「イメージ力の権化」だなーなんて思います。とりあえず、12曲くらいできたらレコーディングする予定です。

次回のイベントも決まりました。6月8日です。言葉では説明するのが難しいですが、面白いイベントなので「音楽家富川勝智」に興味のある方は是非おいでください(”クラシックギター”をイメージするとがっかりするかもw)。ちなみにイベントタイトルは毎回アドリブで久保田さんがつけてます。タイトルの割には真面目なイベントです 苦笑。

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ソルのひねくれ具合

楽譜って怖いですね。楽譜によって結構音価や変化音(シャープとかフレット)が違っていて。それが全く違う音楽を作ってしまうことがある。
なので、レッスンするときは出来るだけ「原典」に近いものを使うことを生徒には勧めている。

特にフェルナンド・ソルの楽曲に関しては、細心の注意を払わないと”それってソルの意図と反しているよ”という結果を招きかねない。

最近レッスンした中で気づいた例がこれ。

Op.31-1です。14小節。こちらは定番のギター教本であるギタルラ社の「新ギター教本」に出ているバージョン。


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これが現代ギター社版(中野二郎編)ではこうなっている。
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バスの長さが違うのです。バスが三拍維持されることによって、三拍目で独特のドミナント感(緊張感生まれます)。もちろん、楽譜の誤植かもしれませんがw

もう1つ同じエチュード。同じく新ギター教本から。
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中野二郎編だとこうなってます。
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お!!!三拍目に休符が!!!
この休符によりメロディーのアウフタクト感が強くなります。弾き比べてください。印象がかなり違いますよねー。

次はOp.31-4。とある「名曲集」に載っているバージョン。
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ラがシャープになっています。和声的短音階で作られる和音なので、理論上も聴感上も問題はないように見えますが……

中野二郎編ではこうなっています。
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ラが普通にナチュラルです。こうすることによって、三小節目にニュートラルに声部が進行していきます。4小節目になって初めてドミナントセブンスがきっちりと鳴り、且つ休符で断ち切られる緊張感!
これに慣れてしまうと2小節からラをシャープさせているバージョンは”凸凹”に聞こえてきます。

これも是非弾いてみて、聴き比べてください。

……こんな感じで曲集や教本に載っているエチュードは結構原典と違う部分があるのです。

ソルに関してはパターンから逸脱したものが多くて、普通だったらこうだろうなーというのを裏切っている部分が多いのです。なので、写譜するときなどに「普通なこうだろー」と写し間違ったものが教本や曲集に載ってしまっているのかもしれません。

現代ギター社版の中野二郎編は、当時出版された楽譜をそのまま浄書して載せてあります。編者が勝手に「ここは普通シャープだよね?」とか「これは付点音符じゃないだろ〜」という判断で音の改変を行なっていない。ここがある意味すごい。だから「原典版」と言えるのです。

実はこのあたりにソルの「ひねくれ具合」が出ていたりします。そのあたりは謎解きに近いものがあり、普通はこうするんだけど、これわかるかな???(どうせわかんないだろーなw)という感じなんでしょうね。

このトリッキーさはスタンダードな声部進行や和声の理論を知っていないとなかなかわかりません。

ギタルラ社の新ギター教本が悪いというわけではありません。ある意味、スタンダードに弾きやすく若干の改編をするのは初心者にはありがたいものです。実際Op.31-1でバスだけ低音を低音を消音するというのは初心者にはハードルが高すぎますから。

載っているバージョンをそのまま弾いていけばいいんです。

とはいえ、ソルの楽曲の醍醐味はこういう「ひねくれた」ところにあります。レッスンでは生徒さんと色々と謎解きをしていきます。それはとても楽しい作業で。そして、そこにソルの楽曲の美しさや面白さが隠れているわけです。

どうしてここに休符入れたんだろー?とか考えながらレッスンしていく(自分で練習するときも)のは楽しい作業です。

いつもそんな感じでソルのエチュード教えるときはやってます。

コツと音色〜西洋音楽のセンスは「学ぶこと」が可能なのか?(2/19日曜ワークショップ)

2/18は午前中から日曜ワークショップでした。表現法について連続で先月から講義しております。
日曜ワークショップ 9:30-12:00→表現法講座part2(詳細

簡単にいえば、西洋音楽をやる上でのマナーを体得してもらおうというワークショップです。

まずは、リズムや拍節感(メトリック)そしてパルスなどの用語を整理していきました。
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ビートの感じ方も「東洋と西洋」で手を叩きながら感じてもらいます。
…すると、どうでしょう?実際に音に出した瞬間、みなさんの音ががらりと変わりました。ほんのちょっとした「感じ方」で音色まで変化するのです。

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西洋音楽のマナー=西洋人の哲学といってもよいものです。「現地で暮らしていないと学べない」とも言われていますが、僕はそうは思いません。たしかに実際に暮らしていれば学びやすい感覚であることはたしかです。あちらの言葉をしゃべり、あちらの空気を吸って、あちらの生活哲学のなかで考えていけば、すんなり合点がいく「西洋音楽のマナー」であるとは思います。

ですが、ある程度、手順を説明すれば上記でいったように「音ががらりと変化する」のです。それは西洋音楽のマナーを一瞬にして体得したというふうにもいえます。

レッスンで教えている際にも、「言葉で説明できなければ」と考えて西洋音楽のルールを伝えています。自慢のようになってしまいますが、他の先生に習われている方や他の楽器の方もワンレッスンに来ます。実は「表現法」をしっかりと言語化して伝えてくれる人って現役の演奏家ではとても少ないのだそうです。

ということで、表現法の講座は次回は3/12です。まだ詳細はアップしていませんが、日曜ワークショップのブログのほうでチェックしてください。テーマは「旋律」というふうには決めています。

詳細や場所などは日曜ワークショップのブログで確認してください。




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表現を「つける」ための道具、差し上げます!(2/19表現法講座)

自分で表現を「考えていく」というのはなかなか難しいですね。
実はレッスンで「あ!うまく弾けた」とか「おお、いい音楽になったなあ!」って思ってもうまくいかない方が多いと思います。

その理由は簡単です。自分で技術上や表現上の問題解決のシステムを持っていないからです。

たとえば、技術であれば「どうしてこれができるようになったのか?」という理由を自分で言葉で完璧に説明できること。表現であれば「どうして、こういう感じのいい音楽表現をつけられるようになったのか?」という理由…それを説明できないといけません。面倒くさい言葉でいうと「抽象化」といいます。

「ルール」的なものをもっていれば、自分で技術を解決できたり、表現をつけられるようになっていきます。先生がいなければ「うまく弾けない」「いい音楽にならない」というのは、困ります。良い先生であればそういう道具を与えてくれます。

まずは道具。それがあれば「作っていけるもの」があります。あとはひたすらに道具を使っていくことです。たまに失敗することもあるかもしれませんが、つかっていくうちに、使うべき場所や使うべきタイミングなどがわかってきます。

表現法のツール(道具)をとりあえず与える講座を先月からやっております。

日曜ワークショップ 9:30-12:00→表現法講座part2(詳細

日曜ワークショップで「音楽表現法」についてのワークショップを行っています。三ヶ月連続の講義で、一回目は「概論」、二回目は拍節感とリズム、三回目は旋律について扱っていきます。

まずは一回目で「そもそも音楽表現ってどういうものだろう?」という点を考えました。二回目である今回は、リズムは拍節感(メトリック)そしてパルスなどの用語を整理していきます。

表現を自分で考えるためのツールを与えます。いままで、たくさんのコンクール志望者をレッスンしてきましたが、誰もが使いこなせる道具です。素直に先入観なくゼロから学んでいけば、最後には「西洋音楽の美」を作るための道具を習得できていることでしょう。

詳細や場所などはこちらをチェックしてください。




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