完全に春到来です!
当教室でも新社会人が何人かいます。
大学を卒業して社会人になっても、そのままきちんとレッスンを続けてくれる生徒さんが数人います。嬉しいことです。
私も30代後半に突入しましたので、いちおう社会人(なのか?)として彼らにアドバイスをすることもたまーにあるのですが、その基本哲学は「仕事とプライベートをわけないこと」にあります。
単純な話、なんでもやりたいことはやればいいのです。仕事を始めたからといって、好きな音楽をやめる必要はないですし…。音楽に集中するために、普通の仕事には就かない…ということもないわけです。
その人の人生は、「何をしてきたか?」という事実の積み上げで決まります。普段の仕事で何をしてきたか?…ギターで何の曲を弾いてきたか?…飲み友達と何を語らってきたか?…それだけの話です。
それだけの話…とはいいましたが、どのくらいいろいろな経験を(結果として)したかどうかが、その人に人生を最終的に豊かなものにするのです。死ぬときに「充分に満足した人生だった」と言うためには、自分のやりたいこと、もしくはやるべきことをして、生きていくべきなのです。
で、ここで、引用。
『仕事とプライベートにおけるその人の優先順位が、その人の人生なのだ。』
村上龍の近著「無趣味のすすめ」からの一節。
久々に村上龍氏の本を読みましたが、「さすが!」と思いました。
スケジュールに関する小文の一節です。
で、私もギタリストとして、何が自分を形作ってきたのかなあ?と考えてみると、「今まで行なってきたコンサート」であったり、「今までコンサートで弾いてきた曲」であったりします。
何か演奏会が決まって、曲のプログラムを考える…このことは「自分の人生を作っている」瞬間なのですね。そして、その集積が今までの私のギタリストとしての人生なのです。
さて、富川勝智の人生ということになると、やはりその中心軸はギターに関連することになります。というよりは「なってしまっている」のですね。
あの曲弾きたいなあ!!とか、教室でこんな企画をやりたいなあ!とか…あれこれ考えていることが、なんだかんだでギターとか音楽とかに関連してしまうわけです。
ということで、私には趣味らしい趣味はまったくありません。一時期、それではまずい!と思って、無理やり趣味を始めようとも考えたのですが…無理でした。「趣味=仕事」とまるで一昔前のサラリーマンのような状態ですね。やりたいこと(やらねばならぬこと)=ギター関係のこと…だったので、ほかのことに時間が割けないわけです。
で、上掲の村上氏の本の一節につながってくるわけです。
なんとなく私の哲学の裏づけを見つけたようで、ちょっと嬉しかったりしました。読みやすい本です。若い人にお勧めです。
50代以降の人が読むと、きついかもしれません。