今回の内容は大まかに二つです。「アポヤンドとアルアイレの用法」と「指板和声の導入」。
裏テーマとしては「ギター史上の巨匠が使った知られざるテクニック」と「音程感」といったところ。
アポヤンドとアルアイレの関節の使い方と違いを説明しました。動きの起点となる関節は一緒です(MP関節)が、PIP関節のコントロールでアルアイレ度合い(?)が変化します。
また腕とのリンクの肝はCM関節であるということも軽く説明。
支えとしてのp指とa指のアポヤンドも説明しました。これはほとんどの人が知らないテクニックかもしれません(セゴビアやリョベートといった巨匠がうまく利用していることは自明です)。このあたりが体得できてくると、腕のバランス(特に前腕)が良くなってきます。安定したタッチが可能になってきますし、指先と腕のつながりも感じられるようになり、エネルギーロスが減ります。
指板和声については、簡単に楽典的な知識の確認からスタート。そしてギターの調弦上の部分から導き出される「度数」の探し方を見ていきました。
クラシックギターで使用される度数はやはり3度や6度がメインとなります。指板上で3度や6度がパッと目に入るようになると良いなあと。
オクターブや5度も同様です。
押弦した音を見た時にビジュアルとして「あ、これは5度だな」とか「これは3度かな?」と気づけるようになると音楽が見えてくる。そして、この度数のキャラクターが捉えられてくると、旋律を弾く際にも、和音の響きを感じる際にも、音楽が見えやすくなります。
なので、裏テーマは「音程感」というわけ。
ギターの調弦が「4度調弦」という部分にとても意味があるわけですが、そのあたりのギターの指板のロジックが見えてくると、隣接する2弦の間での度数はすぐにわかってきます。
最後のGコードの構成音のマジックが1番受けが良かったかもしれません。イギリスのトラディショナルフォークのギタリストが好む和音構成にはどことなく中世やルネッサンス音楽の香りがする…といった話。
おそらくギターの調弦と3度と6度の重要性を最も重視したのはF.ソルではあると思います。それは教本を読み解いていけばわかる。それ以前の音楽では割と4度や5度に重さを置いていたのかも。ギター史がわかってくると、そのあたりのギター指板上の見え方も変化してきます。
ワークアウト講座はもちろん技術の講座ですが、最終的にはギターの書法と結びついていくものでなくてはなりません。そのようにワークアウトブックは作ったので、そのあたりの説明をより詳しく講座ではやっています。
次回は6/9です。左手のバランスについてじっくりやっていきます。音を繋いで行く方法。興味ある方はぜひお申し込みください。お問い合わせ&予約は現代ギター社GGショップまで!
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