ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

ギター奏法

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第二回「ギターワークアウト〜テクニックの極意!」講座、出席ありがとうございましたー

現代ギター社GGショップセミナーの「ギターワークアウト〜テクニックの極意!」講座の2回目をやってきました。今回もたくさん集まってくださり嬉しい!
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今回の内容は大まかに二つです。「アポヤンドとアルアイレの用法」と「指板和声の導入」。
裏テーマとしては「ギター史上の巨匠が使った知られざるテクニック」と「音程感」といったところ。

アポヤンドとアルアイレの関節の使い方と違いを説明しました。動きの起点となる関節は一緒です(MP関節)が、PIP関節のコントロールでアルアイレ度合い(?)が変化します。
また腕とのリンクの肝はCM関節であるということも軽く説明。

支えとしてのp指とa指のアポヤンドも説明しました。これはほとんどの人が知らないテクニックかもしれません(セゴビアやリョベートといった巨匠がうまく利用していることは自明です)。このあたりが体得できてくると、腕のバランス(特に前腕)が良くなってきます。安定したタッチが可能になってきますし、指先と腕のつながりも感じられるようになり、エネルギーロスが減ります。


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指板和声については、簡単に楽典的な知識の確認からスタート。そしてギターの調弦上の部分から導き出される「度数」の探し方を見ていきました。
クラシックギターで使用される度数はやはり3度や6度がメインとなります。指板上で3度や6度がパッと目に入るようになると良いなあと。
オクターブや5度も同様です。

押弦した音を見た時にビジュアルとして「あ、これは5度だな」とか「これは3度かな?」と気づけるようになると音楽が見えてくる。そして、この度数のキャラクターが捉えられてくると、旋律を弾く際にも、和音の響きを感じる際にも、音楽が見えやすくなります。

なので、裏テーマは「音程感」というわけ。

ギターの調弦が「4度調弦」という部分にとても意味があるわけですが、そのあたりのギターの指板のロジックが見えてくると、隣接する2弦の間での度数はすぐにわかってきます。
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最後のGコードの構成音のマジックが1番受けが良かったかもしれません。イギリスのトラディショナルフォークのギタリストが好む和音構成にはどことなく中世やルネッサンス音楽の香りがする…といった話。

おそらくギターの調弦と3度と6度の重要性を最も重視したのはF.ソルではあると思います。それは教本を読み解いていけばわかる。それ以前の音楽では割と4度や5度に重さを置いていたのかも。ギター史がわかってくると、そのあたりのギター指板上の見え方も変化してきます。

ワークアウト講座はもちろん技術の講座ですが、最終的にはギターの書法と結びついていくものでなくてはなりません。そのようにワークアウトブックは作ったので、そのあたりの説明をより詳しく講座ではやっています。

2024ワークアウト講座3回目






















次回は6/9です。左手のバランスについてじっくりやっていきます。音を繋いで行く方法。興味ある方はぜひお申し込みください。お問い合わせ&予約は現代ギター社GGショップまで!
03-3530-5342
shop@gendaiguitar.com



ギターは弾かなきゃ音が出ない

YouTubeのほうに動画アップしました。



現在、現代ギターに連載中の「ホセ・ルイス・ゴンサレス ギターテクニックノート講座」と連動している動画です。今回は右手のアルペジオパターンと音階要素の関連について。そして左手の半音階について。

現代ギター連載において、文章の最後に格言めいた一文をおいて締めくくるパターンになってしまいました。第4回は慌てず急げ。
今回は「ギターは弾かなきゃ音が出ない」。エレキギターの神様寺内タケシさんが言っていた言葉です。昔どこかのテレビ番組で言っていてなるほどなーと思ったのです。

寺内さんほどのキャリアを積んだ人でも煮詰る時はあるそうで……そんな時でも弾いてみれば何か答えが出るだろうーと思うようにしているとか。結構晩年の時の発言だったはず。そうなんですよねー、なんだか訳分からなくても、とりあえず音出してれば何か解決法が見つかったりするもんです。デタラメでも。

頭でっかちで悩むよりもとりあえず弾いてみる。楽器ってそんなものなのです。

というわけで、皆さんも本誌連載読むだけでなく、やってみてくださいねー。動画見ながら真似してやってみるのも効果ありますよ!

ちりも積もればー!&祭典もあるよー!

いっつも生徒さんに言っている言葉があります。
「塵も積もれば山となる」

だけど「このチリは見えないんだよねー」って。

上達ってすぐには見えないんですよ。そんなことを考えていると「クラシックギターワークアウトブック」の使い方……というか"扱いかた"がわかってきます。

1月末に発売してから「毎日やってまーーす!」という声がたくさん来ていて嬉しい限りです。

例えばこんなブログもアップしている方がいて嬉しい限り。




動画をどう使ってやっていくか……一日の生活の中でどのようにこの本を使っていくか……参考になるブログだと思います。

著者としてはどのように使っていただいても構いません。

頭からできてもできなくてもドバーッとやっていって、あとで見返すのも良いでしょうし、必要なテーマだけを先にやってみても良いでしょうね。
もちろん、書名通りに"1日に3つを5日間やる!"でも良いです。

実は企画段階でのイメージは、月曜日から金曜まで5日分やって、土曜日に仕上げの練習曲(practice)をやって日曜日はお休みー!というものでした。このペースでやると18週で終わります。日曜日にその週の分を復習しても良いでしょうが、指を休めましょうねー。

何れにしても”自分のペース”でやっていってください。


Instagramなどでも「やってまーす!」という声が届いていて、頑張ってねーと声援を送っております。
是非下記タグをつけてツイッターでもInstagramでも皆様の声をお届けくださいませ!

#クラシックギターワークアウトブック

"塵"っていうのはある程度まで放置しないと見えないもんです。
部屋の掃除しているとわかります。しらないうちに埃とか塵って溜まっていますよね 苦笑

富川勝智ホームページ
→富川勝智の演奏会情報や著作情報などを掲載

富川勝智にレッスンをご希望の方はこちらをクリック
→正しくギター奏法を学びたい方、表現法のロジックを学びたい方…「誰でも上達できる教室」富川ギター教室へ。体験レッスン随時募集中です。

YAMAHAさんの公式サイトにアップされている内容紹介動画も載せておきます。






あ、そうそう、週末には「スペインギターフェスタ冬の祭典オンライン」をやります。

20220212-13冬の祭典






















↑facebook上のイベントページを使って行いますので、是非探してみてください。
すでに受講は満席ですが、まだ発表会や聴講は申し込みしております。



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体が先…身体と脳みそ

奏法というものを考えるとき、いつも大切にしていることがある。

それは「体が先」という考え方だ。


クラシックギターの弾き方について、今まで山ほど研究してきた。生徒を教えるときも言葉で説明することが多い。とはいえ身体動作の言語化は危険も伴う。

言葉の捉え方は生徒さんによって様々。僕は僕の動作を言語化しているのだけど、それはあくまでも僕の感覚である。生徒さんに僕の定義がそのまま伝わるとは限らないのだ。


なので、レッスンの時にまずは生徒さんには「やってみる」ことを勧める。

そして、生徒さんが「どう自分の身体が感じているか」を考えてもらう。どこかに無理なテンションが入っていないか?…なんとなく不安定な感じがする…とか。その上で自分で「言語化」してもらうのが一番良い。


様々な反応が出てくるものだ。そこからいくつかの身体アクションのアイデアを投げることにしている。身体の軸のバランスや腕の使い方や指の関節の意識などである。そこからまたそれを意識して練習をしてもらう。


レッスンで上達しないタイプの人というのがいて、「頭で理解してしまう」タイプ。

こういうのを試してみてねー!と提案しても、「はい、わかりました!」と言って、メモをとって「やってみない」タイプの人。


メモとって、終わりにしてしまう。頭でわかったふりをする。それはできるだろう…と思ってしまうのだ。


これが一番困る。


身体動作はある意味自動化している。歩くのだって、立ったり座ったりするのだって、誰も考えて行っていないでしょう?


これは実はギターでも一緒なのである。


「1弦の5フレット押さえてね!」という時に、ほとんどの人は無意識に今までの身体動作で慣れてきたアクションを用いて弦を押さえるのだ。腕全体のバランスや指関節の正しい形など無視して、指を動かす。


一応「フレットを押さえる」というアクションはできている。この「できている」つもりが一番厄介。本当はポジションや高音弦や低音弦までのレンジを考えた指の形を作っていかなくてはならないし、その動きはできるだけナチュラルなものでなくてはいけない。身体の動きの合理性にかなっていないといけないのだ。


なので、ギター未経験者は自動化された指の動かし方を再調整(再プログラミング)しなくてはいけない。


実際のレッスンではそのような再プログラミングが続くのである。1年も2年も。


話を戻そう。


人間は「動作が先」なのである。「体が先」。よく脳みそが命令を与えて体を動かしている…と思っている人が多いが、その脳みその命令は非常に雑であり、今まで培ってきた「できる動作」で代用しようとする。クラシックギター演奏に必要とされる左右両手の動きは、その「できる動作」よりもより精緻でバランスのとれたものでなくてはならないのだ。


ギター未経験の人でも、フレットは押さえられるし、弦を引っ張り上げれば音は一応出る。でも、その両手の動きでは将来的にきちんとした曲は弾けないだろう。


そのくらい実は一般の人の身体の動作は「雑」で厄介なことに「自動化」されてしまっているのだ。そして、きちんとした美しく理にかなった動作を脳みそに「再プログラミング」させなきゃならない。


そんなことをいつも考えているのだけど、たまたまこんな本に出会った。






ヤング向けに書かれた本。とはいえ、ムッチャ面白い。

身体は「不自由」である。だからこそ、それが個性があり、体というものをそのように扱ってあげてね!という本。(ざっくりしているなあー)


この本が素晴らしいなあーと思ったのは、身体というものは「自分の思う通りにはならないよ」と明言していること。著者の方自身が「吃音」者であり、その経験から書かれている。


その経験をもとに身体の不自由さと脳みその関係をわかりやすく解いている。

「体が勝手にやっていること」がある。

「頭と体が連動しないエラーが起こる」こともある。


この「身体の不自由さ」と「頭と体が連動しないエラーがたくさんある」という二点を考慮するだけでも、奏法を学んでいくことのヒントが得られる。


レッスンでは僕はよくこう言う。


「自分の脳みそって馬鹿なんだよ。手懐けないとね」と。


1つ1つの動作を確認して、身体の理にかなう動きを細分化して学んでいかないと、脳みそは勝手に「この動作でいんぢゃね?」って適当な動作で代用しようとする。

だから、1つずつのアクションを正確に行って脳みそを手なずけていかないとダメなんである。


だからこそ、動作について考えるときは「体が先」なんです。そして、新しい動作をやるときは身体の感覚を優先することも大切。

お馬鹿で怠け者の脳みそに優先権を与えてはダメなんです。


そんなことを考えながら、いっつもレッスンしてます。

上記の本も絶対に面白いです。30分もあれば読めてしまう本ですが、身体について正しい理解を与えてくれる基本書。

ちなみに伊藤亜紗さんの本はどれも面白い。




この本も芸術と身体との関わりという意味で目からウロコがボロボロ落ちた。

そんなことを考えながら書いた本、僕の新しい本ももちろんよろしく。まずは「やってみること」。解説や動画を見ながら自分の言葉で皆さん言語化してみてくださいねー。それがとっても大事。

【1日】に【3つ】のフレーズを【5分】ずつ弾くクラシックギターワークアウトブック
ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス
2022-01-26



奏法を分解する

日曜ワークショップで、明日「im交互運動」をテーマにワークショップを行います。



最近、奏法を分解して説明するのが大好きになってきました。もともとそういう研究は無茶苦茶好きではあったのですが、自分へのリターンも大きいからです。

そういえば、先日もスペインギターフェスタ夏の祭典で「pのタッチ」のワークショップをオンラインで行いました。
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おこなった直後から受講してくれた方に「pの響きが変わった!」と感想メールやメッセージをいただきました。実は僕もこのワークショップ行った後、pがとても安定しているのに気づきました。

ガッチリと弾弦プロセスを解説し実演しながらなので、「普通に基礎練習している」状態になっていたのでしょうね。

普段から短い時間でプロセスを確認しながら基礎動作のチェックはやっています。これはメンテナンスみたいなものですから、設計図を確認しているわけではない。

で、設計図を確認しながら部品を分解してみると、「こういうことやっていたんだ!」と自分の弾き方の総点検になるんです。

ワークショップをやると、そういう総点検みたいな感覚になるのです。

というわけで、明日のワークショップではimの交互運動を「分解します」。これ以上ないくらいに分解しておりますので、クラシックギターの基本中の基本であるimの交互運動は誰でもマスターできるはずです。

というわけで、皆様のご参加お待ちしてます!
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