昨日、22日に行われた「神成理を聴く会」無事終了いたしました。
やはり、すばらしい奏者は素晴らしい!ということが全体の感想です。
当たり前のことですが、良い演奏というものは、聴くほうにごちゃごちゃと考える余地を与えません。
「あ、そこのフレージングが・・・」とか「ダイナミクスのつけ方が絶妙!」とか考えさせるような奏者は良い奏者ではないように思います。
知らないうちに演奏にひきこまれていき、その奏者の音に包まれる・・・というのが良い演奏だと(最近)思います。
そういう意味では、今回のスタジオSKは理想的でした。程よい大きさと、残響がギターには向いていると思います。
神成さんのレパートリーも素晴らしいものでした。それにしても、神成さんのレパートリーの豊富さと、完成度の高さには舌を巻きますね。
個人的には「ラ・マンチャの唄」が、秀逸だったと思います。楽譜だけみると、いっけん「つまらなく」見える曲の代表例です。
トローバ作品は、奏者がスペイン音楽の表現法を知っているかどうかが問われる作品です。久々にトローバらしいトローバを聴いた気がしました。
デュアートの「盗賊の唄による変奏」も素晴らしい。神成氏いわく、ブリテンやウォルトンの影に隠れてしまって、その真価が過小評価されているとのこと。
・・・確かに実は良い作品が多く、もっと弾かれても良いものがおおのが、このデュアートという作曲家ですかね。
実際、ギターのことをよく知っているので、演奏効果も高いというのもデュアートの特徴です。
神成さん自身による編曲のソレールも秀逸でした。よく聴くと、実に難しいことをやっていました(通奏低音の維持や音の跳躍など)。
それをさらっとやれるということは、やはり奏者の実力。
「悪魔の奇想曲」も久々に実演を聴きました。この曲はやっぱり音が美しくないと駄目な曲だったのだな、と再認識。技術的にも難しいですが、ピアニッシモでの歌いまわしと美音がやはり、この曲を演奏するための最低条件となるのでしょう。
以上、22日の個人的感想でした。