ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

タッチ

2019.8 新サイトOPEN!
https://tomikawaguitar.com

富川ギター教室(東京渋谷) https://tomikawaguitar.com
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※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

お仕事依頼&お問い合わせは下記メールへお気軽に!
tomikawaguitar@gmail.com

右手のタッチ〜響く音とは?

明日、ワークショップを行います。
日曜ワークショップのシリーズで「右手のタッチ」をテーマに行います。伝統的奏法であっても現代奏法であっても、良いを出すための立脚点は「身体」です。「身体」の正しい把握なしには、奏法について正しい考え方を導き出すことができません。

とはいっても、伝統的なメソッドをしっかりと正しく「行うこと」で、正しい身体感覚を養っていくことも「正しい」勉強方法でもあります。

頭で理解する・・・そこから正しいタッチを身につけていくこと。これも正しい。

その一方で、ひたすらにアポヤンドを練習する・・・そこから「身体感覚を磨いていく」。これも正しい。

これら矛盾するかのように見える両者のアプローチをきちんと整理するような講座にしたいと考えています。

まずは身体の正しい把握からスタートします。
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「骨格」をしっかりと意識しましょう!最近、レッスンをしていても気づいたことですが、男性は「筋力」が強いので、どうしても力づくで構えたり、無理やり指だけの力で弾こうとしてしまいます。

筋力の弱い女性のほうが、「身体のバランス(=骨格のバランス)」を掴みやすいのです。

ワークショップでは、骨格を意識することで、音の変化を実感できるようにみなさんを導いていきます。実際に私の個人レッスンで10年以上前から取り入れている簡単な基礎トレーニングをやってもらいます。100パーセントの方が「音の変化」を実感してもらえます。

テキストも完成しました。

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詳細は日曜ワークショップブログにて確認ください!

門下、流派問わず誰でも参加いただけます。



 


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武井壮さんの「スポーツ上達論」から楽器演奏を考える


まずは上記の動画を全部見てください。運動タレント(?)の武井壮さんです。かなり「まともなこと」を言っています。彼が頭脳派であり、そして経験からしっかりと学んでいるのが分かります。

自分が思っているとおりに身体を動かすことがスポーツの基本!と言っています。実はギターなどの楽器演奏でも同じ事が言えます。実際に私が自分の演奏や生徒さんへの指導で大切にしていることは身体の構造、指の構造などの観点からまずは分析し、そこから導かれた正しい身体動作をもとに「奏法」を考える…ということです。

ひとつ例をあげてみましょう。右手の関節は指先からDIP関節、PIP関節、MCP関節といいます。このMC関節をしっかりと動かすことが右手タッチの秘訣です。では、みなさん一つ実験してみてください。
まずは右手をリラックスさせます。そして、右手のMCP関節だけを使って指を動かしてみてください。曲げる方向に。
目をつぶって第三者に見てもらうとよいかもしれません。

…どうでしたか?

もしかしたら、MCPだけを動かしているつもりでも、PIPが強く曲がっていませんか?場合によっては、MCPは全く動いておらず、PIPだけ曲がっている場合も多いのです。

最近、ある生徒さんとのレッスンで動画を撮りました。本人に「イメージ通りに動いていない指」を確認させるために撮影しました。

pimaとpiamのアルペジオです。プランティングで練習させています。




同じパターンですが、MCP関節からの動きを意識させてから弾いてもらいました。だいぶ「イメージ通りに」右手薬指(a指)が動いているのが分かります。



この違いこそが「自分が思っているように動作しているか?」ということです。武井壮さんの言っているとおり、ほとんどの人の動作にはイメージとの誤差があります。ギターは特にそういう楽器かもしれません。「指を根元から曲げる」と考えてはいても、MCP関節の位置が明確に意識されていること&その関節だけを動かす筋感覚が明確に意識されていなければ、誤作動してしまいます。ほとんどの人はPIP関節からのアクションが大きくなってしまうのです。

そして、通常の動作で実現できないものは、ギターの時にもできません。

昨年、クラシックギター奏法総点検というワークショップで、二回にわけて右手と左手について講義しました。

クラシックギター奏法総点検:右手編
クラシックギター奏法総点検:左手編

そこでも、解剖学的にまずは自分の身体の地図(ボディマップ)をしっかりと認識させるところからスタートさせました。そうすると、普段の生活でも「練習できる」のです。当教室で定期的にアレクサンダーテクニークのワークショップを開講しているのも、身体の感覚に鋭敏であることを知ってもらいたいからでもあります。

身体の軸が整えば、武井壮さんがいうように「目安」ができるわけです。そういう正しい身体感覚をしっかりと身につけ、それを楽器奏法に応用していくこと…これがクラシックギター界において、今後主流となっていく教授法となっていくでしょう。

最後になりますが、武井壮さん…なかなか知的な方だと思いました。今までそういう印象がなかっただけにちょっとびっくり。沢山のヒントを頂きました。ありがとうございます!



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右手親指のタッチについて

突然ですが。。。

右手の親指のタッチやアングルについて説明してみようと思います。

そして、意外に生徒さんって自分の親指の動きに注意していないことが多いのです。なので、たまに動画を撮ります。本人にチェックさせます。今日もレッスン時に動画をとりました。右手親指の矯正の過程が面白いくらいわかりますので、YouTubeにアップしました。是非ご覧ください。

まずは矯正前。「今まで通り弾いてみてね!」と言って、弾いてもらったもの。



 右手親指が弾弦後、表面板から離れる方向に動いています。「弦を引っ張り上げている」というわけです。

さて、そこで、右手の親指のアポヤンドをちょっと練習してもらいました(1分ほど)。それで、「アポヤンドのように指をできるだけ表面板に水平に動かすようにしてみてね。ただしアルアイレでね」とアドバイス。

そうするとこうなります。

 
格段に低音の音量が豊かになりましたね!

『指を表面板に平行に動かす』だと表面板に与える振動は減るのではないか?・・・と思う方もいるかもしれませんが、実は爪の形状によっては、「弦を表面板方向に押し込む」ことが可能となります。もうすこし、この生徒さんはこのことに気づけるとより「深い」音がでると思いますが。。。(このことは明日の日曜ワークショップで詳しく解説してみたいと思っています)

しかし、4弦の音がちょっと「軽い」ですね。おそらく親指の弾弦時のアングルが「弦に対して斜めすぎる」のでしょうね。なので、右手全体の位置を少し修正。

こうなります。



どうでしょう?4弦と6弦の音の「太さ」が一定になったと思いませんか?

あと、他の指もアングルが若干変化するので、全体として「まろやか」な音になっています。



・・・という感じで、日々、生徒さんとのレッスンでは「いろいろ考えて」アドバイスを与えています。かなり頭は使いますね。だけど、生徒さんの「音色」「音楽」が変化している様子は本当に楽しい!

上記のタッチについては、明日のワークショップでも解説してみようと思います。お楽しみに!




 


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富川勝智

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レッスン覚書ミニ〜2009年2月19日〜21日

  1. 全音版、コスト27のエチュード。見事なくらい原典の意図を覆しているアーティキュレーションやダイナミクスをつけているところが散見。このエチュード集をやる人は、原典を買うように。
  2. 消音の技術というのは古典では特に重要。バスの進行を明確にすることができます。
  3. 右手のタッチ。指の動きは一定と考えて、あとは腕の位置をいろいろと変えていき試す。スコット・テナントのパンピングナイロン(本)では右手の位置をアポヤンドとアルアイレで前後させるという記述があるが、これは右手の一番指先に近い関節をコントロールすることによって、動かなくすることも可能。このあたりは両者を試して、自分に楽なほうを選択するべきである。
  4. カルカッシ25のエチュードの12番。シャープの意味を注意深く吟味。シャープは基本的に半音上に解決すると予測しておくこと。それ以外…「あれ?」と思えるようにする。それを音で表現するわけだ。フォルテでも、ピアノのでもいいし、アクセントでもよい。「間」をつくるのも「?」感を出すのによい表現手段である。
  5. 簡単な曲でも右手の運指を疎かにしない。丁寧につける。初心者では特に右手の安定を基本に運指をふるべし。
  6. ソル、Op.44。モチーフの展開を考える。その大きさの大小を比較検討。
  7. スラーはある意味でドミナントとトニックの関係として考える。どう表現するかよく分かる。技術上のスラーもあるので(弾きやすくするため)、その区別もよくチェックすること。判断はなかなか難しいが、作曲家毎に違うので、そのあたりは研究。
  8. 子どもの生徒。メトロノームの数値について、だいたいのイメージをつかませる。大であれば「速い」。小であれば「遅い」。「ゼロはないの?」という質問にはとりあえず「ないよ」と返答。こういう哲学的な質問は困るなあ。
  9. カルッリ45のエチュード。23番。エチュードというものはその学習目的がはっきりしている。このカルッリのエチュード集もそうである。これ以前のナンバーでは大まかに各調性の音階的ポジション、和音的ポジションを把握させ、この23番ではそれらのミックスが学べる。非常によくできたエチュード集であると思う。
  10. ある程度、弾けるようになったら、その曲の「曲目解説」を書いてみる。そうすると、「客観的に」その曲を分析することができるし、自分が見過ごしていた点もチェックすることができる。
  11. ピアソラ。ブエノスアイレス。ジャズ的なベースラインの部分は、無理してつなぐ必要なないかもしれないが、その間の感じでグルーヴを生むように工夫すべし。
  12. タッチ。アポヤンドで音を確認。そして、その音圧をアルアイレで実現するように試みる。そうすると正しいタッチを得ることができる。
  13. ひっかき弾きを矯正するために、アポヤンドをしばらくの期間やらせることは初心者に対しては有効。
  14. ソル、エチュード6番。右手の運指の「規則性」をチェックすること。ルールといってもいいが。
  15. ターレガ、ワルツ。左手のポジションがぐらつかないように注意。和音と旋律的要素のフォームをできるだけ統一していく作業が肝要。

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「音=振動」(簡単な音色の理論とギターの特殊事情)

1月に行なった「ギター奏法の基礎の見直し」講座に参加した方の中に様々な変化が起こっています。みな、基本の理論をもとに、各自の奏法を研究してくれるようになっています。

とてもいいことです。

レッスン時においても、前回の講義で分かりにくかった部分を個人的にフォローして欲しい、という要望もでてきております。

なので、簡単にまとめておきます。

音というのは「振動」です。そして、その「振動」をいかにして起こすか、そして「振動」をいかに「楽音」としていくか…このあたりを研究していくのが「奏法」ということになります。

つまり、どのような振動が「楽音」(音楽を奏でるための音色ですね)なのか?…逆にどのような振動が「雑音(ノイズ)」なのか?…以上2つを明確に区別することが奏法を考える上で最重要事項です。

消去法が簡単です。

まず「ノイズ」について考えましょう。基本的に「引っ張りあげる」のは「雑音」つまり「ノイズ」です。

以下の写真を参考に。

(写真1)

弦をひっぱりあげる

上はギターの3弦を上方向に引っ張っているところ。そして、1センチくらい上げたところで離します。…ばちーん。耳に痛い音ですね。これは「ノイズ」だと思います。

(そう思わない人は逆にいえば相当耳の「肥えている」人です。理由は下記。)

(まれに現代音楽とかで、このノイズを「楽音」と定義する場合もあります。それを「バルトーク・ピチカート」と呼びます)

基本的にクラシックギターの音色の範疇ではありません。この弦の振動(もしくは振動方向)を避けることが大切です。表面板に対して垂直方向の振動ですね。

ところで、表面板に対して垂直方向の振動であっても、「ノイズ」にならない場合もあります。

以下、写真を参考に。

(写真2)

弦を引っ張り下げる

5弦を表面板方向に押し下げているところです。そして離します。これは写真1の「ひっぱり上げる」ときと同じくらいの距離を引っ張っても、ノイズにはなりません。(お試しを!!)

そうなのですね。「音色」として使う垂直振動は、表面板に対して押し下げるタイプのものは「楽音」としてOKだということです。

もうひとつ、弦を表面板と平行に振動させるものもあります。これは「ノイズ」とはなりません。

一般的なアポヤンドのタッチはこの平行振動です。

もちろん、アポヤンドでなくても、この平行振動に近いものは実現できます。このあたりの議論は、アルアイレ中心主義者とアポヤンド中心主義者の議論の論点となっているようですが…

 

ある程度まとめておきます。

  1. 垂直振動
  2. 平行振動(一般的にはアポヤンド)
  3. 上記1と2のミックス(一般的にはアルアイレ)

そして、垂直振動と平行振動では「音色」が変化します。このあたりは楽器によって誤差があります。1と2で変化が欠しい楽器は音色のバリエーションに欠しいということです。

(括弧内)は便宜上のものです。

アルアイレでも振動方向を平行振動に近い形にできます。逆もしかりです。既存のアポヤンドのフォームでしか平行振動を実現できない奏者もいまだいますが、現代的な多くの奏者はアルアイレで極めて近い音色を実現できるものです。

このあたりの理論的裏づけがない「奏法理論」はからまわりすることが多いです。結局、「アポヤンドでしか出ない音色がある!」とか、「アポヤンドは不要だ!」という極端な方向に走ることが多いのです。

結局「音色」を決めるのは、弦の振動方向ですから、それが実現できればよいのです。
 

その音色のバリエーションを増やす方法(=弦の振動方法を変化させる方法)は、演奏家によって異なるわけです。それを「俺のやり方は正しい」「あっちのやり方は間違っている」といってもしょうがないわけです。

音色に関しては右手のアングルなども関連があります。これについてはまた機会があるときに書きますね。

 

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