レッスンの時にリズムを感じてもらうときに、注意している点があります。

それは、「体でリズムをとらないこと」です。


リズムを感じるな!…と言っているわけではありません。リズムをしっかりと感じることは大切です。そして、リズムを作っていく為には正確な技術が必要です。正確な技術があれば、音を出すタイミングをコントロールできます。そして、リズムがコントロールできるわけです。

意識されていない身体のぶれは、この技術を不正確にします。そのことを生徒さんとのレッスンでは指摘することが多いです。


例えば、パーカッショニストのことを想像してみましょう。パーカッショニストはリズム命ですね。音を出すタイミングが狂えば、グルーヴがでません。なので、身体の動作を徹底的にトレーニングします。イメージしたタイミングで音をだせるように技術を研鑽します。


では、パーカッショニストでない我々ギタリストは、身体で正確なタイミング感を表現することは可能でしょうか?ほとんどの場合で不可能なのです(その人がバレーやダンス、打楽器などを専攻したことが無い限り)。

ギターの音を弾くための集中が必要です。そして、身体を動かすためにも集中が必要なのです。


この両者を完璧に出来ている人はいません。


ほとんどの人が「感覚的に」頭をふってリズムをとったり、足でリズムを刻んだりします。そして、それをギターを弾きながら行ってしまいます。頭でリズムをとる、足でリズムをとる…そのタイミングがイメージ通りのタイミングにはなっていないことがほとんどです。


では、どうしたらよいのか?


まずは読譜をしたら、リズムだけをとってみてください。手拍子であれば、比較的誰でも「イメージ通りの正確なリズムやノリ」を表現できます。音価の短いものや長いものの組み合わせで全てのリズムができています。それに注意して手拍子をとってみてください。


そして、イメージをつくったら、それをギターの音だけで実現できているか?…確認してください。みなさんに知ってもらいことは、音を出すタイミングを決めるのは弾弦のテクニックです。それを正確にやること。これが大事。

なんとなく頭をふったり、体を揺らしたりしていませんか?…そして、それがあなたが実現したい音のタイミングと完全に一致していますか?…それを考えれば、答えはわかると思います。


このように言うと、演奏中にどの奏者もカラダを動かしているじゃないか!と反論する方がいます。でも、優れた奏者は音楽のイメージが先行しています。その音楽の流れに身を任せてながら身体を動かしているのです。もしくは、舞台上の演出技術として「身体を動かしている」(=まるでバレーダンサーが動きで音楽の流れを表現するように!)のです。


いずれにしても音楽のイメージが「音」を導きます。

それをしっかりと理解してリズムトレーニングを積むことが大切です。ギターにおいては指先の発音タイミングや音色に気を配ることが大切です。