表現力っていうのはなんでしょうか?そしてどのように学ぶべきなのか?ということをテーマに連載しております。(今のところ、5回まで連載するつもりです!)
今までの記事はこちら↓
音楽表現を考えるためのヒント1
音楽表現を考えるためのヒント2
音楽表現を考えるためのヒント3
ということで「音楽表現を考えるためのヒント」第四回!
今回はこの3つのうち、リズムについてお話ししてみたいと思います。
リズムについては、今までもこのブログで何回か扱ってきました。
例えば、以下の記事。
リズム・パルス・拍節を整理するために!
また日曜ワークショップでも、扱ってきたテーマです。
音楽の知識を得ること、そして実践すること
では、順を追ってみていきましょう。
拍節とはなにか?について考えるためには以下の本が参考になります。
藤原氏の本は、拍節のプロポーションについて実に明快に説明しています。この本で述べられていることをもとに、指揮法の図形などを研究してみると勉強になると思います。 指揮法についてもいろいろな本がでていますが、藤原氏の自然リズムのプロポーションと近い発想をもっているのは以下の本です。
増田
宏三先生の本は現在入手困難かもしれません。もし、古本などでも入手できれば、是非!…とてもわかりやすい「指揮法」のテキストです。
ベーシックな指揮法の本としては、これです。
この本だけだと、堅苦しくて、わかりにくい…という方にはこの「斎藤式指揮法」の参考書としてこの本がおすすめです。
この高階正光さんの著書は「隠れ名著」だと思います。斎藤式指揮法を「どう教えるのか?」という観点から書かれています。生徒さんとの対話形式で書かれているので、何を注意したらよいのか…ということが読みながらわかります。
指揮法の本を中心に紹介してきましたが、指揮図形のプロポーションに「拍子らしさ=拍のプロポーション」が含まれています。このプロポーションを自分のなかにとりいれることで、二拍子らしいプロポーション、三拍子らしいプロポーションが理解されます。
指揮法を学ぶことは自分の身体のバランスを整えることにもつながりますので、楽器演奏全体にも良い影響を及ぼします。そのためにも指揮法の研究はとても有意義です。
さて、次はリズムについてです。
リズムとは何かを理解するためには以下の本が参考となります。
もう一歩踏み込んで「リズムとはなにか?拍との違いは?」ということを考察したい方には以下の本をお読みください。
ジゼール・ブルレによる定義は以下のようなものです。引用します。
「真性な音楽的なリズムとは自由リズムであり、正確にいえば繰り返しを逃れるリズムである。そこで行われるのは似たもの回帰であって、同一なるものの回帰ではない。=拍子は反復し、リズムは更新する」
上記の著作がリズム全般を考える上では必読と言えます。もう一冊、リズムを考える上で必読書があります。
旋律のリズムについてよくまとまっている本です。認知心理学的なアプローチで書かれています(マイヤーはその分野での巨匠です!)。
音楽の認知心理学的なアプローチって何?という方は、以下のブログ記事を参照していただけるとちょっとわかるかもしれません。
期待と裏切り
上記記事から引用します。
上記のように一定のテンポで弾いていく場合も、テンポが詰まっていく場合もテンポが緩まってくる場合も「期待」があります。「あ、次の拍の点はここに落ちてくるな!」という「期待(予測)」です。しかし、それが「裏切られた場合」、聴き手の驚きを招きます。失望ですね。これはいずれにしても「緊張感」を導きます。
この期待と裏切りを音の長短の組み合わせ(つまり、リズム)で分析していったのが上掲書となります。最初わかりにくいかもしれませんが、じっくりと読んでみるとたくさんのヒントが得られます。
もう少し、このあたりを噛み砕いて知りたい方は以下の著作もおすすめです。
マイヤーの理論などについて、わかりやすく説明しています。
リズムというと伴奏の意味でしか知らない人が多いですが、旋律にもリズムがあります。そして、音楽において「リズムが一番大切」と言い切る人もいます。そのくらい大切なものですので、しっかりと勉強していってくださいね!
パルス、リズムと拍節、拍感…それぞれの用語を丁寧に各自定義を考えていってください。そして、楽曲の中で応用していってください。そうすることで「音楽は生命力の満ちた」ものとなります。
では、「音楽表現を考えるためのヒント5」へ続きます!
音楽表現に関しては、次回の日曜ワークショップでも扱います。
表現力についてヒントを得たい方…ぜひ日曜ワークショップ「表現力アップの秘訣!」に参加ください!
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