ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

上達

2019.8 新サイトOPEN!
https://tomikawaguitar.com

富川ギター教室(東京渋谷) https://tomikawaguitar.com
https://tomikawaguitar.sakura.ne.jp/wp/lesson/
※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

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tomikawaguitar@gmail.com

上達するために!〜練習の仕方を学ぶための参考書

明日の日曜ワークショップにて「練習の仕方」を講義いたします。

そのために、たくさんの関連書籍を再読いたしました。
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こんな感じで10数冊を再読+要点を整理。
ワークショップにでる方も、でられない方も是非今後の練習をより洗練させていくうえで、参考になる本がたくさんあります。中でも、これは!…というものを紹介いたします。


 →なんど読んでも、役に立つネタがたくさん盛り込まれています。熟達者とは何か?何ができるようになるのか?…という部分の説明がしっかりとなされています。この部分が冗長に感じるきらいもありますが、情報量+ヒント量においてとてもお買い得な一冊です。


→ 見開き2ページで各項目ごとにシンプルにまとまっています。練習法や上達についての「まとめ」に。辞書的に使うとよいと思います。もちろん通読しても、役に立つように項目立てされています。


→実際にスポーツの現場で応用実践された「練習理論」について書かれた本です。各ルールごとに豊富な実例が書かれています(これが本の分量を多くしてしまっている理由なのですが)。エッセンスを抽出することに若干手間取るかもしれません。練習についてのフィードバックをどのように扱っていくか…という点についての説明が特に素晴らしいです。

学問の技法 (ちくま新書)
橋本 努
筑摩書房
2013-01-09

→「学問」全般についての本ですが、「学ぶ」ということ全般について知ることは、楽器の練習についてもあてはまることがたくさんあります。つまり学びの技術について全分野にあてはまることが書いて有る本です。


→最近はテレビでのコメンテーターなどの活躍で有名になっていますが、もともとは教育学&身体技法関連の研究者で、優れた著作を残しています。高岡英夫氏との関わりがあった時期の文章などはやはりハードで難解ですが、この本では「身体技法」について実にわかりやすく書いています。とくに「型(かた)」についての記述には未だに多くのヒントが隠されています。

学ぶ方を学ぶ…これはクラシックギターだけの練習法に限らず全分野について共通する「大切なこと」です。みなさんも是非上記の本のいずれか読んでみてください。

明日はクラシックギター及び音楽についての「学び方」をレクチャーいたします。

当日会場にてお待ちしております!


ひとりでも上手くなる練習法〜練習の仕方を練習しよう!
 

寝かせること…弾けるようになります(そして分析を忘れずに!)

さて新年にはいり数週間たちました。生徒さんとのレッスンでいくつか気付いたことがありましたので、書いておきます。

ある程度練習した曲は、たとえ弾けない部分やうまく決まらない部分があっても「寝かせる」ことによって、弾けるようになることがある…ということ。

実は昨年末の最終レッスン日に何人かの生徒さんに以下のようにアドバイスしておきました。

「冬休みで時間があるときに新しい曲に取り組もうと思ってしまうけど、できれば今年やった曲をさらっといいから全部弾いてみてね!」と。

そして、今年になって上記のアドバイスをした生徒さんたちのほとんどが「昔弾けなかった曲が弾けるようになりました!」と言ってくれました。

これは何故なのでしょうか?「寝かせることによって熟成されたから!」という抽象的な説明も可能です。でも、ワインとかブランデーじゃないんですから…何か他に理由があるはずです。

理由はいろいろ考えるとは思います。ひとつ考えられるのが、他の楽曲を練習しているうちにほかの技術があがって、以前弾けなかった部分が弾けるようになっているという理由です。

え、よくわからないって?

たとえば、タレガのラグリマの9ポジションセーハで弾く部分ですが、ここは大半の人は「セーハが難しい」と思っているはずです。ですが、実はもうひとつ技術上の難しさが隠れています。それは左手各指のポジション内での独立です。つまり、この部分には二つの技術的な問題が含まれています。

この部分が弾けるようになるためには、セーハと各指の独立という二つの技術が上がっていかないとしっかりと決まりません。つまり、他の曲で3指と4指、および1指の独立を意識して練習していった結果、ラグリマのこの部分も押さえやすくなっていくのです。

step-by-stepで、段階的に弾いていけば、どの曲でも完璧に弾いていけるわけではありません。ひとつひとつの技術的な要素を正確に行い、それが手の内におさまるまで練習していくと、複合的な難所を含んでいる箇所を征服することができます。シンプルな楽曲を「守るべきこと」を正確に守りながらクリアしていくことが普段のレッスンでは大切です。

取り組んでいる楽曲の中で、数カ所弾けない部分がある場合、しばらくは解決方法を探し悩んでみるのは有効です。ですが、技術にはある程度の時間をかけて馴染ませていくべきものも多いのです。その技術がその時点では雑になっている、もしくは意識されていないことが多い。なので、他の楽曲に取り組むなかで馴染ませていくしかありません。

そして、以前難所であると思っていた部分に取り組んだ場合、あら不思議!…弾けるようになっているのです。最初に取り組んだときに発見した「自分が考えていた技術的弱点」以外の技術が上がることで弾けるようになります。

つまり難所と呼ばれるものはいくつかの技術的な要素が絡んでいることが多いということです。それらの要素を分割したものが「基礎練習」というものです。たとえば、私がレッスンで用いており「基礎技術の集大成」と考えているホセ・ルイス・ゴンサレス・テクニックノートに書いてあるようなものですね。

ラグリマのこの部分が弾けたようになったならば、何故それが弾けるようになったのか?…分析してみることも学習上大事なことです。自分ひとりでは探しにくいですので、優れた指導者とともに行ったほうがよいです。

こういうことがあるので、昔から「とりあえず楽曲には寝かせる時間が必要」と言います。ただし、何もしなくて上手に弾けるようになるわけではありません。そのほかの技術があがり、その人の全体レベルがあがると以前よりもうまく弾けるようになるだけです。

なので、「石の上にも三年」です。

ある程度弾き込んだ時点で、いろいろな曲に取り組んでいきましょう。そして、しばらくたってから以前にやったレパートリーを復習しましょう。そうすると弾けるようなっている部分が増えているはずです。

私のレッスンでは「どんどん先に進んで行く」と「この曲のこの技術だけはしっかりクリアしてほしい」という部分が混在しています。この段階ではこの曲はこの技術や音楽的な要素をクリアしてね!…という私なりの目安があります。一曲一曲完璧に弾けなくてもよいのです。

長く習っている生徒さんはセゴビア編20のエチュードを5年以上に渡って、5回ほど復習している方もいます。つまり何回転もしているのですが、そのたびに新しくできるようになっている技術が増えていきます。そして、毎回違うタイプのレッスンになっていきます。

技術があがって「弾けるようになっていく」プロセスというのは本人には理由が明確に把握できていないことが多いのです。もし、これが自分で正確に把握できるようになれば、「プロ」です。この次元までいく必要なありませんが、みなさんも復習をしてみて「あ!弾けるようになった!」と思った部分があれば、少しだけ頭をつかって分析してみましょう。ほとんどの場合、最初弾いたときには気づけなかった技術的な要素が進歩していることがその理由です。


 
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