ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

和声の変貌

2019.8 新サイトOPEN!
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シェーンベルクとギタリスト(和声のどつぼに嵌るための参考文献)

実は周辺にいるプロギタリスト志望およびすでにプロとして活躍している人とで勉強会をスタートしました。

すでにコンクールなどで優秀な成績を収めている若手が中心です。

もともとは私が20代のころに読んで勉強になった本で、今再読しても発見のあるものを勉強しなおしたいなあ!・・・と思ったのがきっかけです。ちょっと偉そうに先輩風を吹かしてみようかなあ・・・と。で、周辺にいるプロギタリスト及びコンクールで活躍中の若手に声をかけてみました。自然に集まりました。

読書会的なものです。人間ひとりで勉強するのは大変です。みんなで集まればいろいろとアイデアも沸くでしょうし。

課題図書はシェーンベルクの「作曲の基礎技法」です。

賛否両論ありますが、私はシェーンベルクのロジックが好きです。できるうるかぎり言葉で説明しよう!と考えている点が素晴らしい。音楽家として「言葉でできるうるかぎり説明したい」と考えることは重要だと私は思っています。音は言語化することは完璧にはできませんが、将来教える立場にたったときや、ほかの音楽家と議論しながら音楽を作っていく現場にたったときボキャブラリーは豊富であるに越したことはありません。

シェーンベルクなりの「言葉の使い方」というものを勉強できればなあと思ったわけです。通称「シェーンベルクゼミ」です。なにか秘密結社みたいでいいでしょう?

というわけで、1回目が終わりました。どのように勉強していこうか?というところから話合いました。まずはシェーンベルクの言わんとしていることを理解するために音読。そして、そこから譜例をできるうる限りギターで音をだして耳で確認。。。次回までギター曲の中で同じような例を探す「宿題」も出しました。

まあ、私は進行役みたいなものです。ちょっとだけ経験が多くて、若手よりは年食っているだけ&一応プロとしてこれで飯を食べてる・・・というだけです。みなと一緒に勉強して非常に楽しかったです。

そして、うーん、音楽理論って深いなあ!と思ったわけです。

若いころいっぱい音楽理論の本を読んだなあと思いました。1回目のゼミが終わったあと、ひさびさに引っ張り出した本はいくつかありました。

シェーンベルクの和声学の本。対位法の本。両方ともスペイン語版で読みました。(シェーンベルクの和声学の本は英語版ももっていて、今はそれしか持っていません。スペイン語版はどこいったのだろう???)

久々に以下の本も読み直しました。和声の歴史を俯瞰できて、歴史のなかで和声がどのように変化していくかよくわかります。あと、シェーンベルクの「調域」の概念も簡単に説明されています。

和声の歴史 (文庫クセジュ 448)
和声の歴史 (文庫クセジュ 448)
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白水社クセジュなので入手しやすいです。

以下の本も和声の深みに嵌るためには必読だと思います。私は大学生のころ呼んで「!!!!」と思いました。和声って深いなあ!面白いなあ!って思った本です。

和声の変貌―音高組織の論理 (1980年)
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ただし、現在絶版かな?図書館でも借りてぜひ読んでもらいたい本ですね。

シェーンベルクの和声と対位法の本は昔邦訳がでていましたが、現在は入手困難なようです。

「和声の構造的機能」の英語版は比較的安く入手できます。

シェーンベルクの「調域」の概念はドイツにおける西洋和声学のひとつの到達点であるといわれています。ぜひ知っておいて損はないです。

Structural Functions of Harmony
Structural Functions of Harmony
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作曲の基礎技法のほうはシェーンベルクがそれまでのベートベンなどの古典作品を分析し、どのようにして作品が生まれていくのかを分析していっています。

同様のことはわれわれギタリストの作品にも見出せるのか?・・・そんなことを考えながら、シェーンベルクゼミは進めていきたいと思っています。いったいどうなることやら・・・。でもやってみなくちゃわからない!・・・それが勉強だろうなあ、と思うわけです。

さて、和声に関してもうちょい読みやすく、入手しやすい本はないかなあ、と思い出した本。ありました!

憂鬱と官能を教えた学校 上---【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史 調律、調性および旋律・和声 (河出文庫 き 3-1)
憂鬱と官能を教えた学校 上---【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史 調律、調性および旋律・和声 (河出文庫 き 3-1)
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憂鬱と官能を教えた学校 下---【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史 旋律・和声および律動 (河出文庫 き 3-2)
憂鬱と官能を教えた学校 下---【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史 旋律・和声および律動 (河出文庫 き 3-2)
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ハードカバーで1冊にまとまっていたものが、文庫になっています。講義を文章化したものなので、読みやすいです。和声ってそういうものなのかあ!というのを「なんとなく」わかりたい人にはお勧め。きちんと読めばいろいろな問題提起がされていて深読みも可能な本です。

・・・というわけで、和声学に関連した参考図書をご紹介しました。

和声っていうのは深い学問です。そして、実は作曲家ごとの哲学も含まれていますし、哲学そのものである場合もあります。そういう意味で非常に面白いものです。

みなさまもその深みにはまってみましょう。どつぼに嵌ることもありますが、それも楽しくなってくると思いますよ(無責任!)。


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音楽本の寿命

音楽関連の本の寿命というのは実に短い。

特に理論書や本格的に作曲家を分析したものは特にその傾向が強い。

生徒に「この本読んでみたら〜?」って勧めてみても「絶版でした」という返事が来るものも多いので、困る。

大学時代に購入した本で、「和声の変貌」(エドモン・コステール)という本があるのだが、今でも折をみて参照する名著だと思う。これも先日、和声の歴史を詳しく知りたい!という生徒に勧めたが、絶版だそうで・・・。

私が持っているものも奥付をみたら、1980年発行・・・とある。もしこの時点から出ていないのだとしたら、27年も再版されていないことになる。

数年前まで入手できたものが、ある時点でまったく購入不可になる。これは実に困ったことなのだ。本格的な内容のものほど入手困難。

入門書の類は売れるのであろう。なんども再版されているものが多い。

 

ある生徒さんによると「ギター・ベースのための読譜と運指の本」(濱瀬元彦著)も絶版だそうな。緻密にギターの指盤と認識について書かれた名著なのに・・・。

 

ということで、そういう危機感があるので、私の蔵書も増えていくのです。なんだか音楽関連の専門書は、見たとき買わないと!という思い込みがあるようです。

お金がかかって困る・・・。

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