ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

室内楽

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デュオ論(生徒とのレッスンを通じて)

最近、デュオのレッスンをすることが多いです。

生徒のなかでも、自発的にデュオのレッスンを頼んでくる人が増えてきました。

さっきもブログに写真をアップしたのですが、通常のレッスンの合間に、デュオのレッスンがあるとリフレッシュできます。脳みその使い方が違いますし、室内楽のノウハウというものを教える面白さがあります。

生徒さんとのレッスンで、デュオの曲を教材に使うことはありますが、やはり「室内楽」のレッスンにはなりにくいのです。どうしても、こちらが持っている知識などを伝授することに終わってしまいがちです。

私はデュオの経験は多いほうだと思います。ギター2台だけでなく、フルート、歌、ピアノ、朗読…いろいろと経験してきましたが、やはり奏者の自発性を発揮できる現場が実に楽しいです。

もちろん、先輩音楽家にいろいろとアドバイスを受けながらのリハーサルは実に勉強になるのですが、これはなんとなく「レッスンを受けているようで」落ち着きません。

まあ、言ってみると、このアドバイスが過剰になってくると、「うざったく」なってくるのですね。もちろん、私も「絶対これは、相方、気づいていないなあ」という解釈の部分や、表現の部分は口に出して言います。逆に、相手から自分が見えていないポイントや切り口を指摘されるのは実にありがたいことです。

しかし、本当は(理想は)その「要望」を音にして相手に伝えることなのです。

デュオのリハーサルで、まず1回ざっくりと合わせます。相手がこうやりたいんだな…というのが分かります。もちろん、こちら側の「要望」も自分の演奏の中にこめます。

ここはぐわーっと盛り上がりたいんだよ!!とか、ここはあっさり弾きたいんだよなあ…というのを、一回目のあわせのときに伝えるわけです。そして、相手の音楽の方向性も感じ取るように努めるわけです。

 

結局、デュオなどのレッスンをしていると、そういう方法論を指導していることが多いです。

実際のレッスンにおいては、楽曲分析、フレージング、表現法などの知識面にフォーカスを絞ることもありますが、やはり私がデュオをレッスンする上で伝授したいのは方法論なのです。それはデュオをやる上での心構え、姿勢といったものです。

理想を言えば、最低限、各自が楽曲分析をすませ、フレージングや、ダイナミクスにおいて明確に音楽の方向性を指し示すレベルにいってから、デュオでリハーサルをすべきです。

お互いが楽曲にたいして明確なビジョンを持っていないのに、ただリハーサルをしても、それは実は「無駄な時間」である場合が多いのです。未知の楽曲のイメージをつかむために、とりあえず初見で…という場合は別ですが。

そして、各自がアイデア(イメージ)を明確にしてリハーサルに臨むわけです。たとえば、各自が10のアイデアを持っているとして、それを10×2名で20のアイデアにすることがリハーサルの意義です。

もちろん、お互いのアイデアが完全に合致する場合が多いです。なぜなら、音楽の表現法にはある程度の共通のルールがあるからです。

なので、その楽曲を演奏するために知っておくべき知識やアイデアが100であるとすれば、プロの演奏家であれば、各自80くらいはぱっと思いつくはずです。残りの20はデュオの合わせをしたときに、相手から貰うことが出来ると考えればよいのです。

もちろん、100の知識やアイデアを各自がもっていれば、完璧なデュオになります。1回合わせただけで、素晴らしい音楽を作ることができるでしょう。

 

さて、私は生徒には、上記のような考えから、生徒同士でデュオをする場合、その楽曲を演奏するのに必要な知識やアイデアを100と仮定した場合、各自最低10はもってから合わせをするべきであると教えることにしています。

例えば、ソルのデュオ曲をやる場合は、古典の様式や表現マナーを知らなくてはいけません。それは各自の通常のレッスンで、古典曲のエチュードなどから学ぶべきものです。もしくは、教師とのデュオ曲のレッスンを通じて、知識を得ていくものです。

そして、それらのルールや知識、つまりアイデアをそのソルのデュオ曲でも応用することが大切なのです。

まだ修行中の2名が集まる場合でも、各自ちょっとずつでも、そのアイデアを出してリハーサルをすることが大切です。

そのアイデアを具体化する方法を知らない人が2名あつまっても、アイデアはゼロです。そして、そのアイデアを相手に伝える気が無い人もいます(!)。相手が何か教えてくれるだろう…とただ待っているだけ…という受身の姿勢しかない人も多いのです。

そして、相手からのアイデアを受け取ろうとしない人もいます。もしかしたら、音として受け取れても、それを頭で処理できない場合もあるかもしれません。

そして、相手にそのアイデアを伝える方法、そして、そのアイデアを受け取る方法…これがデュオの方法論というわけです。これはれっきとした技術です。これはコミュニケーション論も絡んできます。実に室内楽というのは、「哲学」な分野なのです。人間関係、信頼関係に関しても意識を向けなくてはいけない分野なのです。

 

最近、この方法論を教える方法(まどろっこしいなあ)がなんとなく分かってきました。まだまだ勉強しなくてはならないことは多いですが…。

ということで、デュオのレッスンは、実に教えていて楽しいです。

通常のレッスンとは違うことを教えることができるので、脳みそのリフレッシュに最適です。

 

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ギター教室ロゴ

ギター&ピアノコンサート!!

さて、昨日はリハでした。

今週行うギター&ピアノデュオコンサートのリハーサルです。

いろいろやります。珍しいのはカルッリのコンチェルトでしょうか?

スペインの音楽院のカリキュラムにもギターコンチェルトというのがあって、やはり生徒にはアランフェスが人気。なので、このカルッリのコンチェルトは人気がなく…でも、いい曲ですよ!ペペ・ロメロも録音してます。

チラシはこれです。

全て、ギター&ピアノでのプログラムです。多くの方のご来場お待ちしています!

ギター&ピアノコンサート

 

 

 

 

 

 

 

まだ、チケットあります!

予約の方は・・・tommig@livedoor.com

お名前、人数をお知らせください。当日、受付にてご精算ください。前売り料金にてご入場いただけます。

 

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重奏コンクール雑感

先日のアコラでのレクチャー&演奏会の模様がアコラのブログにて記事になっています。管理人さん、とても多忙そうです。そのようななかでも先日のような企画を運営しているのには頭が下がります。

是非記事をおよみくださいね。

高橋達男スペインギター製作展・富川勝智ギターリサイタル

 

話変わって、昨日は重奏コンクールが練馬文化センター小ホールにて開催されました。

我が教室からも「rio ricoギターカルテット」が出場。見事一般特別賞を受賞!!…いやあ、良かったねえ。

私の感想としては、もうちょっと音量があるとなあ…という感じ。私が聴いた場所、会場の音の感じ。出演者の座席配置…さまざまな要素があると思うのだけど、このあたりは「慣れ」の問題もあるかもなあ。

まあ、コンサートと違って、自分達のためだけに会場の音響に配慮しながら、配置を決めることもできないので、しょうがないかもしれません。座る位置などはほんとうに10センチ違うだけでも、会場への音の「通り」は随分変わります。

まあ、どちらにしても、しっかりと強弱、アゴーギグのついた立派な演奏だったと思います。プチ合宿、普段の練習の成果は充分にあったのではないでしょうか?

そのほかにも数組印象に残ったグループがいました。

以下です。

ギターデュオPi-ma:味のある演奏。アーティキュレーションもしっかりしていました。音量もしっかりとあり、安心して聴けました。スカルラッティは「プレスティ&ラゴヤ編」とあったので、ギタリスティックなアプローチを狙った演奏だったのでしょう。ギターデュオの醍醐味を感じる良い演奏でした。

HANE Guitar Quartet:皆、音色もよく、すっきりとした「遠達性」のある音色。チャイコフスキーの世界観をしっかりと伝えていました。伴奏部分での「ノリ」も手抜きせず、しっかりとグルーブをキープしていました。このあたりは各人のソロ奏者としての技量、音楽性を抜きには語れません。やはり、各奏者が優れたソロプレイヤーであることが、しっかりとした室内楽を作るうえでの前提であるのだと実感しました。

クアトロ・パロス:若手イケメンカルテット。出てきた瞬間の「華やかさ」は素晴らしい。見た目だけでなく、しっかりと楽譜を読み込んだ丁寧な演奏。難易度の高い曲をしっかりとまとめていました。…何故か入賞ならず…(疑問!)。

 

全体の印象:あまりにも稚拙な「合わせ」のための首ふり…室内楽では無意味なアクションです。ギター合奏の分野では、許されるのかもしれませんが…奏者各人が共通した音楽のビジョンがあれば、首ふりや体を揺らしての「合図」は必要ないものだと思います。呼吸の深浅によって、お互いのそのときの「方向性」を微妙に感じながら、柔軟にテンポが変化していくのが、正しい室内楽のあり方です。古今東西、名室内楽というのは、基本的に体の動きは「静的」なものから生まれます。各自の頭のなかに「動的」なものがあり、それが自発的なものとして表面に発露するものであるなら、問題ありません。しかし、最初から肉体的な「動」を用いて、「合わせる」または「ついていこうとする」という行為は、室内楽という分野においては「稚拙な行為」であると思います。厳しい言い方かもしれませんが、正しい室内楽のマナーを身につけていたのは、今私が取り上げた上記のグループ以外にはありませんでした。

…とまあ、かってなことを書きましたが、このあたりは参加者各自、今後考えていくべき課題であるとは思います。どちらにしても、最初は首ふりで「合わせる楽しみ」から入っていっても構わないとは思います。その後アンサンブル経験を積むにつれて、「各自がもっている音楽のディレクションを統一していく」そして「そのディレクションを本番時にインスピレーションによって変化させていく余地を残す」ということを学んでいくことによって、室内楽というものは完成していくのだと思います。

 

 

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