金曜日に岩崎慎一さんとガッチリとリハしました。リハであれこれアイデアを試したりすることがすごい勉強となる。毎回そうなんですが、やはり優れた音楽家と過ごす時間はそれだけで何千時間もの練習よりもためになるヒントが得られてしまうのです。
本番もやはり勉強になる。もう当たり前のことなのだけど、今この年齢になってもそう感じることができるくらい音楽って深いんだなあーと思います。
そして、演奏することでフェレールの位置付けも明確になってくるから不思議です。
僕の2枚目のソロアルバム「あなたとわたし」でもフェレールのソロ作品を収録しました。そして収録に当たってほぼ全てのフェレールの作品を弾いてみたのですが、その時に感じていたことがより確実に確信と変わる瞬間でもありました。
終演後、岩崎さんとも話をしたのですが、結論としては「フェレールというのは妥協できなかった作曲家」であると。本人はギタリストでもあったのですが、和声の配置において少しギターでは弾きにくいものが多いのです。比較すれば、タレガのほうが圧倒的に弾きやすいのです(押さえやすい)。
これは、岩崎さんのマスタークラスでも(演奏会後にマスタークラスを開催しました)感じたことです。受講生4名のうち3名がタレガ作品でした。タレガ作品の”無理のない書法”が見事に解明されていました。それでいてとても効果的。良い意味でギターではこのあたりは妥協しようという姿勢が見えるのが、実は「タレガの作曲法」なのです。
それと比べればフェレールの作品は妥協がない。悪く言えば、プレイヤー的な感性が希薄だったのかもしれません。その妥協のない和声配置がデュオ曲になると二台のギターでとても効果的に響くのです。だから実は演奏が難しいのですが、それが醍醐味となって病みつきとなるのです。
そんなことを感じた今回の本番でした。
またデュオやりたいなあーと思っています。録音するのも悪くないかなあー。