教室会報「六絃魂」12号配布中です。
記念すべき1周年号です。
毎回、タイトルの下に「今月の言葉」というのをいれています。
普段読んでいる本とかから抜粋します。
今回は細野晴臣氏の著作から引用しました。
「場」っていうのは音楽の活性化には一番大事なことだよ。CDだけじゃダメなんだよ。空気に音を出さなきゃ、響かせなきゃいけない。そういう場所が必要なんだよ。
上記の本からの言葉です。詳しくは本書を読んでもらいたいです。
単純にして明解です。
CDなどのメディアがいくら発達しても、音楽は振動を空気に直接伝え、それを感受する人がいなければダメということを述べています。そして、それを気楽にできる場所が必要である…ということを細野氏は述べています。
いい響きのホールがあっても、商業ベースになってしまっていて、「遊び」で使うわけにはいかない…そんな状況を嘆いているのです。
私は昔から細野晴臣氏のファンです。
細野さんのアルバムは「え?こんな音がこの世に存在したのか!」という驚きが詰まっています。
そこには純粋に「音の可能性」を追求する細野晴臣氏の研究心が溢れています。もしかしたら、その研究心は氏の脳内のイメージあったものを、現実世界に持ってきた…もしくはできるだけ忠実に再現したものであるのではないか?とも思うのです。
つまり、そのくらい「新しい音のイメージ」を作る名人なのです。そのあたりに細野氏のファンはクラクラきているわけです。
その音はやはり我々が呼吸をしている空気中に響かせることが、とても大切だといっています。
氏の言葉を裏返せば、現在の我々は空気中の音を聴く行為の大切さを忘れつつあるのかもしれません。
…そんなことを考えさせてくれる、実に深い本です。
細野氏の言葉は実にシンプルですが、真実を多く含んでいます。そして、下手なスピリチュアル本を読むよりは(騙されるよりは)、よっぽどスピリチュアルな本です(あ、なんだか分からない言葉遣いだ…)。
人間の弱さ、自分の弱さ、そしてエゴの強さを自覚しながらも、外に向けてコミュニケーションの方向をむけている細野氏の強さがしっかりと確認できる著作です。
なんだかんだ、実際にものを作って、ちゃんといろんな人に感情の揺れを与えている人の言葉は説得力がある。力があるのです。
(ここが『下手なスピリチュアル本を読むよりは…』につながります)
対談本なので、読みやすいのもポイント。
全人類にお勧めの本。
悩みは解決できないかもしれませんが…。