「シルバーウィーク」特別連載企画です。
「教える」ことについて書いています。
理論は様々なケーススタディから抽出される。そして抽出された理論をまた現場で応用していって修正+改善。
様々なケース→理論化→その理論を現場で検証→修正&改善
ということを前回の記事で書きました。
そして、その理論は多くのケーススタディーを経て、現実に有効なものになるのです。私は理系ではありませんが、なんとなく理系の方にはこの考え方が理解してもらえそうな気がします。
さて、話はすぱーんとすっぽ抜けるようですが、クラシックギターは(もちろんそのほかの楽器もね)とても複雑な楽器です。そもそも複雑で不完全な楽器の割りには高度な音楽を演奏しなくてはいけません。そして、クラシックギターの特殊な点として、右手指でダイレクトに演奏します。持って生まれた爪の形状や手の構造や形をそのまま用いて演奏しなくてはいけません。
手は医学の分野でも「未知の領域」だそうです。ものすごい複雑な動きをするので、脳みそもフル稼働していることでしょう。
そのようなことを考えると、やはり自分の体については自分が一番よく理解しているに違いありません。逆に考えると、その裏に自分に支配されている体癖も無意識に存在するともいえます。最終的にはその体癖を生かした奏法を身につけなくてはいけないのかもしれません。
さて、脱線するといけないので…話をもどします。
上記のように生徒さんは各個人、なんらかの癖をもっています。それは肉体的にも精神的にもです。
その癖を活かしつつ、且つ日常の生活で身についている悪癖を毒ヌキしながらレッスンしていかねばなりません。この毒ヌキは肉体面、そして精神面、考え方にも及びます。
もちろん、上記のことはクラシックギターと音楽に関してのみです。しかし、音楽への取り組み方を見れば、その人の人生観も分かるといえます。その人がどういう気持ちで仕事に取り組んでいるのか…もなんとなくわかってきちゃうものです。
つまり、いろんな人がいるということです。そして、ギターの奏法や表現、そして普段の練習に仕方、各人の人生におけるギターの位置づけ…などをなんとか「正しい方向に導く」ことが教師の役目です。
その導き方は各人のペースや理解度、身体機能によってまったく異なってくるということです。これはケーススタディーを重ねることによってしか、理解できない部分であると思います。
今まで10人しか生徒を教えていない先生は10人分のケーススタディーしかこなしていないということになります。
もちろん、理論面がしっかりしている先生は10人に対して「間違ったこと」は教えないでしょう。しかし、自分とまったく違った体格の生徒さんや、癖をもった生徒さん、または精神面でまったく違う気質をもった生徒さんと対面したとき、『どのようにその理論をその生徒さんに伝えるか』ということを考えなくてはならないでしょう。
逆に1000人の生徒をレッスンしたことがある先生であっても、理論のベースメントがない先生は駄目です。生徒さん主導のまま終わってしまって、理論の確立ができないからです。
理論はやはり現場で多くのケーススタディーを経て、修正されてはじめて「正しい理論」に近づいていきます。
つまりベースメントとなる理論があるのが前提です。
そして、それを現場を数多く経験し、修正+改善をしてより完璧な理論へ近づけていくわけです。
上記の「ベースメントとなる理論」は教え始めたときは「自分だけに有効なもの」かもしれません。それを、全ての人にたいして有効な理論へとしていくわけです。
自分だけに有効なもの…これは私にとっては2000年当時の「私の知識+経験」だったのだと思います。
ギターを12歳でスタートし、日本で勉強し、そのご留学…スペインで勉強した…その時点での知識であり、結局は自分の身体とメンタルにのみ有効なテクニックであったということです。
もちろん、私が2000年の時点までで学んだことは「先人の遺産」でもあります。スペインの伝統的な奏法、カルレバーロに代表される現代的な奏法…いろいろと勉強しましたが、私の身体と精神に合うものを取捨選択しているはずです。そういう意味で「自分の身体とメンタルにのみ有効なテクニック」といえるわけです。
さて、ながくなってしまったので、続きは次回に!
教授
「シルバーウィーク」です。特別連載企画です。のんびりと暇つぶしにお読み下さい(のんびり読めない内容かもしれませんが…)。
テーマは…突然ですが、「教える」ってことについて書きます。
まずはその前に「富川ギター教室」について。
留学から戻ってきて、幸いなことに私の演奏会に来てくれた人が「是非、習いたい!」といってくれました。彼はプロ志望の男性だったのですが、彼から私の教えるという仕事はスタートしました。それが2000年のことです。
演奏を中心に最初の2年くらいはなんとかやっていきました。そのほかは知り合いから頼まれて外部の音楽教室などで指導を行っていました。演奏は月に4回から5回、録音の仕事とかちょっとした伴奏のお仕事とか…まあ、たくさんやりました。ごちゃごちゃやっていてば露出は多くなるもので…「習いたい!」って人が個人的にやってきました。最初はプライベートなスタイルでやっていました。まあ、それだと生徒さんも安心できないかなあ…とおもって「教室」という名称をつけたわけです。
というわけで、わが教室の開設というのは非常にファジー。面倒くさいので一番最初の生徒さんが来た2000年を開設年としています。
おそらく現在まで、外部の教室なども含めて300人は最低でも生徒を個人指導してきたと思います。
最初の頃はとにかく私が留学時に身につけた知識と技術を一方的に与えるだけだったと思います。今、思い返してみると実に「断言的」なイメージですね。
でも、しょうがない。だって、若かったんだもの(言い訳?)。
そして、教える人数が少なければ少ないほど「一方通行的な教え方」になるのはしょうがないのかもしれません。
その当時は自分の知識と技術に「絶対的な自信」をもっていますし。それは確かに「正しい」ものなのですが、やはりどちらかというと自分の身体やメンタルな部分にしっかりと結びついたものでもあります。つまり「私にとっては」正しい…ということになります。
留学中に学んだアレクサンダーテクニックや、様々な先生からの教えを自分としては体系化したつもりではあったのですが、それが万人に通用するのかどうか?…そこの確信がもてないようになっていったのです。
そのように考えてから、生徒さんとのレッスンは「実験の場」と考えるようになりました。そして、「教えること」についての著作などもたくさん読みました。コーチング関連の本も勉強…。
多くの著作や、知り合いのプロギタリストのアドバイスからえられた結論は…理論は様々なケーススタディから抽出される…ということです。そして抽出された理論をまた現場で応用していって修正+改善していくということです。
様々なケース→理論化→その理論を現場で検証→修正&改善
上記の繰り返しを忘れてしまうと「その本人にとってのみ有効な理論」になってしまうということですね。
そして上記のループの大切さは、それを経験した人間にしか分からないのかもしれない…ということも分かってきました。
続きは、また次回!
さて、やっとこさ、正月ボケがおさまってきました。
明日(明けて、もう今日か・・・)はギター連盟主催のギターコンペティションの審査員というお仕事です。もうぼんやりしてられませんね。
さて、仕事にとりかかるまえに、今年の抱負をなんとなく綴っておきます。
演奏面について。
しっかり毎日練習したいと思います。なんとなく前年はいろいろなことに忙殺されて、体系だった練習ができなかった気がします。こういうのは、あまりいいことではありません。
レパートリーも新しいものを増やしていけたらいいなあとも思います。レパートリー面に関しては、「あれを弾く!」というような目標を立てても、途中で興味のある考え方や印象深い演奏に出会うと変化していくものなので、あまり決めずにいます。生徒が持ってきた曲に惹かれてしまうこともあるし・・・。もちろん、仕事上弾かねばならない曲が出てくることもありますし。
教えることについて。
今年は、教えることについて、もうちょっと展開していく年だと思っています。みなが「面白い!」「役に立つなあ!」と思うことを提供していければいいなあ、と考えています。教える側も教わる側もマンネリにならず、音楽の奥深さ、ギターの醍醐味を共有していけるような教室運営をしていきたいと思います。
その他のことについて。
長年書き溜めている、このブログですが、今年の2月で丸3年になります。それなりに読んでいる人も多いようなので、まだまだ続けます。できるだけマメな更新を心がけようとは思っています。
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