- 下降スラーの原則は離弦動作と一緒。そこにPIP関節による動きを加えることにより、「通常のスラー」となる。PIP関節による「ひっかけ」ばかりに気をとられると、「音が割れる」。なので、普段からPIP関節のみを正確に動かすトレーニングが必要となる。
- 音階練習。強拍、表拍に軽くアクセントいれて弾く練習はリズム感を養う意味で、重要である。
- 拍というものを「器」に喩えると理解しやすい。四分音符だけで満たされている感じ・・・16分音符できっちりと収まっている感じ・・・。細かい音価のものが多いと、とかく「速い=難しい!」という先入観をもってしまいがちになるが、そもそも音符というのは相対的なものである。緊張感の違い、質量の違いと考えるほうが正しい。
- セゴビア編ソル3番。レ♯の扱い。同じくミに解決する部分でも、いったんフレーズが閉じる場合と、先に進む場合がある。ここで、演奏者自身が「その場にいるか?」もしくは「その先のストーリーをしっている!」というスタンスをとるか・・・それぞれの場合において、ミの解決感は変化してくる。奏者本人が聴衆と同じ立場に立つのであれば、いずれのミも「ある程度の解決感」は欲しいところ。後者のミがファに上行していくパワーは裏拍の伴奏部分に託すという方法も考えられる。
- ミラン、パヴァーヌ。下拍の部分の存在感をしっかりと感じること。2拍子の感じ。1拍目へどのように「もっていくか?」を考えて、そのために作曲者が用いている手法に着眼できること。これがポイントかな?
- ソルの小品「狩り」。途中の「すくいあげる」ような2拍目の音形をどのようにするか考えるべし。あとはトランペット効果かな?
- ギタルラ社新ギター教本。教える側として、この「スケール感」がちょうどよい。ページ数という意味で。ギター全体の概要をざっくりと、且つスピード感のあるペースでつかむということにおいては、この本はすばらしい配慮がされている。
- つまり、この新ギター教本を「丁寧に、そしてじっくりと」取り組み過ぎるということは私は避けている。それでも、他の先生よりはずいぶん丁寧にやっているようではあるが・・・。
- ギターの基礎技術ということは、ある程度の経験をもってからしか実感できない「重要さ」がある。それに気づくのはギターを始めて数多くの楽曲をこなした時点に存する。この実感をもった瞬間が「本当の理解」である。
- ヴィラ=ロボス、エチュード8番。最初の部分、半音階的フレーズはチェロをイメージするといいのかな?メロディーにはいってからは伴奏部分のリズムがポイント。音のグループをしっかりと意識してハーモニーも感じること。テンポ的には比較的早くても、なにか「後ノリ」的な雰囲気がキープできるといいんだよなあ。
- ヴィラ=ロボス、プレリュード5番。4分の6拍子で書かれている意味を感じること。中間部の混合拍子的な部分に気づけるといいのかも。大きく小節を二つに割っている2拍子なのだろうけど、その区切りの度合いが難しい。
- カルカッシ1番。順次プラントで練習後、それを「はずしても」弦に触れる瞬間を徹底的に意識すること。
- カルカッシ3番。左手のフォームをできるだけ統一していくこと。そして次の和音を押さえるための「準備」も忘れないこと。