なので、年末にテクニックノートの使い方講座をするようにしております。
序章からスタートして、各章の一番重要である項目を受講生の方と一緒に実践していきました。この指の動きができれば、あの曲のあの部分が弾けるようになるのでは?…と参加者の方にはわかってもらえたかなとは思います。
実際、このテクニックノートはやみくもにこの本だけやっていては、意味がありません。エチュードや楽曲の中で、「あ、このテクニック練習はこの部分で役立つんだ!」と実感していくことで意味がわかってきます。
つまり、経験です。知識だけではだめですし、ただこなすだけではテクニックを使いこなすことはできません。
その経験を感じてから、テクニックノートを用いて、身体の動きを考えながら指を洗練された動きにしていく作業を行うとよいのです。
テクニックノートは普段のレッスンでも用いていますが、やればやるほど、すごい本だなあと思います。ホセ・ルイス・ゴンサレス先生に習っているときにいくつかこの本について質問したことがありましたが、「ほら、こうやればいいんだ!」と言われて、なんのコツも教えてくれたことはありませんでした。ですが、非常に無駄のない美しい動きでした。
そうか、無駄なくやればいいんだ…と思ってあれこれ自分で考えて、ある程度できるようになってから、また師匠に見てもらう。そうすると、やっとホセ・ルイス・ゴンサレスはちょっとした「コツ」を教えてくれます。お前はこうやろうとしているけど、おれならこういう感じでやるな!…みたいなアドバイスをくれるのです。
そのアドバイスが今の僕の技術を支えてくれていると思います。そして、少しオールドスタイルですが、先生の教授スタイルの明確さ。不親切なくらいがちょうどよいのかなあ?…とも思います。
とはいっても、技術練習はどうしても、リスキーなものです。間違った方法で進んでいけば、指を壊してしまう可能性もある。なので、そういうことを避ける意味でも今回のような講座をやっているわけです。ある程度、最初からコツは知っておいた方がよいとは思います。
技術は最終的には自分で「掴んでいく」ものですが、独学の人が最初からやみくもに技術練習をやるのはとても危険です。このバランスをうまく考えて練習していくことがとても大切ですし、教える側としてもなかなか難しいものなのです。
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