次の4/5に現代ギター社にて講座を行います。
実は昨年もソルの講座行いました。そして、今再びその内容をブラッシュアップして、更にソルの作品について、考えております。
クラシックギターを学ぶ中で、ソルはほぼ必ず触れる作曲家です。
しかし、その扱い方は本当に適切なのかという点については、あまり検証されていないように感じます。
多くの場合、ソルはクラシックギタリストが必ず勉強すべき楽曲と思われています。そして、表層的に通過されていく…そう感じてしまう奏者の演奏も多い。コンクールなどの審査などでも、「ソルの個性やソルの独自性」が見過ごされているなあーという演奏を数おおく見かけてきました。
ソルの作品を注意深く見ていくと、旋律と伴奏という単純な構造では捉えきれない書法が随所に現れます。和音としてまとめてしまえば簡単に処理できる箇所でも、声部として見たときにはまったく別の意味を持っていることがある。
さらに、音価や休符、音の数の違いが、単なる書き分けではなく音楽の重心や方向性を規定している場面も少なくありません。
つまり、問題は「弾けるかどうか」ではなく、その音をどう読むかにあります。
この読みの精度が曖昧なままでも、演奏としては一応成立します。しかし、その状態でどれだけ先に進んでも、音楽の扱い方そのものはあまり変わらないまま残ります。
実際、この領域については、プロの演奏家や指導者の間でも十分に共有されているとは言い難い部分があります。演奏として成立してしまうがゆえに、深く掘り下げられないまま流通している側面があるのかもしれません。
この講座では、そうした前提を一度疑い、ソルの作品を「どのように読むべきか」という視点から整理していきます。
具体的には以下の点。
・和音として処理されがちな箇所を声部として再構成する
・音価や休符が持つ構造的な意味を検証する
・音数の違いが音楽の強度や方向性にどう関わるかを考える
といった点を、実際の作品を通して確認していきます。
これらは特別な解釈というよりも、楽譜にすでに書かれている情報をどこまで読み取るかという問題です。ただ、その読み取り方自体が十分に共有されていない。
まずはソルをこのように扱うと、同時代の作曲家との違いも自然に見えてきますし、その後のコストやタレガの作品における音楽の変化も、より具体的に理解できるようになります。
おそらくこの内容は、派手さはありません。すぐに演奏効果として現れるものでもないでしょう。ただ、音の見え方そのものは確実に変わります。
和音として見えているものを声部として捉え直すこと。音価や休符の意味を構造として読むこと。音数の違いが、ダイナミクスや音楽の方向性とどう結びついているかを考えること。
さらに、同時代のギタリストたちと比べたとき、ソルの書法がどこでどう違っているのかを見ていくこと。こうした観点を通して、ソルという作曲家の輪郭をはっきりさせていきたいと思います。
もし自分の演奏に少しでも引っかかりがあるなら、その違和感はかなり正しいのだと思います。
今回の講座は、GGサロンで行っている連続講座「巨匠たちの作品への真摯なアプローチ 〜徹底ガイド!ギター音楽と作曲家の世界〜」の今年度第1回として開催します。
シリーズ全体では、ソルを出発点に、コスト、ジュリアーニ、カルカッシ、ポンセへと視野を広げながら、作曲家ごとの音楽の中心がどこにあるのか、背景を知ることで作品の見え方がどう変わるのかを考えていきます。
第1回は「ソル 西洋音楽の根幹を感じる」。このタイトルの通り、今回はソルを単独で深く扱い、クラシックギター音楽の土台にある考え方そのものを見直していきます。ソルとコストは本当に正しく弾き分けられているのか。課題曲としてよく選ばれる作品の、どこを押さえるべきなのか。そうした問題にも触れながら、背景を知ることで面白さが増していくクラシックギター音楽の世界を、具体的に解きほぐしていく予定です。
開催は4月5日(日)14:00〜15:30、会場はGGサロンです。
受講料は一般3,500円(税込)、学生1,500円(税込)。
ご予約・お問合せはクラシックギター専門店GGショップまで。電話は03-3530-5342、メールはshop@gendaiguitar.comです。会場住所は東京都豊島区千早1-16-14で、東京メトロ有楽町線・副都心線の要町駅4番出口から徒歩3分です。

