- アルペジオ安定しつつある。どのくらいのテンポで「無理なく弾けるのか」しっかりとメトロノームで毎日練習しながら身につけていくとよい。
- カルカッシ1番。右手のタッチ。iとmのリーチの差に気をつけること。右指を曲げたときに、mは長いので深くはいることになる。その場合でも、打撃点を爪と肉の交わる部分でしっかりと捉えること。
- セゴビア編ソル18番。変ホ長調の音階を4弦で弾く。そして3度音程を付け加えて弾くと、分かりやすい。音楽的な構成も見えやすくなり、読譜ミスも減る。これはソルも教則本において推奨している練習法である。
- アラビア風奇想曲。4指が跳ね上がらないように。そうしないとスラーなどのテクニックが安定しない。指を押さえるときは「形をしっかりと作ろう」と意識するが、指を離すときは形に無意識になりがちである。指をぱっと開くイメージで「離す」のではなく、しっかりと関節を動かす意識が重要だ。
- バスの進行。消音を明確に。長調のところでは、より消音とバスの音色の粒立ちを意識すること。そうすることによってメジャー感を演出することも可能だ。
- 音ミス。特にバスにミスを多く見いだしたときには、まずはバスの進行のみ弾いて、それを歌う。そしてそのバス進行に「必然」を見つけだすこと。そうすれば、ミスは減っていく。「5弦を弾かなくちゃ」ということよりも、「ドミナントのミのあと、トニックのラがくるんだ!」と思うことが大切。
- 入り江のざわめき。ポジションの意識を忘れずに。
- ポジション対応の運指で例外がかかれている場合はその前後の部分との関わりがある場合が多い。同じ弦上に同じ指を残しておきたいとか・・・理由を考えるべし。もし同じ効果をポジション対応の運指でできるのであれば、そのほうがミスは少なくなる。
- 次の曲、難しいですね・・・とグチらない。楽譜に書いてあるもので弾けない曲はないのだから。
- ポジション対応の運指を身につけるためには、234のみで押さえる練習もおすすめ。このとき腕全体の重心もしっかりと各指にのせてあげるようにするとベター。腕全体「でっぱり」がないように、しなやかなラインを保つようにすべし。
- アメリアの遺言。ハーモニクス部分はまずは普通に実音で弾けるようにすべし。左手の運指をしっかりと決める。そして左手を見ないでも弾けるようにしておくこと。
- セゴビア編ソル2番。3番。両者ともに音楽の拍感とはなにかを考えるうえで名練習曲である。和声の変化、リズムの変化、モチーフの変化のなかで、しっかりと主観をもってその変化に驚き、且つ全体を見据えるという客観性をもっていなくてはいけない。
- ポジション練習はある意味で退屈な練習であるが、正確に行うこと。正確に行う=楽しい!・・・となっていくとスムーズに行える。きれいな指の動きとなっていくには時間がかかるが、その変化を楽しめるようになってほしい。
- カルカッシ2番から4番まででかなりの音楽的な表現法の基本を学ぶことが可能だ。4番はスラーをとって練習してみること。スラーが非和声音であると考えることができれば、流れが見えてくる。指を動かす練習ではない。「スラー」の練習だ。音楽的、技術的に把握していないと「指の運動」となってしまう。
- 古典の一拍目の重さをしっかりと意識すること。この一拍目の重さは時代によってことなるが、原則としてその重みが停滞に感じられてしまわないようにしなくてはならない。
重み
最近はブログの更新も滞っております。その合間にコメント欄にギターの奏法に関するご質問がありました。コメントのところで回答するのもなんですし、記事の内容とは無関係ですので、別枠で回答いたします。
これを機会にいいますが、今後このような記事に無関係な質問はメールにて送っていただければと思います。教室電話はコンサートのチケット申し込みや教室入会の問い合わせだけにしか対応しておりません。
またメールを頂いたからといって、全てに回答するわけではないことを予めご了承ください。できるだけの回答をしたいとは思いますが、教室に在籍している生徒さんとの対応を一番に考えております。
しかし、ギターを学んでいる皆さんのためになるだろうと思ったネタはこちらのブログで取り上げていこうと思います。
どちらにしても、個別の対応は「個人レッスン」で行なうのが私の考えだということです。
さて、ブログコメントの質問です。
1番気になっているのはセーハ時にガチガチに力が入ってしまうことです。現状は右腕でギター本体を押さえつけ、左腕に力こぶができるくらい引っ張るようなやり方をしてます。イメージとしては弓のようにギターをしならせるといった状態です。
そもそもセーハというのは右腕でギターを固定していない状態でもできていないとダメなのでしょうか?
実際に富川先生のレッスンを受けてアドバイスを頂けたら最高なのですが、住まいが遠方のためそれも難しい状況ですので、この場をお借りして質問させて頂いた次第です。
ちょっとしたことでもアドバイスを頂けたら幸いです。
簡単な回答・・・まず「右腕でギターを固定していないとセーハができない!」というのはまずいです。
何故まずいかというと、右腕は独立していなくてはならず、「腕の自然な重みでギターのボディのところに“一時的に”置いてある」という状態でなければならないからです。
右腕とギターのボディとの接点を一点にして、前腕部分だけを振り子のようにして、高音弦側と低音弦側をフォローするという弾弦法もあります(従来のスパニッシュスタイルですね。タレガなどのスタイルです)。しかし、これは右手タッチのアングルが一定しないので、音色のコントロールが難しくなります。
現代的な奏法では、ギターと右腕の接点はフリーにすることがポイントとなってきます。そのことによって、高音弦であろうが、低音弦であろうが、均質なタッチで弾弦動作を行なうことができます。
これは勘違いしないでくださいね。一時的には腕の自然な重みでギターのボディと右腕は接しています。上記の「フリーな状態」というのは、「自由に位置を変化できる」ということです。
ということで、右腕全体でギターのボディを「常時押し付ける」のは避けるべきアクションということになります。
さて、上記を踏まえたうえで、セーハのポイントは以下3点。
1:左手の重みだけでも、セーハをかけられること。
2:そして、そのためにはギターの指盤を床面に対して垂直にするのではなく、若干上を向けることです。
3:楽器の弦高などをチェックする。
1に関しては、左手の親指をネック裏から外したとしてもセーハをかけられるバランスを見つけることです。
2に関しては、上記に関連しています。1指を伸ばして、指盤の状態が床面に対して垂直であれば、腕の重みを用いて人差し指を「ひっかける」ことができません。
ギター表面板を床面に対して垂直にするというギターの配置の仕方はお勧めできません。これは音響上においても良い効果はありません。楽器はいわばスピーカーです。サウンドホールが若干天井方向を向いているほうが音の抜けはいいのです。
セーハできない人は、ギターの表面板を地面と垂直に(つまり90度に)していることが多いです。そうすると、セーハをかけようとするときに、腕を引くようにして自分の後方向にネックをひっぱることでしかセーハをかけることができないようになります。
言葉だけだとわかりずらいので、絵を描いてみました。
(悲しい絵です・・・それはさておき・・・)
上記のようにすると後方に引くことでしかセーハをかけることができません。もしくは人差し指の力で弦を指盤に押し付けるしかないでしょう。腕の重みを使いたいとしても、「指がひっかからない」ので、不可能です。
また上記☆印のところが曲がってしまって、指を動かすための筋の動きを阻害して腱鞘炎にもなりやすいのです。
さて、私がお勧めするのは、以下のアングル。(次の絵も悲しいです・・・)
絵をみれば一目瞭然です。腕の重みを床方向に向ければ、ひとさし指は自然に弦を指盤上に押弦することになります。つまり腕全体の重みを弦の押弦に利用できるということです。
このバランスさえとれれば、右腕でギターなんか押し付けることはしなくても、セーハは可能です。
以上です。
いかがでしたでしょうか?
セーハのコツ・・・というかポイントですね。
みなさんも是非考えてみてください。
ギターの構え、アングル、そして右手はどうあるべきか?・・・ということもトータルに考えなくては実はセーハはできないということも、考えてみるとよいです。
質問者さんのようなセーハのかけ方をしていると、右手の自由度が失われます。気をつけてくださいね。
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