レッスンの合間を縫って、2月某日、関孝弘さんの「音楽用語」講座を受講してきました。
これで納得!よくわかる音楽用語のはなし―イタリアの日常会話から学ぶ
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これが数年前に出たもの。エッセイ風でイタリア語の原語のニュアンスから日本で俗に「音楽用語」と言われているものを解明するという画期的な本でした。
それからこの本が好評だったのでしょう。よりシンプルですが非常に工夫された新著がこちら。
イタリア語から学ぶ ひと目で納得! 音楽用語事典
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見開き1ページで辞書風にアルファベットで音楽用語の定義がされています。もちろん前著における「イタリア語の原語のニュアンスを感じる」という主旨は貫かれています。見開きの左側には「イラスト」がかかれています。講義では、このイラストにも最大の工夫をなされているのがわかりました。
たとえば、アダージョのニュアンス。女の子がジュースをお盆に載せて「注意深く」「ゆっくり」運んでいるイメージが描かれています。
・・・以上のように、上記2冊は「いままでの間違った音楽用語の定義」を払拭してくれるという意味で画期的でした。
かくいう私もスペインに留学していましたので、師匠たちが実に「自然に」音楽用語のニュアンスを汲み取っているのを実感していました。
なので、ホームページのほうに以下のような文章を書いたことがあります。
http://guitar.sakura.ne.jp/lesson/hyogen/hyogen2.html
私は大学でスペイン語を専攻していましたので、そのときの先生の影響でもあります。訳語を探すときに辞書のその単語の例文を全部読め!・・・といわれました。その言葉本来の「軸となるニュアンス」を汲み取れ!ということだったのでしょう。
そのことは音楽用語についても同じことが言えます。・・・という風には感じとってきましたし、レッスンでも折に触れて述べてきました。
そういう意味で、上記2冊が出版されて非常に「レッスンが楽」になりました。だって、この本を薦めてしまえばいいのですから。
講義ではテヌートとソステヌートのニュアンスの違いも実際に日常動作を交えて説明されていました。
これは私もスペイン留学時に師匠に質問したことがあります。スペイン語ではtenerとsostenerの違いだ!と答えが返ってきました。そして、そのニュアンスの違いを表現してくれました。見事に違います。このあたりは「耳で聞かないとわからない」ものだなあ、と思いました。そして、その言葉のニュアンスの違いを知らないとだめなのだなあ・・・と思ったわけです。
関孝弘さんの講義では、そのあたりをピアノを実際に弾いて説明もしてくれました。スタッカートのニュアンスです。音を「短くきる」のは誤訳ということです。そして、実際にそれは音色と実に関連があることだということを実際にピアノを弾いて説明してくださいました。
そのときに、「ホールで弾くときの音色をイメージすること」ということもおっしゃっていました。これは大事ですね。先日もギターコンペティションの審査をしましたが、「4畳半的な演奏をする人が多かった」という印象を持ちました。このことはブログでも記事にしました。
http://guitar.livedoor.biz/archives/52241407.html
別に「ひとりで楽しむだけ」であれば、4畳半的な響きでかまいません。しかし、演奏というものは聴衆の人含めて「みんなで共有」するものです。それを意識した音色作りをしておいたほうが楽しいよね!・・・という思いで書いたわけです。
関先生はそういうことを言いたかったでしょうね。そういう意味でも、非常に参考になり勉強になった講座でした。
さて、そういう意味で考えると、クラシックギターでいえば、カルッリやカルカッシなどのイタリア出身のギタリストは、おそらく原語のニュアンスで「アンダンテ」や「アジタート」などを使っていたのだと思います。そういう意味でみると、彼らの作品においてはそのニュアンスを明確に汲み取っていかないといけないのだなあと思うわけです。
そして、もしかしたらソルやアグアドなどのスペイン人は若干その感覚が薄かったのかも・・・などと想像してしまいます。(あくまでも想像ですよ)
もしかしたら、ソルはカタルーニャ出身ですので、その言語に近いフランス語で音楽表現に関する表記をするほうが感覚的に合っていたのかも・・・などと想像しています。
いずれにしても、こういう勉強は楽しいものです。自分の今までの経験や知識がいろいろとつながっていく面白さがありますね。
これで納得!よくわかる音楽用語のはなし―イタリアの日常会話から学ぶ
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これが数年前に出たもの。エッセイ風でイタリア語の原語のニュアンスから日本で俗に「音楽用語」と言われているものを解明するという画期的な本でした。
それからこの本が好評だったのでしょう。よりシンプルですが非常に工夫された新著がこちら。
イタリア語から学ぶ ひと目で納得! 音楽用語事典
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見開き1ページで辞書風にアルファベットで音楽用語の定義がされています。もちろん前著における「イタリア語の原語のニュアンスを感じる」という主旨は貫かれています。見開きの左側には「イラスト」がかかれています。講義では、このイラストにも最大の工夫をなされているのがわかりました。
たとえば、アダージョのニュアンス。女の子がジュースをお盆に載せて「注意深く」「ゆっくり」運んでいるイメージが描かれています。
・・・以上のように、上記2冊は「いままでの間違った音楽用語の定義」を払拭してくれるという意味で画期的でした。
かくいう私もスペインに留学していましたので、師匠たちが実に「自然に」音楽用語のニュアンスを汲み取っているのを実感していました。
なので、ホームページのほうに以下のような文章を書いたことがあります。
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私は大学でスペイン語を専攻していましたので、そのときの先生の影響でもあります。訳語を探すときに辞書のその単語の例文を全部読め!・・・といわれました。その言葉本来の「軸となるニュアンス」を汲み取れ!ということだったのでしょう。
そのことは音楽用語についても同じことが言えます。・・・という風には感じとってきましたし、レッスンでも折に触れて述べてきました。
そういう意味で、上記2冊が出版されて非常に「レッスンが楽」になりました。だって、この本を薦めてしまえばいいのですから。
講義ではテヌートとソステヌートのニュアンスの違いも実際に日常動作を交えて説明されていました。
これは私もスペイン留学時に師匠に質問したことがあります。スペイン語ではtenerとsostenerの違いだ!と答えが返ってきました。そして、そのニュアンスの違いを表現してくれました。見事に違います。このあたりは「耳で聞かないとわからない」ものだなあ、と思いました。そして、その言葉のニュアンスの違いを知らないとだめなのだなあ・・・と思ったわけです。
関孝弘さんの講義では、そのあたりをピアノを実際に弾いて説明もしてくれました。スタッカートのニュアンスです。音を「短くきる」のは誤訳ということです。そして、実際にそれは音色と実に関連があることだということを実際にピアノを弾いて説明してくださいました。
そのときに、「ホールで弾くときの音色をイメージすること」ということもおっしゃっていました。これは大事ですね。先日もギターコンペティションの審査をしましたが、「4畳半的な演奏をする人が多かった」という印象を持ちました。このことはブログでも記事にしました。
http://guitar.livedoor.biz/archives/52241407.html
別に「ひとりで楽しむだけ」であれば、4畳半的な響きでかまいません。しかし、演奏というものは聴衆の人含めて「みんなで共有」するものです。それを意識した音色作りをしておいたほうが楽しいよね!・・・という思いで書いたわけです。
関先生はそういうことを言いたかったでしょうね。そういう意味でも、非常に参考になり勉強になった講座でした。
さて、そういう意味で考えると、クラシックギターでいえば、カルッリやカルカッシなどのイタリア出身のギタリストは、おそらく原語のニュアンスで「アンダンテ」や「アジタート」などを使っていたのだと思います。そういう意味でみると、彼らの作品においてはそのニュアンスを明確に汲み取っていかないといけないのだなあと思うわけです。
そして、もしかしたらソルやアグアドなどのスペイン人は若干その感覚が薄かったのかも・・・などと想像してしまいます。(あくまでも想像ですよ)
もしかしたら、ソルはカタルーニャ出身ですので、その言語に近いフランス語で音楽表現に関する表記をするほうが感覚的に合っていたのかも・・・などと想像しています。
いずれにしても、こういう勉強は楽しいものです。自分の今までの経験や知識がいろいろとつながっていく面白さがありますね。