ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室

クラシックギターの「伝道師」富川勝智のギター教室でのレッスン活動と演奏活動の記録です。

2019.8 新サイトOPEN!
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※他に池袋現代ギター社でもレッスンしています

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T君からのメール:普遍性 伝統と継承

いろいろと生徒からメールをもらいます。
長い付き合いの生徒さんからたまにメールをもらうのはうれしいものです。最近は海外で暮らしている生徒さんからメールをもらうことも多いです。

先日、いまはアメリカの大学でギターを勉強している元生徒さんからメールがありました。彼を教えたのは小学生のころです。その後、ハワイのほうへ行きました。ハワイでもクラシックギターの勉強を続けようと考えたのですが、あまり良い先生に恵まれず・・・しかし、たまに日本に来たときに私がワンレッスンをしたりして「クラシックギターへの想い」を持ち続けてくれました。そして彼ももう大学入学。

2009年末に会ったときに、「作曲家か、ギタリストになりたい!」と言っていたので、どうなるのかなあ?・・・と思っていたのです。日本でいえば、高校生・・・将来どうするのか・・・悩んでいたのでしょう。

結局、アメリカ本土へ行き、クラシックギターの勉強をすることにしたようです。メールには日本の震災について心配する文面、クラシック音楽のコンサートがハワイに比べて多いこと・・・学生生活について書かれていました。

さて、肝心のクラシックギターの勉強は?・・・どうやら良い先生にめぐり合ったようで、しっかりと勉強しているようです。ギターアンサンブルのコンサートなども行っており、充実した学業生活を送っている模様。

そのメールの最後のほうに、私とのレッスンを思い出している様子が書いてありました。

そし て言いにくいのですが絶対彼のギター科の子達より富川先生の教室の生徒さん達の方が良い音(良い演奏)をしています。薄っぺらい音というか、なんというか、はっきり言って彼らはタッチが甘いのです。プロを目指しているくせに。(アメリカは自由の国です。)○○先生自身はいい音を出していると思うのですが。といっても富川先生や池田さんのように太く力強い音であるわけでもありません。きっともとの流派が違うのでしょう。

富川教室の生徒さん達はしっかりとしたタッチを伝授されていて、恵まれていると思います。僕個人としても 、富川先生の所で本当に「いいもの」を教えて頂いていたのだなぁと痛感することがあります。こっちのパーティングトン先生は不思議な事に右手のタッチは全く修正してきません(左手を修正される事はあります)。「いいもの」と言いましたが、「本場の味」と言っても良いかもしれません。これらの定義は人それぞれ違うでしょうね。ただあくまでぼくにとっては、こっちのギター科の子は音は「いいもの」には該当しないのです。

なんだかうまく言えませんが、富川先生の教えているものは「正統」であり、同時に「普遍的」なものだと思います(それとも正統なものと普遍的なものとは同じことを意味するのでしょうか)。先生の生徒さん達はきっと世界中どこへ行ってギターを弾いて も大丈夫というか、つまり先生の教えているものは世界に通用するのだと思います。それは実際僕自身が体験していることです。土台がしっかりしているから、外国でもみんなに演奏を楽しんでもらえるし、新しいことを学ぶときもさほど苦労しません。

小学生、中学生のころ。彼は、僕や友人である池田君の音をしっかりと覚えていてくれたのです。
そして、それがしっかりと彼の「理想の音」になっている。
これはとてもうれしいことです。

同時に「教える仕事」にすごい責任を感じました。

そして、音に関して言えば、やはりホセ・ルイス・ゴンサレス先生からは「本物」を学んだのだなあ、とものすごい感謝しています。それが、結局僕の「音色の根本」になっているからです。このメールをくれた彼が感じた「普遍性」はそのホセ・ルイス先生が私に渡した音色や音楽観なのかもしれません。

そして、ホセ・ルイス先生は、その師匠であるセゴビアやレヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサから「音色と音楽」を継承しています。

そういう意味では、彼が「普遍性」を感じるのは当たり前だったとも言えます。


やはり、西洋音楽の源流はヨーロッパにあると思います。

このことを考えるときに思い出す本があります。


中野雄さんの本です。この本の第10章に、ウィーンフィルとアメリカのオーケストラの違いが書かれており、それがそれぞれに「哲学」の差によってもたらされていることが書かれています。

私は常に同様のことをクラシックギターの「音色」についても感じてきました。

やはりスペイン系の奏者の音色のほうに惹かれるのです。ひろくとればヨーロッパの音のほうに魅力を感じます。そして、アメリカ系の奏者には何か「人工的」なものを感じるのです。
理由はわかりません。(それを解明するために勉強を続けてはいますが・・・)


先日、神成理さんの音色に「本物」を感じました。

友人の池田慎司さん(ホセ・ルイスの同門)も同じことを感じたようです。彼のブログで以下のように書いています。

コンサートは素晴らしかったです!
音楽が素晴らしいだけでなく、こんなに太く輝きのあるギターの音を聴いたのは スペイン留学以来かもしれません。
音楽で感動するだけでなく、ギターの音そのものに驚く程魅力や感動がありました。
正に神成氏の音はスペインの音でした。
今ここにホセ・ルイス師匠が蘇ったかのような衝撃的なコンサート
その場に居れたことに感謝です。

「ギターの音そのもの」に魅力を感じる・・・この言葉は深いなあと思うのです。

これを伝えることは非常に難しいです。もちろん、技術的なことやメカニックの部分ではある程度までは伝授できます。しかし、最終的には「イメージ」の問題です。そして、それはどのような楽器をセレクトするか・・・という点にまで及びます。そして、右手や左手の問題だけではなく、「どのような音楽を作りたいのか?」という部分にまで行き着くのです。

このあたりを私はずっと研究し続けています。

「ホセ・ルイスの音がすごかった!」「セゴビアの音はすごかった!」と言うだけなら誰でもできます。そして、それを「こんな感じだったかな?」というふうに自分の感覚だけで口伝形式で教えること・・・これを行っている人も多いとは思います。

しかし、私はそれでは不十分であると思っています。

だからこそ、ホセ・ルイスという音楽家がどのような教育を受け、どのような音楽に影響を受け、どのような哲学を持っていたのか・・・そのことを含めて研究していかなくてはいけないと思っています。その作業は歴史なかの事実の断片を集めることなのかもしれません。落穂ひろいのような作業です。

私のギター史への興味は、このような理由もあるのです。

具体的な奏法理論史(?)にも興味があります。だから古今東西のギター教本や奏法理論の本を収集するのも大好きです。(・・・というより仕事ですね)

そして、その中で正当であり、きちんと確立されたものを生徒さんには伝授しているつもりです。
音楽表現の理論についても、だいぶ整理がついてきました。そして、結局は「そもそも音楽って何が大切なの?」という部分にまで思索はおりてくるものなのです。

上記のようなことを学び続けながら、整理すること。それを教えること。これが私の仕事です。クラシックギター音楽の歴史を継承するつもりで、ひとりひとりの生徒さんのレッスンを行っています。

上記に紹介したアメリカ在住の元生徒さんのように、「普遍性」を理解してくれる方をひとりでも増やすのが私の仕事なのです。

それを再認識させてくれた「お弟子さん」のメールに感謝です。こういうメールをもらったとき「ギタリストという仕事を選んでよかった!」と思うものです。





これでピカピカ!(楽器は綺麗にね)

さて、一番多忙である今日のレッスンも終了。

一番最後の生徒さんは最近入会したばかり…。

今日は「先生、弦の張り方教えてください!」というので、家にあるギターを持ってきてくれました。

始めたばかりなので、とりあえずアコギで練習しているその生徒さん。で、押入れに眠っていたクラシックギターを引っ張り出してきて、さて弾いてみようかな?…と思ったら弦が切れていたのだそうです。

相当埃が積もっていたので、とりあえず、濡れティッシュで「荒療治」です(注:普通に綺麗な楽器では絶対に水分はNGですからね!)。

その後、乾いた布で拭きます。

そして…登場!

ミューズ君です!

ミューズオイル

先日、某楽器屋さんで「お土産」に貰ってきたものです。

(某薬用石鹸と同じ名前ですなあ)

 

で、これを布につけて、こびりついた汚れを落とします。ピカピカです!

ああ、すっきり…。

それから新しい弦に張替え。…いい感じです。

 

押入れに眠っているギター…とか、ゴミ捨て場に落ちてあるギター…なんどか同じような作業をしたことがあります。とにかくピカピカになるようになるまで磨くのです。清掃作業ですね。

不思議にそうしたほうが、音もすっきりなってくるような気もします。気持ちの問題かもしれませんが…。

楽器屋さんの人は結構同じことをいいます。表面版に汚れとか手垢がついていないほうが鳴りが良くなるって。物理学上ありそうな…。

でも、気持ちのほうが強いですかね…?みなさんはどう思いますか?

 

あ、さて、明日は藤井先生の公開レッスンです。朝9時15分〜。

詳細はブログ記事にてご確認を。

http://guitar.livedoor.biz/archives/51849695.html

 

長い一日になりそうです。(今日こそは)早めに寝ます。

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2007年概観(まとめ!)

2007年概観、まとめ!です。

いろいろ書いてきましたが、今年も順調に全ての仕事をスムーズに行うことができました。

なんだかんだいってフリーランスですので、演奏に関しても録音や編曲や執筆に関しても、仕事が頂けるのは嬉しいことです。

基本的に今まで、自分で売り込みをかけることなくやってきましたので、帰国して以降の活動を様々な人がきちんと見ていてくれているのだなあ・・・という温かい気持ちを随分感じたものです。

ひとつひとつの仕事をきちんとこなしていけば、それが次につながっていく・・・というのは「当たり前」のことなのですが、これは実はやってみなければ本当には理解できないことなのかもしれません。

教室運営のほうも順調です。長く習っている生徒さんも増えてきているので、教室在籍生徒の結束も強くなってきています。私個人として、生徒はプライベートの友人を越えた存在となりつつあります。この感情はなんとも言葉では説明がつきづらいです。もともと私の性格は「頑固&感覚的」な部分が多いのでしょうね。外見的には冷静に見られるときが多いのですが・・・。

このあたりを、うまーくフォローしてくれる生徒が増えてきたので、実に助かっているのです。

若手ギタリストのなかにも、私の教室行事を手伝ってくれる人も増えてきて、なんとなく「ああ、俺も若手じゃないなあ〜」という気分になってきたのも、今年あたりからなんじゃないでしょうか?

生徒のなかにも、プロ志望も増えてきているし、プロで活躍している人が習いにも来ています。このあたりはなんとなく責任を感じるようになってきています。だからといって、今までの自分を変えるわけには行かないので、とにかく私は私のやりたいことをやっていき、勉強を続けるしかないのかもしれません。

音楽的な部分としては、今年はオーケストラや室内楽を多く聴いて研究しました。おもにベートベンでしたが、オーケストラの癖や指揮者について集中的に研究しました。CDも結構買いましたね。それに関する本もやまほど買いました。スコアも買いなおしたりしました。音楽表現の根本はやはり巨匠の演奏から、無限に学ぶことがありますし、当たり前のことですが、その全てを把握できるはずもありません。ですが、できるうる限り、時間の許す限り研究を続けることが自分のためにもなりますし、生徒を教える意味でも必要な作業であるという思いが強くなった今年でした。

夏合宿のときに、池田君と話していて久々にフルート奏者のモイーズが気になったりしたのも収穫でした。彼が吹くドビュッシーなどはやはり音の存在感が別格な感じがします。音の「圧力」「存在感」などについていろいろと考えました。村松フルートから出ている全集も聴きなおしましたが、基礎練習的な部分に、とても大切な要素があり、シンプルなものを徹底して洗練させていくことが大切なのだなあ、と思いました。シンプルなものを「深く」感じさせることはとても難しいのですね。

楽器についてもいろいろと勉強しました。夏に池田君のロマニリョスをいじくっていたら、これが実に面白い。池田君が私のアルカンヘルをいじくっているのを見ているのも実に面白い。ということから派生して、秋口からたまにブーシェを弾いています。数回演奏で使用しましたが、このことから学ぶことが多いです。結論からいうと、バランスのうえではアルカンヘルのほうが上ですが、音色のバリエーション、音の存在感、持続性ではブーシェは独特のものがあります。ひとつの楽器だけを使っていると見失うものは多いのかもしれません。

どちらにしても、音色は奏者がコントロールするものです。同じ楽器でも、弾き手のタッチなり音楽性によって変化します。「名器」と奏者の研鑽の絶妙な拮抗関係において、良い音が出てくるのだと思います。どちらが大事ということでもないのですね。余談ですが、アマチュアの方にはこのことを分かっていない人が多いのだなあ、ということを気づかされたのも今年のことです。また同じ製作家でも個体差があることを知らないアマチュアが多いことも知りました。楽器というのは、ワインと一緒です。ついついラベルに惑わされてしまいます。素直に音を聴く&耳を鍛える&音が分かる人の意見を素直に聞く・・・ということを怠ると大事なものを失います。

とまあ、いろいろなことを考えた一年でした。

「音」や「音楽」というものといいお付き合いができた一年でした。

悩んだり、考え込んだりしたことも多い一年でしたが、得たものも大きかったような気もします。なんとなくそうなのかなあ?と思っていたものが確信に変わったり、その逆もあったりして・・・。

来年も、そんな年になるといいなあ!

では、これにて2007年概観、まとめ!編終了。

ブログの投稿も今年分はこれで終了。

みなさまよい年を!&来年もよろしく!!!

 

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名器の条件

昨日はマンドリンとのリハのあと、現代ギター社へ。
 
レッスンは休みであったが、買い物&ちょっとした用事があった。
 
買い物&用事が済み、久しぶりにショップにある楽器を「いじめる」。
いじめようと思ったら、「フレタもあるよ」ということだったので(まだ店頭にはでてない)、それから試奏。
 
とても状態のいいフレタで、重厚な音・・・いいな〜!
しっかりとタッチでやると、しっかりと鳴ってくれる楽器。
あんまり弾いていると欲しくなるので30分ほどで終了。
弾いているうちに、音がしまってくる・・・名器である。
 
次はショップにあるハウザー2世。75年作(?)の逸品。フレタを弾いた後だと、明るい気品のある音である。が、音はコシがあり太い。音色のバリエーションも豊かである。
個人的にはフレタより好み。1弦と3弦のバランスが秀逸!
ネックはもうすこし太めが好みかな・・・
 
同じくGG学院の先生である益田正洋さんもレッスンの合間にきていた。二人で楽器を試し弾き。
彼の18番であるカバティーナ組曲の運指などちょこっと盗ませていただく。
 
名器と呼ばれるものは、どれも弾いている間に「音が変化していく」のがわかる。奏者のタッチに敏感に反応し、音が変化していく。
 
一般の人は名器と呼ばれるものは最初から「いい音」であると思っていることが多いが、実はしばらく鳴らしてみないと分からない。特に楽器店に置かれてある楽器は、普段弾かれていないから「眠っている状態」と考えていい。
 
フレタ、ハウザーともに、弾いていくうちに音が変化していくのが、はっきりと分かる。名器というのはそういうものであると再確認。

ルネ・トーマ

ルネ・トーマ「guitar groove」
 
 
 
 
 
 
 
 
このギタリストはジャズです。
私の商売は「クラシックギタリスト」ですが、
聴くのはジャズとかポップスが多いです。
 
上記のギタリストはRene Thomasと書いて「ルネ・トーマ」と読みます。
 
大学生の頃、このCDを聴いて以来大ファン。
これを聴いて、ああジャズギターでも「コシのある音」があるんだ・・・と思いました。


Guitar Groove」というアルバムで、その名のとおりグルーブしております。アルバムジャケットもかっこいい!!

下北沢の中古レコード屋でLPを買いそびれたのがいまだに心残り・・・という一品でもあります。(というくらい、このジャケットが好き!)

夜中になると、これを聴きたくなります。オーソドックスなジャズスタイルですが、トーマの癖のあるノリがいい感じです。フレーズのアイデアも豊富で聞き込むと結構「緻密」なプレイをする人だな〜と感心するプレイヤー。

「ギターらしい」音で楽しめます。ピッキングのニュアンスまでしっかりと録音されていて、逆に今聴くと新鮮かも。こういうのに慣れてしまうと、今のジャズギタープレイヤーは「綺麗すぎて」聴けない。

 

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