6月9日演奏会のレポートです。
雲行きが怪しかったのですが、なんとか持ちこたえましたね。やはり演奏会当日が雨というのは嫌なものですから。
直前まで他の場所で演奏会をしていたカルステン・グロンダル氏が着いたのは開場時間ジャストの5時30分。
お客さんもちらほらいるなかで、しょうがなくリハです。前の会場で彼が忘れ物をしたらしく、いろいろと電話連絡を楽屋でしていたら、あっという間に本番。
慌ただしいスタートでした。
当日のプログラムはこちら。
(前半=富川勝智)
ドメニコーニ:民謡(MINYO)
ターレガ:3つのマズルカ〔マリエッタ〜夢〜アデリータ〕
アラビア風奇想曲
トローバ:カスティーリャ組曲〔ファンダンギーリョ〜アラーダ〜ダンサ〕
トゥリーナ:ファンダンギーリョ
E・S・デ・ラ・マーサ:ロートレック讃歌
グラナドス:スペイン舞曲5番
(後半=カルステン・グロンダル)
E.G.バロン:アリア 変ロ長調
S.L.ヴァイス:シャコンヌ
D.ブクステフーデ:組曲11番より アルマンド/クーラント/サラバンド/ジーグ
J.S.バッハ:リュート組曲 BWV1006aより プレリュード/ルーレ/ガボット
ヘンデル:アリア
私の演奏はスペインものが中心となりました。
カルステンさんはオールバロックですね。会場がとても残響のおおいところだったので、11弦の魅力がよく分かったと思います。
私はひさびさに弾いた曲が多かったので、危険が多かったです。致命的なミスはなかったと思いますが・・・
お客さんの反応は「いつもよりギターが鳴っていた・・・」とのことですが・・・。
11弦ギターというのは、消音が大変そうですね。彼は手が大きいので、割と正確に消音していました。個人的にはヴァイスのシャコンヌ(チャコーナ)の低音進行が魅力的でした。6弦だとそこまでさがれないもんな〜とか考えながら聞いてしまいます。
ブクステフーデは原曲のオルガンの雰囲気をよく伝えていました。荘重な楽想が11弦にぴったりです。
とにかく、11弦ギターもたまにいいものです。6弦ギターのコンセプトとはまったく異なった音色ではありましたが、バロック物には最適でしょうね。
ボーリン作の素晴らしい楽器でした。
日本ではほとんど無名ですが、次回来日時はもうちょっと大きめの会場で聞いてみたいものです。今回聴けた人はまた違ったギターの魅力を感じ取ることができたと思います。お客さんが少なかったのが残念です。